第二次アナザー・エデン遠征A神女ウズウズ登場

 アナザー・エデンに向けて軍医タコ、響子、乙姫、我美の四人は、とぼけた雰囲気のライオン型列車メカで出発した。
 客車の座席に裸で座った乙姫が、冷凍ミカンを食べながら言った。
「あたしに感謝しなさいよ、特別に乗せてあげるんだから」「はい、感謝しています……もうすぐ、ヘソ穴駅ですね」
 ライオン型列車は『天と海を支える女巨人』のヘソ穴に到着して。軍医タコ一行は停車した列車から降りて改札口から駅前に出てみた。



 ヘソ穴の中には、そのまま体内に通じるトンネルが掘られ、両側には町が作られていた。響子が軍医タコに質問する。
「すごいですね……おヘソから体の中に穴を開けても大丈夫なんですか? このトンネルはどこと繋がっているんですか?」
 駅前の土産物店で名物の『ヘソまんじゅう』を買いながら軍医タコが答える。 乙姫と我美は、民芸品っぽい変な土産物を手に遊んでいる。
「特殊な医療工事ですから大丈夫です、でも着衣人類の響子さんは真似しないでください……超人的な巨人の体だから可能な工事ですから。おヘソの穴は子宮をバイパスして、もうすぐ膣と繋がる高速道路が開通します……子宮は赤ちゃんを育てる、女性にとっては大切で神聖な器官ですからね、女体保護区域に指定されているんです。ちなみに天と海を支える女巨人は現在、妊娠しています……出産予定日は何百万年も先ですが、彼女は立ったまま子どもを産みます」
「巨人の体に入るには、おヘソの他にどんな入り口があるんですか?」
「口と鼻の穴ルート、膣とア●ルのルートがあります……ア●ルは拡張工事が行われているはずです
「おしっこの穴からは入れないんですか? 耳の穴は?」
「耳の穴は巨大洞窟の観光名所となっていて体内には通じていません……尿道ですか、あの穴は狭すぎるので徒歩で体内に入る自然保護道になっています。有名な俳人が尿道を訪れた時の感動を詠んだ俳句が残っています『尿道や、ああ尿道や、尿道や』さて、そろそろ電車にもどりましょうか」
 軍医タコ一行が土産物店を出たところで、クレープの白いクリームを裸体の乳房に垂らした一人の裸女が近づいてきて言った。
「やっと来たじゃん、待ちくたびれたじゃん」
 その裸女は天女の衣のような、フワフワ空中に浮かんでいる薄い布を両腕に絡めていた。
 突然現れた裸女を少し観察してから、軍医タコが言った。「あなたは『神女』〔しんじょ〕ですね……歴女グループに混ざった裸女グループの」
「当ったりじゃん! あたしは神女『アメノウズメ』気楽にウズウズって呼んでもらえばいいじゃん」
 そう言ってクレープにかぶりつく、ウズウズの胸にピュッと白いクリームが飛び散り垂れる。響子が軍医タコに質問する。
「神女ってなんですか?」
「その名の通り、伝説や神話に登場する神の名を持つ裸女グループです、最初は独立していたグループでしたが人数も他の裸女グループと比べると少ないためと歴史上の人物がたびたび神化されるので。いつの間にか歴女グループと融合してしまった裸女&裸男たちです……実は裸サンタクロースも神女グループの一員なんですよ」
「神女と言っても、万能な力を持っているわけじゃないじゃん……あたしの能力は、裸で淫らに踊って。あたしの踊り見た者に脱衣させるだけの能力じゃん」
 ウズウズは唇の端についたクリームを手の甲で拭う。
 軍医タコがウズウズに質問する。
「わたしたちが来るのを、待っていた理由はなんですか?」
「ある重要な目的で一人の神女を探しているじゃん……その神女は自分から望んで着衣人類に転生して、今は自分が神女だった記憶を完全に失って着衣人類として生活しているみたいじゃん……歴女のジャクリーン・オ・ランタンの占いで『巨人のヘソの駅に立ち寄るオレンジ色のタコと行動を共にすれば、探している神女は見つかる』と言われたじゃん……同行したいじゃん」
「重要な目的とは何ですか?」
「真地球に関係した事柄じゃん、今はこれしか言えないじゃん……アナザー・エデンや裸族人類が存在する退屈でない世界には迷惑はかけないじゃん」
「そういうコトなら同行を認めましょう」
 こうして、ウズウズが仲間に加わった。

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