ゾンビ・ワールド@

※これは第八界『淫卵期』の白霧の死者の船ラストから【ゾンビ・ワールド】に派生移行するパラレル〔並列世界〕な番外ストーリー。


 並列世界の『ゾンビ・ワールド』から、時間と空間を越えて『白霧の死者の船』にゾンビ・ワールドの軍医タコに命じられてやってきた蘭花は。甲板を突き抜けて生えている復活した『伝説の樹』の下で、こちらの世界の銀牙とのセックスで精を体内に注いでもらい細胞が活性化して、ゾンビ体から生体へともどるコトができた。
 白い翼を広げた蘭花が爽やかな顔で言った。

「それじゃあ、あたし、ゾンビワールドにもどるね……いろいろと、ありがとう」
 銀牙が言った。
「あっちの世界にいる、ゾンビのオレによろしくな」
「うん、じゃあ」

『ゾンビ・ワールド』からやって来た。並列世界の蘭花は音速で天空へ飛び去っていった。

 蘭花が飛び去っていった青空に、甲板に居る者たちの注意が向いていた時……誰も気づいていなかったが『伝説の樹』の葉が重なった目立たない枝に他の果実とは異なる、毒々しい色合いをした果実が実っていた。
 そして、その果実を密かにもぎ取った人物がいたコトにも誰も気づいていなかった。
「これが、ゾンビエキスが凝縮された『ゾンビの実』っすか」

 白いビキニの跡が裸体に残るヒトデ側裸族人類の我美は、手にした果実を興味深そうに眺め呟く……我美の手の平から皮膚がただれる白い煙〔着衣人類だったら、数秒で果実を持った手が腐る〕が出ているが、硫酸風呂にも平気な裸族人類にはなんともない。
「おもしろいモノが手に入ったっス……さてと、これをどう使おうかなぁ」


 時が流れ……我美と、乙姫の世界支配が順調に進行していた。
『竜宮島』で缶コーヒーを飲みながら乙姫が我美に言った。
この裸族人類が存在する退屈でない世界に乾杯……我美の言う通りにやったら、本当に世界支配まであと一歩のところまできたわね」

「失敗した箇所を過去にもどって、何度もやり直した結果っす……どうしますか? まだ抵抗を続けているタコ側裸族人類の蘭花と銀牙や少数の裸女&裸男……それに半裸人類の奴らを簡単に屈服させられる方法、ボク知っているっすよ」

 我美の言葉に乙姫の瞳が、興味深く輝く。
「どんな方法? 聞かせなさい」
「この果物の腐汁を培養して、大気にバラ蒔くっス」

 そう言って、我美は四角いプラスチックケースに入った、禍々しい色合いの果実をお腹の袋から取り出して見せた……鉛色をした腐った果実に乙姫は顔をしかめる。
「なにその、毒々しい果実?」
「『白霧の死者の船』で見つけた『ゾンビの実』っス……絞ったエキスの中には凝縮したゾンビウィルスの素が含まれているっス……裸女や裸族人類さえもゾンビ化させる感染力っス」

「『ゾンビ・ワールド』に世界を変えて、レジスタンスを壊滅させる作戦? あたしたちまで感染してゾンビ化したらどうするのよ?」
「感染力が弱まるまで、イカとかクラゲの宇宙船を奪って、星から避難していればいいじゃないですか……必要数な女体ケンタウルスと増量チ○ポ男たちを乗せて、ノアの方舟みたいにエッチ三昧……どうしますか? 『ゾンビの実』使うっすか? ファイナルアンサー?」

 少し考えていた乙姫は、決断した……その決断とは。

「おもしろそうね……ゾンビ世界で、ゾンビ裸族人類を屈服させてもみるってのも……希望が絶えた死の世界を支配してみるのも一興かもゾンビの実からゾンビウィルス培養しちゃって世界にバラ撒いちゃって

「今の決断で分岐した生者の並列世界が派生したかも知れませんね……まぁ、今のボクには、どうでもいいんスけれど」
 我美は白いビキニ跡が残る肢体で、大きく伸びをした……そして数ヵ月後、世界がゾンビウィルスで汚染され、世界は死者が主役の『ゾンビ・ワールド』に変貌した。

 ゾンビワールドの軍医タコは、蘭花を世界がゾンビ化した人間たちで溢れていない、時間軸の『白霧の死者の船』へと送り出した。



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あきゅろす。
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