分断触侵C〔触侵完了〕

 月光の下、抱き合って腰を蠢かすサーコとユズキ。このまま最後までイクかと思われた二人の背後から、それぞれ男と女の怒鳴り声が聞こえてきた。

「もしやと思って後をつけてきたが、禁忌を犯すとは……いったい何を考えているんだ!! 女と抱き合うなんて!!」
「境界線の方へ歩いて行くから変だと思ったけれど……男の汚らわしいモノを体に入れるなんて、なんてことを……離れなさい!! 白蛇神さまからの罰を受けるのよ」

 ユズキとサーコは男たちと女たちの手で性器結合を無理矢理、引き離された。
 羽交い締めにされて、性器が体液で濡れた状態のまま抵抗するサーコとユズキ。
「離して! あたしたち、セックスしていただけなの! ユズキ! ユズキ!」
「離せ! サーコ! サーコ!」
 引き離されたサーコとユズキは、その後二度と逢うコトはなかった。


 男と女の、それぞれの触手ドームへと連れてこられた。ユズキとサーコに赤触手と白触手は、同じように二人の頬を触手で撫でられ、顎先をクイッと触手で持ち上げられた。

 男専門の赤触手が言った。
《整った顔立ちをしているな……紫触手の『術式』を受けさせよう……男の精を体内に受けて、男を宿し出産する体に生まれ変わるのだ》

 同刻……女専門の白触手が言った。
《美形の女ね……あなたには、紫触手の『術式』を受けてもらう……女しか生まれない体に改造してあげる》
 ユズキとサーコは、触手の言葉に声も出ず震えた。

 小一時間後、白触手ドーム……術式台に全裸の仰向けで寝かされ、産婦人科の診察台で診察されているような格好で両足を触手に支えられ、サーコの呻く声が聞こえ続けていた。
「うぐッ……うぐッ」

 両腕を体の側面にピタリと密着させられたポーズで、裸体に絡まった白触手たちに術式台に拘束されたサーコの口には、太い紫触手が押し込まれ蠕動運動をしていた。
 サーコの膣穴とココア色の蕾にも『医療人体改造系』の紫触手が入り込み。
 膣穴に侵入した紫触手の先端から突出した細い触手は、子宮内壁に枝のように広がり、さらに子宮奥の卵管口から卵巣にまで侵入していた。

 紫触手が言った。
《おまえの体を、男の精子を受け付けない体に作り替えている……男の精子では受精しない体になる。その代わり女の愛液に反応して排卵がはじまり、卵子が細胞分裂を開始する……おまえの体からは女しか生まれてこない》
 サーコは涙目で静かに両目を閉じると、口から投入された麻酔薬の効力で、女同士で愛し合っている淫らな夢の世界に堕ちていった。


 同刻、赤触手ドーム……全裸に剥かれたユズキは、術式台の上に足をL字に曲げさせられた膝座りの格好で乗せられ。
 天井や壁から伸びて裸体に絡まる赤触手たちから。
 両腕を旅客機が翼を水平に広げたようなポーズで台に固定されていた。

「うぐッ……うぐッ」
 ユズキの口にもサーコと同じように、太い紫触手が挿入されてグニュグニュと蠢いている。
 ユズキの股間に近づく紫触手の先端が鋭い扇型の刃物に変形する。
 紫触手が言った。《おまえの肉体に施す『術式』は、会陰〔男の体では睾丸の後ろ側から肛門までの間、女性の性器がある位置〕を切開して、人工子宮を体内に埋め込む……おまえは、男の膣に男の精液を受け入れて。妊娠する体に生まれ変わる……人工子宮から生まれてくるのは、もちろん男だけだ》

 紫触手がユズキの会陰を切開する……触手の術式で血はほとんど流れない。切開が完了すると、別の紫触手が人工子宮と卵巣……人工膣管をユズキの体に押し込み。
 切開口を縫合して人工の膣穴が作られていく。
「うぅ……うぐッ」
《もうすぐ、ココア色の蕾とは別の男穴が完成する……おまえは、新しい穴で男に抱かれ精を注がれて男を宿すのだ》
 涙目のユズキは静かに両目を閉じると、投与された麻酔薬の効力で。男同士で愛し合っている淫靡な夢の世界へと堕ちていった。

 その後……目覚めたサーコは女に抱かれ女児を、その身に宿し。
 ユズキは男に抱かれ男児を、その身に宿して出産した。


【狩猟惑星】触侵完了


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