裸の女たちを求めて…タコスケと百鬼姫の旅B

「なぜ、イモ判を額に?」
「願掛け寺だからじゃ、願いを叶えに訪れた者の額に、記念スタンプを押すのが寺のサービスじゃ……他にもいろいろとスタンプは用意してあるぞ」
 タコ坊主は袈裟の中からバラバラと、イモ判を出して見せた“肉”とか“米”とか“中”とか“ミート”と彫られた判があった。

「母親の髪と恥毛を金髪にしたのは?」
「要望が貴族だったからな……金髪に変えた道具はコレじゃ」

 タコ坊主は、未来から来たネコ型ロボットのように、秘密道具のスプレー缶を出した。
「ビカビカビカ『毛根変化スプレー』!!……その昔、軍医が蘭花と銀牙を金髪にしようと開発したが、使用するまでに至らなかったアイテムじゃ……黒髪に吹きつければ終生、金髪が生えてくる……あの頃は儂も若くて、魔導書物で得た知識を試してみたくてしかたが無かった……愚かじゃった」
 タコ坊主はふたたび、思い返すように語りはじめた。


 イモ判の衝撃で床に倒れ、後頭部を強打して意識を失っている。百鬼姫の母親の髪と恥毛を金髪に変えて、髪型を西洋貴族風にしたタコ坊主は、母親の少しだけ膨らんできた妊娠初期の下腹部を触腕で撫で回す。

「貴族になりたいという、その願いは叶えてやるからな……儂の力をもってすれば簡単なコトだ……その代わり、お主にも約束は果たしてもらうぞ」
 タコ坊主が経を唱えると母親の妊婦腹が、怪しく輝きはじめた。タコ坊主は医療用の子宮内視鏡を手にした。
「術を施したから、器具を子宮内に挿入しても影響は出ない……この術を施された妊婦は臨月でも子宮内に異物を挿入するコトができる」

 内視鏡管を膣と子宮口で往復させると、女の顔は次第に感じている表情へと変わり、腰を無意識に蠢かせはじめた。

アヘッアヘッアヘッ
「絶頂する時は、アヘ顔でダブルピースをするのだ」
 百鬼姫の母親は、タコ坊主から言われた通りのポーズで絶頂する。タコ坊主はデジカメで女のイキ顔を撮った。

 次にグイッと子宮奥まで内視鏡を突っ込み、胎児期の百鬼姫を撮影した。


 思い出話しが終わったタコ坊主は、自責を悔やむ表情で蘭花と銀牙に言った。
「当時、己の邪法に酔狂していた儂は。生まれる前の百鬼姫からエロパーツを法術で奪って、四十八体の裸女に分配してしまったのじゃ……悔やんでも悔やみきれない、過去の過ちじゃ」

 蘭花がタコ坊主に訊ねる。
「それで、あたしたちに頼みたいコトとはなんですか? タコ神三号さま」
「うむっ、成長した百鬼姫がタコスケという者と一緒に。奪われたエロパーツを取りもどす旅に出たと噂で聞いた」

「二人の邪魔をするんですか? それとも協力ですか?」
「いや、二人の邪魔をしてはいかん……と、言って積極的に裸女ゲットの協力をしてもいかん」
「???? どういう意味ですか?」

「裸女たちから助けを求められた時のみ、百鬼姫とタコスケの行動を妨げない程度に裸女を助けてやって欲しい
 腕組みをして思案する銀牙。
「また、厄介な……そんな器用なコトできるかな」
「儂の罪滅ぼしじゃ……おまえたちなら、できると軍医から言われた……頼む」
 全裸の蘭花と銀牙は、厄介な頼み事に顔を見合わせた。

 その頃……『竜宮島』の乙姫と我美は中庭に出したガーデンチェアに座って、優雅に全裸ティータイムを満喫していた。

 缶コーヒーを手にした乙姫が言った。
「裸族人類が存在する退屈でない世界に乾杯……創造主を追放してから平穏な日々がもどったわね」
 日焼けした肌にビキニ水着の跡が白く残る我美が、手にした器機で随時送信されてくる百鬼姫の体調データを確認しながら、適当に相づちを打つ。

「そうっスね」
「最近、ちょくちょく姿が見えないけれど? どこへ行っているの? 天狗のお面被ってフード付きの変な服装で」
「まぁ、いろいろと私用が」
「そう……ま、別にいいけれど」

 乙姫は缶コーヒーを飲み干す。我美が乙姫に言った。
「ところで乙姫さま、そろそろ中断していた野望を再開しませんっスか……裸女の世界を制圧して、着衣人類を支配して、裸族人類を配下にして……全宇宙を手中に治めるという野望を」

「そうね、いろいろとゴタゴタしていて中断していたから再開しても…………なんか最後の方、野望が勝手に拡大していなかった?」
「そうっすか」


[前戯へ][後戯へ]

13/31ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!