遊園地で楽しくデート気分でセックスA

 女将ニッポンと朧女と響子の三人は、エレベーターで地下へと下りた。
 エレベーターは最下層に到着する前にガクッと停止して、エレベーター内の照明が消えた……すぐに非常灯の淡い赤色の明かりに変わり、空気が抜かれている音が聞こえてきた。

 女将ニッポンが、さほど慌てていない口調で言った。
「エレベーター内の空気が抜かれている……危機的密室状況ね、あたしは宇宙空間を飛べる半裸人類だから空気が無くても平気だけれど。あんたたちはどう?」

「あたしは忍びの日頃の修行で、滝壺の底で一時間くらい無呼吸で過ごす訓練も積んでいるから、少しくらい空気が無くても平気」

「あたしも源サンのリヤカーで、宇宙空間を移動していますから……少しの時間なら」

 そう言って微笑む響子だったが、やはり息苦しいのか喉の辺りを押さえている。
 腕組みをして思案する、フンドシ姿の女将ニッポン。
(やっぱり、この無酸素に近づいていく状況は、いくら宇宙空間移動を経験していると言っても着衣人類の響子には厳しいか……いったい誰が何のためにエレベーター内の空気を抜いて?)

 女将が思案していると、体にフィットしたエロい対魔忍び衣装の朧女が呟く。
「このエレベーター……もう一人隠れていますね……全部で四人乗っています」
 女将が聞き返す。
「四人目? どこに?」
 朧女は自分から近いエレベーターの壁を裏拳で叩く、叩かれた場所から男性の裸人形が転がり出るように現れた。

 朧女が言った。
「光りを屈曲させて隠形する、光学迷彩のスチルス技術……でも忍びの目は誤魔化せません」

 その時、エレベーターの中にホログラフィーで、服を着たゴリラのリラ博士が拍手をしながら現れた。
《見事です、よくぞわたしが裸人形に行った、量子スチルス技術を見破った……巨人を解放するために、傀儡遊園地を訪れる者がいるコトは最初から予想していましたよ》

「やはり、エレベーターを停止させてエアーを抜いたのは、あなたでしたかリラ博士……いったいなんのために?」

 リラ博士は……助手のリーから成長促進液の輸送に失敗したと連絡があり……リーに運ばせていた【巨人成長促進液EX】は、原材料の一部に入手困難で扱いが難しい、希少天然原料も数種含まれているので本日中に、つぎ足さないと成長促進液の効果が無くなってしまい……『巨人製造計画』は失敗したと女将たちに伝えた。

《あなた方には、このまま地下に下りてきて巨人と会話して解放してもらっても良かったが。エレベーターに乗ったのを見て、わたしの好奇心を満足させたくなった》
「ゴリラの好奇心?」

《わたしは以前から『閉鎖された空間で、極限状態心理に陥った着衣人類男女のセックス移行』に強い興味を抱いている……エレベーターが停止して、閉鎖された空間というシュチュエーションでのセックス……宇宙船内で惑星リラの男女を長期間二人っきりにするという実験をしたところ、閉じ込められた男女は、最終的に子作りをはじめるコトが判明した

「つまり、宇宙船と同じような閉鎖シュチュエーションを作ったエレベーター内で、裸人形の男性とセックスをやれと」

《女性三人の中で一人がセックスをして、わたしの好奇心を満足させられたらエレベーターを動かして十分な酸素も供給しよう……現在、エレベーター内の残留酸素はもって数十分で一人分……選ばれた一人分の酸素はセックス中は供給する、もしも知的好奇心が満足できるセックスでなかったらエレベーター内に未知の宇宙細菌を流し込む……よく考えてセックスする一人を選ぶように》
 リラ博士の姿が消え、エレベーターに残された女将は比較的元気そうな朧女と、唇が紫色になりかけている響子を交互に見る。

(酸素を一番必要としているのは響子か……朧女は裸人形とのセックスは拒否するだろうし)

 女将は壁に背もたれて少しだけ苦しそうな表情に変わってきた朧女と、喉を押さえて苦しそうに床に座り込んだ響子と、酸素を必要としていないらしい裸人形の三人を眺めた。

(半裸人類のあたしのセックスを見て、リラ博士が好奇心を満足させるとは思えない……エレベーター内の酸素は一人分、一番最適な選択と方法は)
 女将は決断する。

響子が、裸人形とセックスして……朧女は、あたしがこれからやる一連のポーズを覚えて、鏡に映ったように真似して」

 女将ニッポンは朧女に、ある特殊動作を教えはじめた。

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