創造主の〔エデンの園再生計画〕A計画失敗・終了

 響子が何度目かの絶頂をした時……嘔吐した触手王は、響子と一緒に、呑み込んでいた機械も吐き出した。

 粘液に髪までヌメヌメになった響子は、同じようにヌメヌメで停止した機械の傍らで、仰向けの状態で。
「うへへへ……もっとぅ、いくぅぅ」と、悦楽笑いを浮かべている。

 ムベンベが言った。
「これで触手王も、暴れなくなる……良かった、良かった」

 股間と胸にホタテ貝のような金属パーツを装着した、アイアンレディが土門に訊ねる。
「響子と、吐き出された機械はどうするの?」
「タコさんのところに運んで、機械が完全に停止しているか確認してもらおう……強烈な連続絶頂をした響子の身も、心配だからな」
 土門たちは、にやけている響子と、機械を持って洞窟を去っていった。
 土門カシスがいなくなって数分後……ブルッと震えた触手の王は、後ろの穴から体内を通過してきた創造主を排出した。


 居酒屋にもどってきた響子に、軍医タコが質問する。
「創造主に会いましたか? 響子を見てどんな反応をしましたか」

 響子は『あの大きさまで成長して地下室から出てこれるハズがない』とか『胸にカラータイマーが付いていない』とか『オリジナル遺伝子』とか、意味不明なコトを創造主から言われたと軍医タコに伝えた。

 響子の話しを聞いた軍医タコは、腕組みをしてしばらく考えてから。
「ごくろうさん、イキっぱなしになった体を休めてください」と、響子に、ねぎらいの言葉をかけた。

 響子が離れると、軍医タコは取り出したタブレットに保存されている一枚の画像を眺める。

 そこには『エデンの園を支える巨人なう』と、タイトルがつけられた画像で……地下室の天井が高い倉庫のような場所でピースサインを出した創造主の姿が写っていた。

 軍医タコの視線は創造主の後方……肌色をした∧型に曲がった柱に注がれていた。柱の根元には響子の内股にあるホクロと同じ位置に黒点がある。

(もしかして、創造主は『エデンの園再生計画』と、同時進行で楽園を支える『巨人製造計画』も行っているのかも知れませんね。響子の遺伝子を使って……面倒なコトになる前に阻止しなければ)
 と、内心呟いた。

 そして、触手の王から排泄物扱いで排出された創造主は、望めば食事や物品が用意される万能の『創造主空間』にやっとの思いで帰ってきた。

「酷い目にあったわい、まさか創造主の儂が触手のフンとして排泄されるとは……おや? ドアのところに何か貼り紙があるぞ? なになに……『今まで、食事を部屋の前に運んだり、ドアの外に出した洗濯物を洗ったり、ゴミを片付けたりして良かれと思ってやってきましたが……ウシ側裸族人類の黒毛という方から、それは甘やかせすぎだと指摘され考えを改めました。これからは部屋から出てきて食事をしたり、ゴミの片付けは自分で行ってください……創造主の母より』」

 貼り紙の内容に、創造主は。
「ひぇぇぇぇぇぇッ!!!」
 と、悲鳴を発した。


創造主の〔エデンの園再生計画〕おわり


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あきゅろす。
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