神のみぞ知る性界B〔読者ドン引き覚悟の……未来裸族人類【妹】登場〕
軍医タコが美久に訊ねる。
「その裸族人類姉妹は、どうしてこの時代に来ようとしているんですか?」
「ちょっとした見解の相違です……互いの主張を一歩も譲らずに姉妹は百年近く争っています。決着をつけるために、この時代の蘭花さんと、銀牙さんに接触しようとしています」
「また、どうして?」
「どちらか一方の主張を受け入れた、蘭花さんと銀牙さんがエッチして大量の子孫を残せば……その子孫たちは自然と自分の軍門に下った裸族人類になるはずだと、姉妹は考えています」
「なるほど……分岐した平行世界を故意に作るために……最近よくある、時間モノのパターンですね」
「姉妹は過去に向かって、動いています……もしかしたら、すでに到着しているかも知れません」
蘭花が困惑した口調で美久に訊ねる。
「あたしたち、タコ側裸族人類は、どうすればいいの?」
「そこまでは……あたしにもわかりません、本来なら伝えたコトで歴史が変わってしまうかも知れないんですが……分岐した歴史に正しい歴史とか、誤った歴史なんてありません。すべてその時の判断とか偶発で派生した歴史ですから……蘭花さんと、銀牙さんの判断に地球の未来がかかっています」
美久の話しを聞き終えた船内に、沈黙の時間が流れる……しばらくして、響子が興奮した小声で。
「はぁはぁ……未来の着衣人類は家畜みたいに扱われちゃうんだ『人間牧場化』されちゃうんだ……あたしも繁殖させられるために、見知らぬ男の人から犯されて妊娠しちゃうんだ……はぁはぁはぁ」
と、呟いているのが聞こえた。
同時刻の地球のとある街……70年代裸女の一人『エメラルド・愛』は、街の探索を楽しんでいた。
「あの花嫁さんのドレスいいなぁ……ウェディング・ドレス姿でエッチしたいなぁ」
たまたま通り掛かった森の教会で遭遇した、着衣人類たちの結婚式の光景に愛は立ち止まって見とれていた。
(やっぱり、裸族人類とか裸女だったら真っ裸に、ウェディング・ドレスが定番よね……羨ましいなぁ、今夜あの二人はベットの上でズヂュズヂュと)
愛が花嫁に見とれていると、話しかけてきた人物がいた。
「あなた、70年代裸女の『エメラルド・愛』さんですわね? やっと見つけましたわ」
声が聞こえてきた方向を見下ろすと、そこには小学四年生くらいの着衣姿の少女が、愛の方を見上げていた。
(なに、この子? 着衣人類? でも雰囲気は裸族人類みたいだけれど?)
少女は、なおも愛に話しかけてくる。
「あたしの質問に答えなさい……あなたの名前は『愛』と言うのですわね?」
やたらと大人びた口調の少女だった。愛が面倒くさそうに答える。
「まぁ、そうだけど」
「では『キュパ○ッパ〜っ』と、言いなさい」
「はぇ?」
「早く言いなさい!!」
なにがなんだかわからないまま、愛は教えられた言葉を喋る。
「きゅ、キュパ○ッパ〜っ??」
その言葉を聞いた少女が、いきなり脱衣をはじめる。
「変身」
衣服を脱いでいくたびに、少女の姿が成長していき。全裸になった時、18歳くらいの女性へと変わっていた。
変身した女性が言った。
「裸の切り札!!『裸族A〔エース〕』……やっと元の姿にもどれましたわ。旧式の座席が狭いタイムマシンに乗り込むためには、あの姿になるしかありませんでしたから」
衣服を脱いで変身した裸族人類は、教会の前でフラワーシャワーの祝福を受けている新婦と新郎に視線を向けると、人指し指の指鉄砲で狙うような仕草をした。
「うざいな〜ですわ……着衣人類ども色めきなさい、ドキドキューン!」
エースの指先から発射された一条の光弾の直撃を頭部に受けた新郎と新婦は、いきなりその場で「では、これより皆様の前で夫婦初めての共同作業を行います……見てください」と宣言すると、公開セックスをはじめてしまい。教会前は騒然となった。
「イチャイチャ見せつけて、ふざけんなぁ。ざまぁ見ろですわ……ピエロのように赤っ恥をかくといいですわ、着衣人類の世間の目は怖いなぁ〜ですわ」
裸族女性は、なおもブツブツと独り呟く。
「配下の『時を駆ける電車』の淫乱ライダー裸女には、『平成淫乱ライダー裸女』たちの裸女と裸男を集める仕事を先に命じてしまったので、乗るコトはできませんでしたわ……失敗しましたわ、まさか美久がこんなにも早く過去へ向かうなんて想定外でしたわ……ブツブツ」
ぶつぶつ話しているエースに、愛は恐る恐る話しかける。
「あのぅ……あたし、もう用事がなければ行きますけれど」
「勝手にどこでも行けばよろしくて。もう、あたしの用事は終わりましたから……70年代裸女には興味ないですわ」
愛はなんて、自己チューな裸族人類だと思った。
「それじゃあ」
愛が去っていくと、エースは腕組みして思案の素振りを見せた。
「タコ側裸族人類の“つがい”を誘き出すには、集めた淫乱ライダーの裸女裸男たちに着衣人類を襲わせて騒ぎを起こすのが、てっとり早いですわね……お姉さまが到着する前に、決着をつけなければ……わたくしの主張が正しいと歴史で証明してみせますわ」
そう言って未来からやって来た裸族人類は、ニヤッと笑った。
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