オマン湖耐久レース・リベンジA

 レース車両が集まってる場所では、他でもハプニングが起こっていた。
 レーススタッフの一人が腕組みをして立つ、特女代表の『ロボット裸女エス』に話しかける。
「まだ、参加車両とパートナーは到着しないんですか? 規定の時間内に車両が無いとエントリー取り消しですよ」
「もう少ししたら来ますわ……時間にルーズな裸女ですから……たぶん来ると思いますわ」
 エルがそう言った時、暴走してくる車両と人々の悲鳴が聞こえてきた。
 それは車両の前面にギザギザ歯の口を開けた凶悪な車だった。人々の「暴れ車だぁ!」「喰われるぞ逃げろぅ!」の声が響き。
 アーモンド型の二つの黄色い目をして、ギザギザ歯が覗く口を持つ暴走車両がエルの横に急停止する。
 車のガルウィング扉が開くと、中に縄で縛られた裸の女が乗っていた。



 暴走車両に乗っていたマゾッぽい裸女がエスに言った。
「遅くなってすみません。エスお姉さま……あふっ、股縄の締めつけが思っていたよりもキツくて念力の制御ができなくて……あふぅん」
 恍惚とした表情で身悶えている特女〔特撮裸女〕にエスが言った。
「よく来てくれましたわ『サナ・ギーマンレディ』耐えて耐えて、いざとなった時に『イラマチオマン・レディ』に羽化するのですわ」
「はい、エスお姉さま……がんばります……あふッ」


 我美と乙姫が乗り込んでスタンバイしている、マッパ号の近くでは応援ボンボンを振る白我美がレース参加者に応援エールを送っていた。
「がんばれ、がんばれ黒我美! がんばれ、がんばれ、全員! ムギュウゥゥ」
 白我美が自分の裸体を抱き締めて応援エールしているのを無視して、我美は乙姫の股間に片手を忍ばせてクチュクチュといじまくり回す。
「あふぅぅぅ」
「乙姫さまの男日照りマ●コ……柔肉がもう、レース前からトロトロっスね」
 乙姫の柔肉をいじくりながら、片手で淫牌ゲェム用に渡されたタブレットを車の、ダッシュボード上にセットする我美。
「大会の規定ではハンドルから手を離しても大丈夫な自動運転の車は、レース中誰が淫牌ゲェムの役を作っていてもいいっスね……もっとも、知力を使う淫牌ゲェムをするのは主にボクっスけど」


 軍医タコと隊長タコが乗るコミカルなデフォルメの『タコさん号』の車内では、数時間後のスタートに向けて軍医タコの微調整が続いていた。
「タコさん号の触腕は、全部正常に別々可動しますね……走行しながら触腕をヌタヌタ蠢かしているタコ車……これはギャラリーにウケますね」
 隣の座席で淫牌タブレットをアレコレいじくっている、双子の隊長タコから軍医タコはタブレットを取り上げる。
「隊長には使いこなせませんよ、オモチャじゃないんですから……ゲェムで牌を並べ不要牌を捨てるのは、わたしがやりますから……タコさん号は自動運転ですから隊長は大人しくしていてください」
 双子の隊長タコがハモるように言った。
「「オレにも何か協力させろ!」」
 この双子隊長は、軍医タコが宇宙船の自動ドアで寸断された前と後ろを、細胞培養液でニ体に再生した隊長タコだ。
「「オレは隊長だぞ! おまえの上司だぞ! 偉いんだぞ」」
「そこまで言うなら隊長にも、ゲェム協力してもらいましょうか」
 そう言うと軍医タコの一体の隊長タコの腕に、チューブが繋がった献血針を刺した。
「あ゛ッ」針を刺されて意識を失う隊長タコ……チューブを通って変な色の体液が、パックに溜まっていく……ざわざわざわ。
 軍医タコが冷ややかな口調で言った。「一度やってみたかったんです……血液を抜いていく麻雀を、これをやるとレース走行中の役あがりポイントが1・5倍になります」
 残っていた、もう一体の隊長タコが悲鳴をあげて逃げ出すより早く、軍医タコは天井から下がっていたロープを引く。
 天井から落ちてきた捕獲檻が、残っていた隊長タコを捕らえた。
「逃がしませんよ、隊長には一体目が枯れたら、ニ体目の血抜きをやってもらいますから……協力したいんでしょう」
「てめぇ! 軍医ハメやがったな! 最初からそれが目的でオレをレース参加させたのか! オレはおまえにとって何なんだ!」
「タコ聞きの悪いコト言わないでください。隊長が自分からレースに出たいって宇宙船で言ったんですよ……隊長は、わたしの偉い上司です」
 檻の中で隊長タコが嬉しそうに笑う。
「そうか、偉い上司か……よくわかっているじゃないか。へへへっ」
 単純な隊長タコであった。


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