二つの世界の同時進行ストーリーB『ヘラ石』

『裸族人類が存在する退屈でない世界』……オリンポス、神女ヘラの神殿。
 神女ヘラは神殿で砂野スグリと対峙していた。
 ヘラは裸身がほとんど丸見えの、薄いギリシャ風の衣装を着ていた。
 裸同然のヘラが高圧的な口調でスグリに言った。
「小娘が、ヘラの神石を奪うなど百億年早い……石になれ」
 スグリの体が足の方から石化をはじめる……ピキッピキッ……ヘラが言った。
「石像になる前に教えてやろう……我の胎内に秘めた『ヘラ石』人間を魔物や石像に変化させられる……さらにエロ限定の時の神石『クロノス石』の力も表裏で持っているので、エッチな時間を少しだけ早送りと早戻しできる……と言っても、もはや聞こえていないか」
 完全に石化したスグリに背を向けて去ろうとしたヘラは、背後から聞こえてきたスグリの薄笑いに驚愕して振り返る。
 スグリの石化がチョコレートが剥がれるように頭から解除されていく、スグリが言った。
「な──んてね、石化の呪いは無効! 反射してそっくり返す」
 今度はヘラの体が石化していく。
「あぁぁ……そんな、石化快感が……あぁぁ気持ちいぃ」
 淫らな顔の石像となったヘラの股間からは、滲んだ液体が染みを作っていた。
 スグリは軽く体を動かして、残っていた石化の欠片を払い落とす。
 スグリが言った。
「残念だったね……『魔王石』は、あらゆる呪い攻撃を相殺、吸収、反射する……さてと、どうやって『ヘラ石』を取り出そうかな……腹部を砕いて出してもいいんだけれど……ここは知恵を借りますか『ロキ石』叡知と情報のムギンとフギン来たれ」
 スグリの声を受け背中から黒いカラスの翼を生やして、日焼けした裸の男女が現れた。
 ひざまづいた、日焼けイケメン男が言った。
「お呼びにより叡知のムギン参上」
 並んでひざまづいた日焼け美女が言った。
「同じく情報のフギン参上いたしました」
「ムギン、フギン、一番いい『ヘラ石』を取り出す方法教えて」
「それなら『魔王石』で使い魔を呼び出して、ヘラをイカせるのが一番の方法でしょう……『魔王石』所有者の性質と同調するヒマな裸女を一体、バイト契約召喚できるはずです」
「呪いを弾き返す『魔王石』に、そんな力も……わかった」
 地面に魔法陣が現れ、スグリと同調する裸女が魔方陣の中から現れた。
 現れた性格が暗そうな裸女が言った。
「何か用か……用件があるなら早く言え」
 バイト召喚されたのは怪女の『ヘド子』だった。



「なんか暗そうで、汚そうな奴が現れた」
「ほざけ、バイト代はしっかり払ってもらうからね……あと、背ビレが光って尻尾が長くて口から熱線吐くアイツには、乾燥するから近づきたくないから呼び出しても来ないからね……渡りカラスの試練の時」
 最後にチラッと意味不明のヘド子の言葉をスグリは聞き流す。
 ヘド子が再度、スグリに聞き返す。
「で、あたしは何をやればいい?」
「石化したヘラを昇天させて」
「お安いご用」
 ヘド子が黒いヌチャヌチャした粘液のを地面這わせて、股間の真下から噴水のようにヘラの石化した性器を弄ぶ。
 股間をイタズラされたヘラの体はビクッビクッと痙攣して、膣穴からヘラ石を吐き出した……吐き出された『ヘラ石』は、そのままスグリの大陰唇右側に貼りつく。
 スグリが言った。
マ●コの両側が埋まった……今度は強運の体位神石『ラクシュミー石』だぁ」

 真地球、国際国防庁の通路……いきなり、セックスファイル室から上層に呼び出された艦長と副官は、指定された部屋へと向かっていた。
 副官が艦長に訊ねる。
「いったい何でしょうね? 急に上に来いだなんて」
「知るか、上層が考えていることはわからん……おっ、この部屋だ」
 室内にはいかにもな防衛タイプの職員と、場違いな神さまか仙人風の白髪老人が椅子に座っていた。


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