ニワトリ星の【産卵人間】@

 リアルタコ型母船内で軍医タコが言った。
「次は『ニワトリ星』の【産卵人間】です」
 尻目が、口元とお尻の目を気分が悪そうに押さえて言った。
「【擬態人間】や【大口フェラチオ人間】みたいなの思い出して、宇宙酔いが再発しちゃいました……うぷっ」
 膝抱え座りをしている淫霊憑依の響子は、性具を洗って消毒するためにマ●コから引き抜いた。
 長時間、マ●コに入れっぱなしになっていた性具の淫臭に、思わず吐きそうになりながら言った。
「ぅおぇ……ニワトリ星の【人間牧場】には、不満や未練を抱いて成仏できない淫霊代表がいる……うぉぇ」
 到着した『ニワトリ星』は、イースターエッグのようにカラフルに色づけされた建造物が乱立して並び、雌鳥形をした建物や『裸の店員が接待するフライドチキンチェーンの支店』などがあった。
 フライドチキンのチェーン店を見た尻目が一言。
「これって共食い?」そう、呟く声が聞こえた。

 軍医タコ一行が向かったのは産卵人間を飼育している【人間牧場】だった。
 人間の放牧飼育産卵や、ケージ〔養鶏でニワトリを入れる並んだ鳥かご〕内での飼育産卵。
 平飼い産卵〔養鶏場で枠で囲った鶏舎内に餌を撒いて鶏飼育しているアレ〕などの施設に改良された裸の女たちが入れられていた。
 ニワトリ星で人間牧場を案内するのは、ニワトリ側裸族人類のメス『天紅』だった。

 キノコ星のベルトコンベアーの上に、胸を両手で隠したような格好で乗せられていたラブドール人間のように手の平で乳房を覆い隠している『手ブラの天紅』が言った。



「ニワトリ星の案内は、あたしがする……かもね」
 軍医タコたちが最初に案内されたのは、給食施設の調理場のような場所だった。
 調理場にある銀色の金属台の上に、全裸の改良女がうつ伏せの格好で乗っている。
 スーッスーッと寝息を立てている女の、尾骨から腰にかけて白い羽毛とニワトリの尾羽が生えていて、肘と肩甲骨周辺にも羽毛が生えていた。
 頭頂には赤い鶏冠〔トサカ〕もあり、膝上から下は鳥の足のように改良されていた。



「これは説明用に眠らせた【産卵人間】かもね……産卵用に、より鳥に近く改良した人間かもね……第一世代は羽毛を移植して交配を重ねたかもね、これを見るかもね」
 天紅は眠っている産卵人間の尾羽を軽く持ち上げて、ヒップの谷間をタコたちに見せる。
 谷間にあるのは、性器の溝だけだった。
鳥みたいに排尿、排便、繁殖を一つの穴で行えるように改良した……かもね」
 そう言って天紅が指で押し拡げた改良女の性器には、真ん中に総排泄孔の穴がポツンとあるだけだった。
「この穴から、産卵も排便も排尿も生理もみんなする……かもね、次の施設を案内する……かもね」

 先頭を歩く裸の天紅に軍医タコが質問する。
「改良された産卵人間が生んだ無精卵はどうなるんですか?」
「茹でて粉砕乾燥させて飼料に混ぜて、産卵人間に食べさせる……かもね」
「卵は生ませるだけですか?」
「ネットで女体が産卵をする場面を配信しているかもね……女卵マニアに好評で再生回数が多くて年間を通して、多額の広告収入がある……かもね」

 軍医タコたちが次に連れてこられたのは、長方形のケージが上下に段に並べられ、改良人間のメスが一人づつ入れられた『人間鶏舎』だった。
 全員がこちらに臀部を向けている。
「これが産卵人間……かもね、定点カメラで二十四時間、背後からのライブ映像流している……かもね、そろそろ一斉産卵の時間……かもね」



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