エロイナー@
とある会社のオフィス……退社時間になり、デスクで書類作成作業を行っていた社員たちが凝った肩をほぐすように動かしてから、椅子から立ち上がった。
雑談をしている男性社員たちや、そそくさと帰り支度をしている女性社員たち。
その中で只一人、黙々と残業を続けている女性社員がいた。
知的な印象の眼鏡を掛けて、髪を後ろで束ねた地味な雰囲気のOLに労う言葉をかける同僚もなく。そればかりか、自分たちの分の作業書類までもが押し付けられる形で、地味な女性社員のデスクに山積みされていく。
この会社では、それが習慣化されて定着していた……女性社員が一人だけ残ったオフィスで、寡黙な女性社員はパソコンの画面を確認しながら作業を進めていく。
やっと、最後の書類作成が終わった時……デジタルクロックの表示は深夜0時を、かなり過ぎていた。
帰宅するために社内エレベーターに乗った、女性社員は残業のフラストレーションを発散させるかのようにエレベーター最下階のボタンを連打する。
「キ──────ッ!!」
叩くたびに地下の階を示す表示が増えていく……B10……B20……B50……B90……地下108階までエレベーターは下降して停止した。
エレベーターのドアが開くと、そこは地下洞窟のような、古代遺跡内部のような不思議な空間が広がっていた。
社長秘書のようなタイトスカートとスーツ姿の二人の女性が、エレベーターから出てきた女性社員の前にひざまづいた。
秘書『S』と秘書『M』を、見下した視線で見下ろしながら、眼鏡を外した女性社員が二人に命令する。
「あたしをエロの闇に包め……ドギツイくらいの淫女に、この体を染めろ」
立ち上がった二人の秘書は、女子社員の衣服を剥ぎ取りはじめた。束ねられていた髪がほどかれ、ベージュ色の下着も脱がされて女性社員は全裸にされる。
秘書『S』と『M』は、女性社員の裸体に香水を振りかけ、ムダ毛処理や化粧を施していく……女性社員は、二人の女の手にしたT字カミソリで全身の産毛を剃られる。
毒花の髪飾りと、ドクロのイヤリングにドクロのチョーカー。
乳首丸見えの縦穴開きブラ。お尻の丘丸見えのTバックで、前面は黒レースのスケスケエロショーツを穿かされ。
手には黒い革の手袋と、柄の部分が男根型をしたバラ鞭〔平たいゴム皮が束ねられたSMプレイ用鞭〕
腰から足には、黒いガーターベルトで留められた、黒いニーピンヒールのロング革ブーツ。
どこから見ても変態の淫乱女が完成した。
黒い淫らなブラとショーツは男を発情させて、変身した女性社員の肉体を求め服従奉仕させる、特性の女性フェロモンに浸されていた。
羽毛が付いた黒いドミノマスク〔SMの女王さまが目元を隠しているアレ〕で正体を隠した女性社員は、秘書が用意した玉座に座ると威風堂々と言った。
「わたしはエロ……『ゴッドエロス』……集え皆のもの」
地面から形態が異なる、カマクラ型のゲートが次々と出没した。
あるゲートは表面がリベットが付いた金属のようであり、あるゲートは生物に滑った質感があったり、石棺のようなゲートもあった。
そのドームの中から、次々と異風の男女が現れる。
ある者たちは、露出度が高い破廉恥な制服を着ていた。
また、ある者たちは前面が大きく開いた、裸体丸見えの動物の着ぐるみパジャマを着ている集団や。
さらには、SMロープで裸体を緊縛された者たちもいた。
ドームから広間に出てきた者たちは、片手を頭上にかかげ同じ言葉を繰り返す。
「エ・ロ・ス!! エ・ロ・ス!! エ・ロ・ス!!」
ゴット・エロスが片手を挙げて制すると、変態たちは静まり返った。
ゴット・エロスが言った。
「あたしは、偶然この地下空洞を発見した。ここで出会った二人の秘書の提案で購入した宝クジに高額当選したあたしは、その資金を元手にして。この地下空洞に性的欲求不満を持つ者たちを集め……エロい帝国……『エロス帝国』を作り上げた」
エロス帝国構成員の「エ・ロ・ス! エ・ロ・ス!」の大合唱が再び沸き起こる。
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