母親と恋人の創造C 恋人〔犬コロ〕完成

 響子の恋人に近づいたエロに、軍医タコが言った。
「なんとか響子の誕生日までに間に合いましたね……響子が想い描いた理想の容姿の恋人なので気に入ってくれるでしょう」
 軍医タコの言葉にエロは少し、渋い表情をした。
「実はな、製作の過程で予想外のコトが起こってな……ちょっとコノ部分を見てくれ」
 エロがマジックハンドで示した、響子の恋人の箇所を軍医タコは覗き込む。うに子と撮影隊のカメラレンズも一緒に、恋人の下半身を覗き込む。
 エロがマジックハンドで、特定の部位をいじくりながら言った。
「ほら、ここをこうすると……ほらな、異物が混入していた。この部位だけ新しく作って付け替えるか?」
「響子の誕生日まで、日にちもありませんし……これはコレでいいです、響子の話し相手になってくれるかも知れませんから。それじゃあ響子にプレゼントする恋人のラッピングをお願いします」
「おい、オレはトゲがあるウニだぞ。ラッピングなんて繊細な作業できないぞ」
 うに子が無限チ●コを、ピクッピクッさせながら挙手した。
「は──い、あたしラッピング得意です。あたしやります」
 うに子は、包装紙の上で恋人の裸体を転がして、ミイラのような形にラッピングした。


 翌日、タコ型母船に響子は『どこでもホール』で呼ばれ、連れてこられた。響子が軍医タコに訊ねる。
「なんですか? 特別な用事って? あっ、ウニがいる?」
 ドクター・エロが素っ気ない口調で言った。
「ちょっと見届けたかったからな、オレのコトは気にするな」
「響子さんに渡したいモノがあるので、尻目さん、うに子さん例のモノを」
 尻目と、うに子が移動式のストレッチャーに乗せた、ラッピングされた響子の恋人を運んできた。
「ハッピーバースディ! 響子! これは、わたしからのささやかな誕生日プレゼントです……ナマ物ですから、この場で包みを開いてください」
 響子は、訝りながら包みを開く……中から裸の男性が出てきた。
 震える声で響子が、軍医タコに訊ねる。
「これって、いったい?」
「響子が欲しかった恋人ですよ……理想の容姿をしているはずです、気に入ってもらいましたか」
「だからぁ、あたしが言った恋人欲しいっていう意味は、そういう意味じゃなくて……もしかして、夢の中で触っていた、あの人肌の粘土って?」
「はい、創造主が人間を作る時に使う人間の素です……この恋人は響子のモノです」
「人間一人をプレゼントでもらっても……この人、名前なんて言うんですか?」
「考えていませんでした……響子が名づけてください」
「名づけるって……ペットじゃあるまいし」
 横からドクター・エロが口を挟む。
犬コロでいいんじゃないか、よし決定! そいつの名前は今日から犬コロだ、ちょっと犬コロの体を確認してくれないか……チ●コの皮を剥いて亀頭を見てくれ」
「犬コロって……仮性チ●コの皮を剥いて中を見ても、別におもしろいモノは……」

 犬コロの皮を少し下に引っ張った響子の動きが止まる、凝視する亀頭は毛のようなモノが生えていた。
「えっ!? 亀頭に毛?」
 軍医タコが言った。
「思いきって皮を全部剥いてみてください」
 響子が犬コロのチ●コを剥くと中から出てきたのは、陰茎ではなく小さな裸の女の子だった。



「ぷはぁ……息苦しくて、臭かったでしゅ、ナカーちゃんでしゃ」
 チ●コの女の子が深呼吸をする。 両目が白点になる響子。
 エロが科学者らしく説明する。
「どうやら、アナザー・エデンに生息する菌類が粘土に付着していたらしい……毒性はないから安心しろ、タコと相談して寄生菌類『ナカー』と名づけた」
「ナカーちゃんでしゅ、よろしくでしゅ。排泄尿と射精の精液はナカーちゃんの口から出るでしゅ」
 響子は、どう対応したらいいのかわからずに……その場で固まった。



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