裸の鏡迷宮@〔痴女の奇妙な貢献〕
蘭花たちは、次の『黄金色に輝くキ○タマ』の情報で【傀儡遊園地】へと、やって来た。
夜しか開園しない大人の遊園地には、無人の観覧車やジェットコースーが稼働している。
遊園地の入り口まで、リヤカーで響子を乗せて運んできた、源サンが言った。
《それじゃあ、また移動する時には呼んでくれよな……いつでも飛んできてやるからよ》
源サンが去ると、裸の蘭花と銀牙は不気味な雰囲気が漂う遊園地に目を向ける。
蘭花が言った。
「タコ神二号さまは、このキ○タマ情報があった【傀儡遊園地】〔くぐつゆうえんち〕は、得体の知れない場所だって言っていたけれど」
銀牙が訊ねる。
「今度のは、どんな情報だ?」
「降水確率みたいな、キ○タマ降玉確率……キ○タマが空から降ってくる確率が、この場所が一番高いんだって」
「なんだそりゃ?」
響子がワクワクした口調で言った。
「とにかく、園内に入ってみましょうよ……あたし、夜の遊園地なんて初めてです」
響子が先頭に立ってゲートを通過しようとすると、チケット売り場の中から女性の声が聞こえてきた。
《入園するなら当日の入場チケットを購入してください……着衣人類は一千タコス、裸族人類は無料です》
販売所の中で、顔に斜影がかかっていて。人相が確認できないチケット販売係りの言葉に響子は驚く。
「お金取るの!? 一千タコスが日本円でいくらになるのか、わからないんですけれど」
《入場するのに、お金を払うのは当たり前です……江戸時代の貨幣に換算すると『銀一匁〔ぎんいちもんめ〕』くらいです》
「その貨幣単位で言われても、さっぱりわからないんですけれど……匁〔もんめ〕って、何? あたしタコスなんて単位の、お金持ってない」
困惑している響子の肩をポンポンと軽く叩いて、蘭花が言った。
「あたしが、代わりにチケット代出してあげる」
蘭花が顔が影で見えない、チケット係りに訊ねる。
「チケット代って、裸族人類の生体認証クレジットでも大丈夫?」
《もちろんです……生体でのクレジット支払いも可能です、認証しますからマ○コを見せてください……オス犬が片足を上げて、マーキングをしているようなポーズになってください》
蘭花は、四つ這いになると「くぅ〜ん、くぅ〜ん……やったぁワン」と鳴きながら。
チケット売り場の方に、片足を上げてマ○コを見せた。
蘭花のマ○コに、赤い横線の光りが当てられ。チケット売り場の小窓から、半券が千切られた入場チケットが、球体関節の人形の手で差し出された。
《そのチケット一枚で、園内の乗り物や施設はすべて通用しますから……それでは、素敵で淫らな一夜を」
園内に入るとお客の姿は無く、着ぐるみのキャラやスタッフのピエロだけが動き回っているのが見えた。
響子が、ガッカリした顔で言った。
「なんかあまり人がいないね……これからどうする?」
「とりあえず、チケット売り場で渡されたパンフレットに載っていた『裸の鏡迷宮』って、ところにあたしは行ってみたいんだけれど……銀牙はどうする」
「オレはどこにでも、蘭花につき合うぜ……夜の遊園地を、全裸でデートしているようなもんだからな」
銀牙の言葉に、ちょぴり羨ましそうな顔をする響子は、首筋とか肘に軽くチクッとする奇妙な感覚を感じた。
「???」
痛みを感じた体の箇所を見る響子……別に何も変化はない。
蘭花が不思議そうな表情をしている、響子に訊ねる。
「どうしたの?」
「なんだか、さっきからチクチクと、変な痛みが……あッ、また今度は両膝に痛みが?」
「大丈夫?」
「うん、我慢できない痛みじゃないんだけど……なんとなく鍼を打たれているみたいな感じ……あッ、今度は手首に?」
「あたしは何も感じないけれど……銀牙は?」
「オレも別に何も感じないけれど」
チクッときた部分を擦りながら響子が言った。
「あたしのコトは気にしないで、蘭花が行きたい『裸の鏡迷宮』に行こうよ」
三人は歩き出した……その後ろ姿を樹の陰から、ケチャップが塗られたチ○ポのような太いフランクフルトソーセージをしゃぶりながら見ている、クラゲ側裸族人類の秋の存在に三人は気づいていなかった。
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