巨チンの森『ムラムラ村』B

 全裸で全身に幾何学模様をボディーペイントした、若い男女の村人たちと軍医タコたちは並んで道を『ムラムラ村』へと向かった。首長の傍らには少し小ぶりな乳房だが、若くて綺麗な全裸奥さんが並んで歩いている。
 村人たちの後方からは、機材を担いだ撮影隊がゾロゾロとついて来る。
 歩きながら軍医タコが聞いた話しだと、ムラムラ村の空き地に撮影隊のトレーラーハウス群が駐車していて、撮影隊の宿泊施設になっているらしい。

 歩きながら、軍医タコは『生命の粘土』についても首長に訊ねてみた。
 首長は歩きながら自慢のぺニスをビクッビクッ動かしながら、軍医タコの質問に答える。
『生命の粘土』はムラムラ村の滝のところにあります……村の秘宝という設定で、撮影に使っているので……撮影が無事に終われば、自由に持っていっていいですよ
「撮影次第、というコトですか……う〜ん」
 やがて、一行は『ムラムラ村』に到着した。
『ムラムラ村』は、西部劇に出てくるネイティブ・アメリカンのように、皮製のテントを住居にしている村だった。
『ムラムラ村』の空き地には、撮影隊が宿泊する数台のトレーラーハウスがあった。

 軍医タコたちは、ムラムラ村の中でも一番大きい首長のテントに案内された、テントの中にはユニットバスや、エアコン、パソコン、キッチン、冷蔵庫などの近代的な設備が装備されている。
 首長と一緒にテントに入った妻は、真っ先にユニットバスで、裸体に描かれた幾何学模様を洗い流しはじめた。
 仕切りと言っても透明なビニールカーテン一枚だけなので泡だらけになって。小ぶりな乳房を揉み回して首長の妻が体を洗っている様子は丸見えだ。
 洗い終わった妻は下着を身につけ普通に現代着を着衣する。妻に続いて首長もボディペイントを洗い流し着衣する。
 軍医タコが着衣した首長に質問する。
「なぜ、裸体から着衣に?」
「裸はムラムラ村の観光客用で、今回は撮影のために裸になりました。普段は普通に着衣して、近くの町に通勤通学しています」
「なるほど、裸体にペイントがムラムラ村の民族衣装ですか」
 アナザー・エデンでは裸体の人間と着衣の人間が混合で普通に生活している。
 混雑した通勤通学電車に一人か、二人の割合いで乗っている全裸OLや全裸女子高生〔ハイヒールやスニーカー付き〕などがいて職場や学校、ファストフード店のバイトでも普通に裸の人間がいる。

 軍医タコ一行が首長がポットから、カップに注いで出してくれたハーブティーでくつろいでいると。〔破華姉ぇは、ストローを使ってマ●コの穴から飲んでいる〕
 ライフル銃のモデルガンを構えた迷彩服姿のディープ東郷がテントの中に入ってきた。
 ディープ東郷に続いてテントに入ってきた、助監督が言った。
「監督が君たちの中の数名が気に入ったので、もし良かったら映画にエキストラで出演してみないか……と、言っている。君と君と君の三人」
「………………」
 ディープ東郷が覗くスコープは、破華姉ぇと尻目と天狗裸女をとらえた。
 互いの顔を見合わせる三人。
「ディープ東郷監督の作品に出演できるなんて、感激です……ぜひ、出演させてください」
「あたし、映画出演なんて生まれて初めてです……ドキッドキッしてきました」
「うむっ、良い経験になるかも知れんな……承知した」
 軍医タコもうなずいて三人の映画主演を承諾する。
「みなさん、思い出作りがんばってください」
 助監督がテーブルに数冊の台本を置く。
「それじゃあ、明日までに台本の流れを頭に入れておくように……君たちの出番は修道所のセットで、聖女役の女優二人が会話をするシーンの修道女役だから」
 それだけ言うと、助監督とディープ東郷はテントから出て行った。

 軍医タコがテーブルから持ち上げた台本の表紙には『シスター・ウォーズ〔最初の受胎〕』とプリントされていた。



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あきゅろす。
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