妖怪渓谷【迷宮の中華飯店】@

 操り処置が完了した裸の響子に、軍医タコは極小部位で防御力が0に近いビキニ・アーマーを差し出した。
「これを身につけてください……ほとんど防御力はありませんが、千切れても再生復元する『北斗印』のビキニ・アーマーです」
 響子は、ヒモが切れたら乳首と股間が丸見えになる、不安感いっぱいのビキニ・アーマーを身につける。
「この兜と手甲、脚絆ブーツ、それと剣と盾も装着してください……剣と盾は安全なゴム製ですので戦闘には不向きです」
 響子を、RPGに登場する女勇者のような格好に変えた軍医タコは、満足そうに数回うなずくと。
 最後にシリコン製の人工男根型性具を、響子に渡した。
「この人工男根をアーマー股間にあるネジ穴に、ネジ込めば完成です」
 響子は根元がネジ山になっている、人工男根をネジり込んで『人工男根を生やした変態女勇者』になった。

 凍騎は自分がいた宇宙の感覚では理解できない、軍医タコの行動に頭を抱えてしゃがみ込み。
 ティティスが小パニックを起こしている凍騎に代わって、軍医タコに質問する。
「なぜ? RPGの登場人物のような格好に彼女を?」
「この方が、食材集め旅の雰囲気が盛り上がるでしょう……『裸族人類が存在する退屈でない世界』での物事の解決方法は基本エロ行為ですから。響子には、この先はエッチな気分になってもらわないと」

 そう言ってから、軍医タコはテレビのリモコン装置のようなモノを取り出した。
「このビキニ・アーマーには、こんな仕掛けもあるんですよ……ボチッとな」
 軍医タコがスイッチを押すと、アーマーの内側から短い触手がウネウネと蠢き出てきた。
 アーマーの横からはみ出して蠢く、逃れられない触手責めの快感に響子は、顔を悦の困り顔に歪め、腰を引いて喘ぐ。
「あぁぁぁぁぁぁぁ……はぐぁぁぁぁぁ!?」
 ティティスが軍医に質問する。
「触手ですか? 我らの同胞ですか?」
「いいえ、意志を持たない、疑似シリコン触手の性具です……装着した者に快感を与え続けます、それでは『妖怪渓谷』へ向かいましょう」
 床に転がり、触手アーマーの股間を押さえて、ビクッビクッと連続絶頂をしている響子を乗せた小型タコ宇宙船は、垂直上昇してから水平飛行で『妖怪渓谷』へ向かった。


【妖怪渓谷】……谷間をまたぐ、巨大妖女『手洗い女鬼』の淫猥な秘部をティティスと凍騎は、下の妖怪町から見上げる。
 尻目が賑わう妖怪街の市場で、深呼吸をして言った。
「谷に漂っている妖気が懐かしいです……やっぱりココは、妖女の故郷です」
 ティティスが軍医タコに訊ねる。
「これから、どうするんですか?」
「まずは、太歳がどこにあるかの情報収集です」
「そもそも太歳ってなんなんですか?」
「中国で不老不死の増殖生物と言われている、動物とも植物とも判別できない塊です……地中を移動していて、掘り起こすと災いがあるとも言われています」
 ティティスは、そんなモン食っても大丈夫なのか? と、思った。

 軍医たちが周囲を見回して太歳のヒントを探していると、尻目が知っている親戚の人物の姿を発見して声をかけた。
「あっ、ザク叔母さん!!
「あら? 尻目ちゃん久しぶり」
 尻目の視線の先には、モノアイ〔一つ目〕でワンピースの水着を着た妖女が店先にビーチチェアを出して、その上でくつろいでいた。
「ザク叔母さん、そんなところで何やっているんですか?」
「見てわからない、日光浴よ妖怪渓谷は日照時間が短いから」
 そう言ってザク叔母は、丸眼鏡のベルト式ダテ眼鏡を取り出すと装着して尻目に訊ねた。
「どう似合う?」
 尻目は一つ目叔母の眼鏡をした姿を見て「ミニ●ン?」と、呟いてから太歳について質問してみた。
 尻目から太歳のコトを聞かれたザク叔母は、首をかしげる。
「太歳はいつも地中を移動しているから……あっ、ちょっと待って。さっき配っていたチラシに太歳のコトがチラッと載っていた記憶が」



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あきゅろす。
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