タコスケと百鬼姫の13月の旅@

 乙姫に裸女世界の支配を勧めながら、我美は別のコトを考えていた。
(いずれは乙姫が支配した世界を、ボクが労せずに手にするっス……そして、蘭花と二人で究極のオナニー大好きG人類に進化して、終末の真っ赤な太陽を着衣人類が死に絶えた地表で、眺めながら自慰するっス……と、その前に)

 我美は金属色に輝く無機質なキ○タマボールを、お腹のポケットから取り出して眺めた。
(乙姫から奪った世界で反旗を掲げる裸女も出てくるかも知れないっス……その時に裸女たちを威喝〔いかつ〕する強い力「歯向かうとキ○タマに閉じ込めるぞ!」が必要っス……裸女たちに畏れ従わせ、反逆させないための保険でタコスケを利用させてもらうっス)

 我美が天狗のお面を被るのを、乙姫は二缶目の缶コーヒーのプルトップを引き開けながら不思議そうな表情で眺めた。


 同時刻……地球を周回している人工衛星の上、胡座〔あぐら〕をかいて座っていたクラゲ側裸族人類秋が静かに立ち上がって呟く。

「いろいろとゴタゴタしていて中断していたけれど……蘭花を真性レズに堕として、男の銀牙から引き離す蘭花ビアン化計画……そろそろ再開するとするか」
 秋が人工衛星の太陽電池パネルを蹴って、宇宙空間に飛び出すと。三角翼の宇宙飛行生物が飛んできて秋の背中に癒着した。


 さらに同時刻……暗黒の深海。体積物の中からニョキと生えている陰茎……小さな深海魚がチョンチョンとつつくと、堆積物を撒き上げてイカ側裸族人類の紫音が立ち上がった。

「さてと……蘭花にイカの種を仕込んで孕ませるための行動を起こすとするか……ミリータさまと、イカ神二号さまの許しも出たことだし」
 紫音はペニスをビクッと動かすと、海中でコウモリの翼を背中から出して海上に向かって上昇していった。


 それぞれの裸族人類たちの思惑が流れる中、蘭花と銀牙は百鬼姫の母親に会って話しを聞くために『童話の町』にある舞踏会が行われている城に来ていた。

 蘭花と銀牙は詳しい話しを聞くために、裸の女王の息子の裸の王子さまと踊っている、百鬼姫の母親をバルコニーに連れ出す。

 盛り髪をしてドレス姿の年齢より若く見える母親が言った。
「なあに? 聞きたいコトって、あたし裸の王子さまと踊るのに忙しいんだけれど」
「四十八体の裸女像が安置されている裸女堂で、貴族になりたいと願かけしましたよね」

「また、その話し……チョクチョク聞かれるんだけれど、意識を失っていて気がついたら頭髪と恥毛が金髪に変わっていたのよね……貴族って、こういう意味で言ったんじゃないんだけれどなぁ……あたし的には和風の優雅な平安貴族をイメージしていたんだけれど」

 百鬼姫の母親は、しばらく金髪盛り髪に十二単の奇妙な格好をして宮廷で過ごしていたらしい。

「周囲からは、外国人観光客が十二単を着ているみたいって笑われて大変だったんだから……そんな時に『邪魔魔女レミファ』と名乗る裸の魔女が現れて『タコのお坊さんから頼まれた』って言って、舞踏会への招待状とドレスとガラスのショーツとカボチャの馬車をくれたの……招待状の宛名は【シンデレラ】って書いてあったけれど横線で消されていた」



 百鬼姫の母親は、ドレスの裾をめくり上げて、透明なガラスのショーツの中に見える、金髪恥毛を見せた。

「あとは、トントン拍子に……ガラスのショーツを穿いた、あたしの股間に惚れた裸の王子さまの計らいで、貴族の称号を与えられ。この城で楽しく可笑しく毎日を過ごしているってワケ」
「娘の百鬼姫とは?」
「ぜんぜん会っていない、あたし放任主義だから……あの子の父親は着衣人類で、父親の方で過ごした時期も一時あったけれど。裸女のあたしの血の方が濃いのか……朝から晩まで服着てキチッと過ごす生活が嫌みたいだったから、源ロクに頼んであたしの親戚が住んでいるノーミン谷の方に……ちなみに、四十八体の裸女の中には母親のあたしも含まれているみたいで、あたしが分配されたのは娘の【処女膜】……あの子、いずれは母親のあたしから失った処女膜を奪い返しに来るわね」
「はぁ、そうですか」

 蘭花と銀牙は、百鬼姫が処女膜を取り返しに母親の元を訪れて、その時に母親から助けを求められた時……どう対処したらいいのか悩んだ。



[前戯へ][後戯へ]

14/31ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!