【赤いゴキブリ星】A

 リラ博士が言った。
「円盤にやって来た裸族人類たちは、地球と赤いゴキブリ星を引き寄せている装置の場所と、装置の停止を求めた……わたしは、それなら『ゴキブリ人類と裸族人類の異種性交を見せてくれたら、装置の隠し場所を教えて停止を考えてもいい』と伝えた……ゴキブリ人類のオスを発情させるために、発情フェルモンを使用した。ただ、それだけだ」

 蘭花は半腰で立ったまま、ショージに後ろから突かれ「あぁん、あぁん」と、喘ぐ声を発している。

 ショジョが泣き出しそうな声で、恋人のショージに言った。
「ショージ、もういいよ……そんなに激しく蘭花さんの穴を突かなくても、もう十分だよ」

 ショージが抽送しながら答える。
「ハァハァハァ……ムラムラムラ、そんなコト言っても、発情させられて勝手に腰が動いて……止まらない、ハァハァハァ……このまま、中に出すよ」

 ドブッビシャビシャ……と、ゴキブリ人類は人間の女の膣内に、白く濃厚なゴキブリの体液を放出した。
 蘭花は膣穴から白い精液を流し、乱れた呼吸を整えながらリラ博士に向かって言った。

「はふーっ、言われた通りにセックスしましたよ……これで装置を止めてくれますね」
「確かに貴重な異種性交を見せてはもらったが……やはり、創造主との友情は裏切れない。悪いが装置の場所を教えることはできない、帰ってくれ」
「そんなぁ……ゴキブリとセックスまでしたのに

 今まで円盤内で沈黙を保っていた、女将ニッボンが口を開いてリラ博士に質問する。

「素敵な内装のアダムスキー型UFOですね……宇宙空間を移動する時は、この円盤一台ですか?」
「移動はこれ一台だ、もういいだろう。これから惑星リラに行って、リラ地球人を使った生体実験をしなきゃならない……一体のリラ人にプラナリアの再生遺伝子を組み込んで、性格が異なる六っ子みたいな六体分のクローンを作ったり。十代の少女のころに成長抑制剤を投与して、見た目は子供のままの成人女性を妊娠させる実験も再開させないと……さあっ、帰った帰った」

「わかりました、UFO内に隠された装置を探すのは、諦めて帰ります」
「そうか」

 リラ博士は金属カップに注いだコーヒーを飲みながら、円盤の丸窓から『吉宗スフィンクス群』を眺めた。この時、女将ニッポンの目は、リラ博士がチラチラと気にしているスフィンクスが一体あったコトを見逃さなかった。

 いきなり、女将ニッポンが壁に背もたれて眠るように座り込む。その姿を見た地球情報通のリーが感嘆口調で言った。
「おぉ! あのポーズは女将ニッポンが推理をする時に見せる、伝説の『眠りの女将』のポーズ!」

 リーはソファの後ろとか椅子の下を覗いて、隠れているかも知れない、ある人物を探す。

 女将ニッポンが眠りながら呟く。
「いくら探しても、眼鏡をかけて蝶ネクタイをした子供は隠れていませんから……さて、ここからは謎解きタイムです。あたし、装置の隠し場所わかっちゃいました……リラ博士、この円盤内には装置は置いてありませんね
「どうして、そう言い切れる……その根拠は?」

「博士は言いました……『惑星リラに行って、リラ地球人を使った生体実験をしなきゃならない』って、円盤に装置を搭載していたら、星を離れられるはずがない」

「その通りだ……では、どこに隠してあると思う」
『吉宗スフィンクス群』の中に紛れ込ませて……吉宗スフィンクスは、古い年代から順番に並び建造されています……年代によって吉宗の顔つきが劇画調に変わっていたり。後期になると作画崩壊したアニメ画のような手抜きや落書きのような、遊んでいるとしか思えないスフィンクスも出現してきます……花魁のような髪型をした吉宗や、モヒカン頭の吉宗。『へのへのもへじ』顔の吉宗などなど……しかし一体だけ、均一な距離で並べられた像と像の隙間に、無理矢理に建造されたようなスフィンクスがありますね……しかも、その顔はどう見てもゴリラです。不自然で怪しいです」

「ふっ、探偵の目は誤魔化せなかったか……無意識に隠し場所を見てしまっていたようだ。その通り、あのゴリラ顔スフィンクスはハリボテだ。中に装置を隠してある……見つけられたからには潔く、負けを認めて装置を停止させよう」



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あきゅろす。
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