渡る世間は裸女ばかりB〔70年代裸女人造人間【インランダー】は、裸の祭典に憤慨する〕


 会場に『どこでもホール』を使って、タコ型宇宙人と一緒やってきた。蘭花と銀牙は、大型浴場のような……裸、裸、裸の光景に興奮する。

 蘭花が言った。
「すごいですね、どこを見ても裸体ばかりですね……裸体を見慣れていない着衣人類なら、裸酔いしちゃいますね」

 参加者の登録規定をタブレット端末で確認しながら、軍医タコが答える。

「地球で初めて開催される『淫乱グランプリ』ですからね……四年に一度の【裸の祭典】【性器のイベント】です」

 軍医タコは、傍らでレインコートを着て、顔にはサングラスとマスク、ついでに帽子を被って顔を隠している、隊長タコを怪訝な表情で見た。

「隊長、なんですか? その格好は? 見た目まんま変質者ですよ」

「いやぁ、以前地球に一匹で来た時に、なぜかタコ殴りにされたからな……軍医も気をつけた方がいい」

「それは隊長に人徳……もとい、タコ徳が無いからでしょう。わたしは大丈夫です」

「そういうモノなのか? おっ、あっちから美味そうな匂いが漂ってきた。軍医、とりあえずは腹ごしらえだ」

「しかたがないですねぇ……蘭花と銀牙は、裸族人類だから食べなくても平気ですよね」

「はい、あたしたちは一年に一回だけ食べれば十分ですから」

 軍医タコたちは、おいしそうな匂いが漂ってきた方向へと移動する。

 そこは淫乱グランプリに出店している屋台村で、さまざまな飲食物が販売されていた。

 M字開脚をして座る裸族人類女性の股間に蛇口が取りつけられ、膣圧で生搾りされる果物スムージーが売られている店や。

 別の星で家畜用に品種改良された裸族人類女性の、絞った母乳を飲ませてくれる店もあった。

 隊長タコが嗅いだ匂いの店は、鉄板の代わりに裸族人類女性の女体を使った『女体焼き』の匂いだった。

 仰向けやうつ伏せで、横たわっている女体が火で炙られ。女体の上で食物が焼かれていた……もちろん、女体焼きを作っている店の者も裸だ。

 軍医タコが言った。
「漂っていたのは『女体焼き』の匂いでしたか……灼熱マグマの海も平気な裸族人類の肉体なら、火で炙られるくらいなんともないですね……あっちの店では、冷やした裸族人類の女体にアイスクリームを盛った『女体盛りアイス』の販売もしていますね」

「軍医、女体焼きを食べるぞ……裸のお兄さん、女体焼き二つ」

 隊長タコが女体焼きを注文していると、蘭花にとって聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「これは、蘭花どのと、タコ神二号どの、お久しぶりでござる……ニンニン」

 背中に忍者刀を背負った、70年代裸女……変態忍者【ハラミ】だった。



「ハラミ見参! ニンニン!」

 ハラミの隣には別の70年代裸女が立っていた、頭に修道女が被っている白と紺色の頭巾を被り、首にロザリオをかけただけの裸女だった。

 顔にロボ線があり、体に機械的な部分が見える『機械裸女』だ。



 ハラミが言った。
「紹介するでござる……70年代裸女の一人、人造人間『インランダー』でござる」

 インランダーが聖女の口調で喋る。
「あたしは、この破廉恥極まりない祭典を、中止させるために来ました……主催者側に抗議します、セックスを祭典化するだなんて不潔です」

 周囲の裸体に顔をしかめている、インランダーの片側半分が娼婦の人相に変わって、片側の聖女の顔に向かって喋りはじめた。

「何、聖処女ぶったコト言ってんのさ……本心は男に抱かれたいんだろう。自分だって裸の裸女のくせに……すでに、処女じゃないくせに」

 聖女の顔が、娼婦の顔に反論する。
「そ、それはあなたが……あたしがスリープモードの時に勝手に、男に抱かれて」

「気持ち良かっただろう……男に抱かれている淫夢は、聖女と娼婦の二つの心。不完全な聖女回路……あんたの本性は淫乱で、男に抱かれたがっている娼婦なんだよ」

「ち、ちがいます! あたしはそんな女じゃありません!」

「じゃあ、証明してみるか……そこにいる、裸族人類の男のチ○ポを使って……お兄さん、フェラチオさせてぇ」


[前戯へ][後戯へ]

6/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!