巨チンの森・ムラムラ村A ディープ東郷

 巨チンと巨大美紅の群れを、軍医タコたちが眺めていると。今度は森の中から裸の男女がワラワラと現れた。
 顔や体には幾何学模様がペイントされ、手には男性性器を模した三ツ又のぺニス槍や、女性性器を模した金属のヴァギナ盾を持っている。
 裸体の原住民は、軍医タコたちに向かって奇声を発する。「うほほ……チ●コチ●コチ●コ
「うほほ……マ●コマ●コマ●コ
 そして、メガホンを通して男性の大声が森に響いた。
「カァァ──トッ! ダメじゃないか! 撮影中に関係者以外の者を撮影現場に入れたら! スタッフ、どうなっているんだ!」
 見るとロケ隊の撮影カメラのレンズと集音マイクが、軍医タコたちがいる方向に向けられ。
 着衣した複数の撮影スタッフがこちらを見ていた。
 メガホンで怒鳴った男性は、どうやら助監督らしい。
 女性スタッフの一人が言った。
「タコの着ぐるみアクターの役者さんと、裸の女優さんたちじゃないんですか?」
 助監督が丸めた台本でポンポンと手の平を叩く。
「台本のどこに、そんな演出書いてあるんだよ! 第一、そのタコの着ぐるみにどうやったら人間が入るんだ! 監督だって怒ったような顔をしているだろう」

 助監督の後方には映画監督チェアに座った、迷彩服を着て手にはスコープ付きのライフル銃のモデルガンを持ち、眉毛が太い、寡黙な男性が座っていた。
 その男性を見た、破華姉ぇが興奮した口調で言った。
「あの人は、映画監督の『ディープ東郷』……まさか、撮影現場に遭遇するなんて……なんて奇遇」
 軍医タコが破華姉ぇに訊ねる。
「有名な監督なんですか?」
「アナザー・エデンでは超有名な映画監督よ……寡黙な監督で、下の世界でも数作品上映していたんじゃないかな」
 その時、呼んでもいないのに秋が上空からガニ股開きで、ド──ンと着地してきた。
 土埃の中で立ち上がった秋の顔は、ほのかに桜色に染まっている。
 秋は無言でディープ東郷に近づくと。
 お腹の袋から取り出した色紙とペンを、ディープ東郷に差し出して頭を下げた。
「上空から監督の顔が見えたので……ファンです! サインください!」
 助監督が面倒くさそうに、秋に言った。
「監督は今、不機嫌なんだ、去れ!」
 ディープ東郷は、無言で色紙とペンを秋から受けとると、サラサラと色紙にサインした。
 秋がサインをもらえたのを見て、破華姉ぇと尻目もディープ東郷に近づく。
「あたしたちもサインいいですか……あ、でも色紙とペンが」
 秋が破華姉ぇと、尻目にも色紙を渡すと。
 ディープ東郷は強面の顔でサインした……そればかりか、破華姉ぇと尻目と秋が望む裸体の箇所にもサインしてくれた。
「あのぅ……乳房にもサインもらえますか?」
「あたしは、お尻にサインを」
「あ、あたしは下腹部に……子宮がある辺りに」
 破華姉ぇの乳房、尻目のヒップ、秋の下腹部にサインがされた。
 最後に監督と並んだ四人のスマホ撮影まで、ディープ東郷は寡黙に承知してくれた。
 撮影時にディープ東郷がVサインをしているところを見ると、ディープ東郷監督も裸の女性に囲まれてまんざら悪い気分ではないらしい。
 サインをもらった秋は、高潮した顔で色紙を胸元に抱き締めると。
「幸せ……」と、呟いて天空に跳躍して消えた。
 ライフル銃の銃口を向けられた助監督が言った。
「今日の撮影は、ここまで……明日は到着する女優と一緒に、修道院のセットで受胎シーンの撮影……それから『巨チン』登場のタイミングが少し遅いので、撮り直しの時はもう少し早めにチ●コを振るように」
 撮影スタッフが機材の撤収をはじめると、破華姉ぇのところに一人の全裸原住民男性が近づいてきた。
 たくましいフルチンでペニス槍を持った若い青年が破華姉ぇに言った。
「破華姉ぇ、久しぶり……ディープ東郷監督の映画撮影隊がムラムラ村に来たコトを、忙しすぎて伝えるヒマがなかった」
「いきなり、ディープ東郷監督が居たからは驚いた……タコさん、こちらは『ムラムラ村』の若村長さん、ムラムラ村での宿泊を世話してくれる」
「よろしく、若い村長さん……『巨チン』と『巨大美紅』は映画の出演者だったんですね、あなたたち村民も映画に出演しているんですか?」
「ディープ東郷監督が、ムラムラ村の風習や習慣を混ぜた映画を撮りたいというので、エキストラ出演で……『巨チン』と『美紅』は元々、森に生息している大人しい巨大裸族です……詳しいコトは、村まで歩きながら」



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あきゅろす。
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