【赤いゴキブリ星】@〔蘭花とゴキブリ人類を異種性交させる〕

 恋人を抱擁してキスしていたショージが、ショジョの人間型唇から、昆虫型の咀嚼〔そしゃく〕口器を離して言った。

「蘭花さん、銀牙さん、ご無沙汰しています。性戦の時はお世話になりました」

 蘭花が言った。
「ショージさんも元気そうで、背中の羽もテカテカに油艶っぽいですね……早速ですが、異変について教えていただけませんか」
「はい、数日前にスフィンクス山の向こう側に、アダムスキー型UFOが着陸して、円盤の中からゴリラのような宇宙猿人が現れたんです」

「ショージさん、それは猿人ではなく。おそらくサル型宇宙人ですよ……言葉に気をつけてください、タコ神二号さまから聞いた話しだとサル型宇宙人は『宇宙の猿人』と呼ばれるのを極度に嫌うみたいですから……それで、円盤から現れたサル型宇宙人はどうなりました?」

「『リラ博士』は部下の『リー』と、いうゴリラに命じて。なにか機械部品のようなモノを円盤から運ばせて組み立てていました……それから、しばらくして赤いゴキブリ星の軌道が狂ってしまって」

 裸体で腕組みをして考えていた蘭花が口を開く。

「う〜ん、話しを聞く限りだと『リラ博士』に直接、問いた方が早いですね」
「大丈夫ですか? 相手はサルの星から追放された、マッドサイエンティストですよ」
「リラ博士は、惑星リラという星を所有していて……生体実験を行う時はリラの人間を使うみたいですよ。タコ神二号さまの話しだとドクター・エロとも追放仲間で交流があるとか……リラ星以外の人類には手を出さないみたいですよ」

「それなら、わたしとショジョも同行します……この星にくわしい者も必要でしょうから」
 女将ニッポンが、ハチマキを縛り直して言った。
「あたしも行く、あたしの特殊推理能力が役立つかも知れないから」

 一行はリラ博士の円盤へと向かった。『スフィンクス群』が望める小高い丘でショージが、無数に並ぶ人面獅子の人工建造物を指差して言った。
「あれが、赤いゴキブリ星の観光名所、『吉宗スフィンクス群』です」

 指差した先には、松○健の顔をしたチョンマゲ頭のスフィンクスの群れが、兵馬俑〔へいばよう〕のごとく大地に並んでいる。

 蘭花が驚きの声を発する。
「アレと同じモノ、地球の大江戸砂漠にも一つある? こっちの方が若い顔をしているけれど……過去に地球と赤いゴキブリ星に、繋がりがあったの?」
「長老から聞いた話しですけれど……なんでも、その昔」

 ショージがゴキブリ人類の長い歴史の説明をはじめようとした時、映画や漫画のフレーム〔枠〕やコマの端からこちらを覗くように、土門カシスが顔を覗かせた。
 蘭花たちの動きが、ストッブモーションになって場面が固定される。

【第四の障壁】を越えて、土門カシスがこちらに語りかけてくる。
〔よっ、なんか退屈そうな顔をしているな……えっ? どうして地球にいるはずのオレがここに居るのかって? 【第四の障壁】越えだよ、細かいコトは気にするな……あんたらも、ゴキブリ人類の退屈な歴史の話しなんか聞きたくないだろう……オレが作者と交渉してエッチシーンに進めてやるよ、お──い、作者。蘭花とゴキブリ人類のオスがセックスをするシーンを作って、ストーリーを進めてくれ〕

 土門カシスがパチッと指を鳴らして、顔をフレーム外に引っ込めると、停止していた場面がクイックモーション〔早送り〕で動き出して。あっ、という間にリラ博士の円盤内に移動して。

 ショージが蘭花を、立ちバックの体位で犯している
場面が出現した。
「あぁん……あぁん……ゴキブリのチ○ポがズッポリ、蘭花のマ○コ穴に処女膜を破って入ってきて、突かれているぅ」

 蘭花の腰をつかんで、ジュポッジュポッと太いゴキブリチ○ポをマ○コ穴に抜き挿ししているショージの姿を銀牙と女将ニッポンは呆然と眺め。

 ショジョはオロオロしていた。近くでゴキブリ人類の『オス専用発情フェルモン』のスプレー缶を持った、リーが困ったような顔をしていた。

 リーがリラ博士に言った。
「博士、いくらなんでもこれは酷すぎるんじゃないですか……ゴキブリ人類のオスを強制的に発情させて、裸族人類と交わらせるなんて

「リーよ、裸族人類のサインを、もらい終わったくせに何を言っている……性的行為で物事を解決するのが『裸族人類が存在する退屈でない世界』の法則だろうが……わたしは、そのルールに従ったまでだ」
「しかし……ゴキブリ人類と人間のセックスは……ちょっとエグい」

 黒光りする裸体のゴキブリ人類と、白い裸体の人間が性行為をしている姿はシュールな光景だった。



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あきゅろす。
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