タコスケと百鬼姫B

 タコスケはキ○タマボールを取り外すと、魔球の投球フォームに入る。
 投げたキ○タマは空気摩擦で炎に包まれ、キャッチャーミットに吸い込まれ。
 百鬼姫のスイングしたバットはキ○タマの数センチを近くをかすり、虚しく空を切る。

 バットを地面に叩きつけて、天に向かって悔しそうに絶叫する百鬼姫。
「ちくしょう!!! もしかしたら、キ○タマを打てたら気持ち良くなって、絶頂できるかと思ったけれど打てなかった!! 誰かオレを気持ち良くさせてくれぇぇ!!」

 意味不明な言葉だったが、百鬼姫のオーガズムを願う悲痛な叫びは、タコスケの心に伝わってきた。
 返球されたキ○タマを股間にもどしながら、タコスケは百鬼姫の四十八体の裸女に分配されて、失われた快感を取りもどす旅に出るコトを決意した。

 そんなタコスケと百鬼姫の様子を、近くの高い樹の枝に裸で座って眺めている、日焼け肌に水着の白い跡が残る我美の姿があった。

「エルフ村に行く途中に立ち寄ってみたら、面白い光景が見れたっス」
 我美の腰に平成淫乱ラ●ダーのベルトが出現する、指輪で魔法を使う淫乱ラ●ダーのベルトだった。

「変身……魔力【クレアボヤンス】〔透視〕」
 我美の目がタコスケの睾丸を透視する。
「移動中に、お腹の袋から転がり出て行方不明になっていた、裸女をゲットするキ○タマボールの試作品が、奇遇にもあんな場所に収まっていたっすね……あの男の強肩と健脚は、ボクの計画に利用できるっス」

 そう言って、我美は頭のてっぺんから、竹を生やして竹コプターでエルフ村に向かった。


 滝の裏側にある抜け道を通って辿り着く、人工エルフの村…… 村では大樹に育って、たわわに実ったキ○タマの実の収穫期だった。

 大樹に足場を組み北欧風の民族衣装を着て、尖って水平に伸びたエルフ耳をしたエルフ娘たちが、詰んだキ○タマをカゴに入れて収穫している作業を指揮している、女エルフ村長の近くに着地した我美が言った。
「収穫作業は順調のようっすね」
「はい、おかげさまで」

「誰のおかげで、こんな平和な暮らしができて……村の新しい産業で、キ○タマの実がエルフ村の収入源になるまで、アドバイスしてくれたのか言うっスよ」
「それは我美さまの、おかげです」

「そうっすね……乙姫さまが、エルフ村を潰そうと言い出したのを説得して、思い止まらせたっス……あんたら、映画撮影用に作られた人工生命体のエルフは撮影が終了したら。なんの価値もないっスから……自力で収入源は確保しないと」

 我美は近くで大きな桶〔おけ〕に入った、キ○タマの実をエルフ娘たちが「きゃあ、きゃあ」言いながら素足で踏んでいる光景を眺める。

「キ○タマワインの製造も順調のようっスね」

「はい、今年は良質なキ○タマが豊作です……シロップに漬け込んだ『キ○タマ漬け』や、『干しキ○タマ』もエルフ村の加工名産品として定着してきました」

 我美はエルフの娘たちが、キ○タマを一個づつ丁寧に天日に干している光景を見て「うん、うん」と満足そうにうなづく。

「例の菌類の培養は進んでいるっすか?」
「順調です……培養小屋の方に案内します」

 我美は美人の村長に案内されて、と
ある小屋にやって来た。
 密封された二重扉を開けると、カビ臭い臭いと湿気が鼻をつく。ランプの明かりだけの薄暗い小屋の中は天井や壁一面を、白い毛カビのようなモノに覆われキ○タマ状のモノが実っていた。
 扉を開けた時に舞い上がった綿毛のキ○タマの種が、フワフワと室内を舞う。

 エルフ村の村長はスカートの上から慌てて股間を押さえた。


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