なにがどうしてこうなった?A百鬼姫の恥丘を剃毛

 伝説の『オマン耐久レース』が数週間後にグロマン湖の畔をスタート地点にして開催されると、メディアに向けて初告知がされた頃……タコスケと百鬼姫は裸女に奪われ、失われた性的な部分を取りもどす旅に出ていた。

 源ロクが引く人力車にカバの着ぐるみ姿で乗って、揺られている百鬼姫の前をフルチンを揺らしながらタコスケが走る。
 走りながらタコスケが百鬼姫に訊ねる。
「そのカバの着ぐるみ、暑くない?」
「…………」

 百鬼姫に返答が無い……外気温は真夏並みの『灼熱地獄』
 源ロクの体も直射日光で熱せられ、目玉焼きが作れるほどに熱くなっている。
《この辺りは、対流や気流や地熱や地形の影響で『春・夏・秋・冬』が、四分割に入りくんでいて楽しめる不思議な地域なんでさぁ……ほらっ、あっちでは一年中花見ができる、万年桜の花が満開で……別の場所では万年紅葉が見頃ですぜ。ここは着衣人類のヘアーヌード解放区域でもあるんで、全裸で花見もOKでさぁ》

 確かに、万年雪山では全裸スキーを楽しんでいる男女や。
 万年夏休みの渚で全裸ビーチバレーに興じている女性たち、万年紅葉のビアン露天風呂で淫らな行為に耽っている女性たちもいた。

 四季折々の情緒を眺めながら、人力車を引いている源ロクが言った。
《今度、あっしらの仲間の源サンが『オマン耐久レース』に出場するらしいんでさぁ……どこまでやれるかわからねぇですが。同型の運び屋ロボットとしては応援したいですぜ……前方に見えてきた大楓の木の下で、少し休憩するとしやすか》

 源ロクが夏エリアを抜けて、秋エリアの紅葉した大楓〔かえで〕の下に人力車をとめる。
 草むらから、秋虫の鳴き声が聞こえ……少し離れた夏エリアの森からは、蝉の鳴き声が聞こえている。

 源ロクが熱せられた体を秋風で冷やしながら、キセル煙草を吹かしている間に、タコスケは人力車から抱え下ろした百鬼姫の着ぐるみを脱がす。

 蒸し風呂状態になっていた着ぐるみの中から、全裸で出てきた百鬼姫は白眼を剥いて意識を失っていた。

 木の根元に意識を失った百鬼姫の裸体を横たえさせて、近くに落ちていたヤツデの葉でタコスケが煽っていると、木の上から声が聞こえてきた。
「体を冷やすなら、いいモノがあるっスよ」

 木の上から天狗のお面で顔を隠し、茶色のフード付きマントのフードを、頭からスッポリと被った人物が飛び降りてきた。
 秋風でマントがめくれ、ココア色に日焼けした肌にクッキリと白いビキニ水着の跡が残る裸体が見えた……それを見て源ロクは訝しそうな顔をして、我美の存在を知らないタコスケはキョトンとした顔をする。

「あなたは?」
「ボク……いや、ワタシは、そうっスねぇ……『天狗導師』とでも呼んでもらえればいいっス、あんたを導く者っス」

 天狗のお面で人相を隠した我美が言った。
「これで体を冷やせばいいっス」
 我美がお腹の袋の中から万年雪の山から持ってきた氷塊とビニール袋、アイスピックをタコスケに手渡す。

 タコスケが砕いた氷をビニール袋に入れて百鬼姫の体を冷やすと、百鬼姫は白眼から安堵した表情に変わってスースーと寝息をたてはじめた。
「気持ち良くなって眠ってしまったっスね……この子の数奇な境遇はノーミン谷で聞いたっす、四十八体裸女にエッチな部分を奪われたっスね……今のうちに、百鬼姫の下の毛を剃るっス」

「いったい何のために?」
「この先も暑い夏エリアはあるっスから……少しでも涼しくなるように、さあっタコスケの手で姫さまの剃毛をするっス

 タコスケは意味不明のまま、渡されたカミソリと剃毛クリームでシュリシュリと百鬼姫の下の毛を剃りはじめた。
「剃り残しが無いように注意して、股の間も剃るっスよ」

 疑うことを知らないタコスケは導師から言われるままに、眠る百鬼姫の股を開かせて、性器周辺の毛を剃った。

「剃りますよ、百鬼姫」
 白い泡が残るにまみれた性器を我美から渡されたタオルで拭き取ると、ツルツルの無毛マ○コが現れた。

 我美はヒモを通したヤツデの葉をタコスケに渡した。
「この葉っぱで、百鬼姫の無毛股間を隠すといいっス……カバの着ぐるみは、こちらで処分しておくっス」



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