真地球へB『エロトラ族』登場 『メカ・ギャー子』登場

 土門とペットがいる砂浜の空間の一部が柔らかく歪み、土門とペットが見ている前でグニュッと空間を押し広げる指先が現れた。
 セックスファイル室と砂浜の空間座標が繋がった。
 ダーウィン神が繋がった空間から浜辺に出てきた。
「ほうっ、変態どもがおるわい」
 レスリング水着をさらに過激にした男性水着のマンキニ〔別名ムタンガ〕を着て、背中に日本刀を背負った土門がいきなり現れたジジィに怒鳴る。



「誰が変態だ!!」
 ダーウィン神に続いて艦長と副官も穴から出てきた。
「ここはどこだ? 潮の香りがする?」
「あっ、アライグマの着ぐるみパジャマを着た女の子がいる……可愛い」
 土門はヤマンバメイクで出てきた副官女性に向かって、背中の日本刀を引き抜くと斬りかかる。
「出たな化け物!! 成敗!!」
「きゃあぁ!?」
 副官女性の制服が下着ごと縦に斬られ、日焼け肌のヌードになった。
 刀を鞘に収めた土門が【第四の障壁】を越えて話しかける。
「こういう場合の、お約束は果たしたぞ……最初は敵だと勘違いして、襲いかかるヒーローネタも、ちゃんと入れたからな」
 土門は進化神たちの方を向く。艦長が言った。
「副官はヤマンバだが、化け物じゃないからな」
 土門が進化神たちに訊ねる。
「なんだ、あんたたちは?」
「儂は、この真地球の創造主──進化神ダーウィン、神石の所有者じゃ。ここにいる二人は儂と砂野スグリとの闘いの見届け人じゃ」
「ジイさんが、幼女と闘うのか? どうやって?」
 進化神は土門の質問には答えずに、真地球を一周してきた五本の飛行機雲を見ながら呟いた。
「感じた強い力は、あれじゃったか」
 五つの飛行物体は浜辺の海側に水飛沫をあげて着水した。
 全長三十メートルの裸の巨人……五人の『エロトラ族』が立っていた。
 一番端のスタイル抜群の裸の女巨人が自己紹介をする。
『エロトラの母』です」
 次に立つ巨乳のエロトラ巨人が、乳房を揉み回しながら言った。
『エロトラの乳』です」
 三人目のスレンダーな女巨人が言った。
『エロトラの姉』です」
 四人目の小柄な女巨人が言った。
『エロトラの妹』だよ」
 五人目の背が高い男巨人が言った。
『エロトラの兄』だ……砂野スグリを倒すために来た」
 巨人の裸身には赤い模様が描かれ、胸の中央にカ●ータイマーのようなモノが付いている。
 巨人たちを見上げながらペットボトルが言った。
「でっかいなぁ……女の乳房と男の性器が」
 集結するスグリ撃退メンバー……ただ、先に真地球に向かったはずのハイブリッド裸族人類の美久は本能に導かれ、富士の樹海をさ迷っていた。

 樹海の中を全裸でさ迷う美久は、なぜか懐かしさを感じていた。
(なんだろう……ここの場所は、やたらと血が騒ぐ)
 真地球に頭と手足を胴体に引っ込めて、炎を噴射しながら回転飛行してきた美久は海に落下して、そのまま海中を泳ぎ進んだ。
 海から陸へ美久が裸上陸した時は、サイレンが鳴り響き。〔ちょうど、アモーレの矢が発射された時だったから〕人々は逃げていた。
 美久は港から都市へと移動して、着衣人類たちが建物の中や地下に避難した 無人の車道の真ん中を堂々と全裸で歩いてから……なぜか本能に従って、この樹海にやってきた。
 樹海の中を進んでいた美久の前に、切り株に腰かけた一人の裸女が現れた。
 目つきが鋭い、コウモリのような翼を腕から生やした怪女が美久に向かって言った。



「よぅ、久しぶりだなオレの永遠のライバル……美久」
「誰?」
「覚えていないか、裸族人類からしてみたら、怪女なんか相手にもならないということか……アッシャーッ」
 謎の裸女の口から発射された、喘ぎの超音波が木の枝を切断する。



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あきゅろす。
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