最初の女体&男体グルメ……日本国へB

 白いビキニ跡が日焼けした肌に残る、全裸の我美がケイサツカンの前に立って、ぞんざいな口調で言った。
「何か用?」

「いや、近所の住人から、いきなり空き地にドクロの建物が、朝になったら建っていたと通報を受けたもので」

 ケイサツカンは、室内にいる裸の女性二人を見て、少し目のやり場に困った表情をした。
「ここが自宅でしたら、どんな格好をしていても自由ですけれど……若い女性お二人ですので。防犯の意味でも……室内は、せめて下着くらいは」

 我美は無言で、お腹の袋から一枚のカードを取り出してケイサツカンの目前に突き出し見せる……カードには『裸体証明カード』と、マジックインキで書かれていた。

 カードを目にしたケイサツカンの態度が一変する。ケイサツカンは、我美に敬礼をした。

「し、失礼しました!!」
 そう言って、ケイサツカンは足早に去って行った。
 カードを持って「かっかっかっ」と高笑いをしている我美に乙姫が質問する。

「そのカード何?」
「この間、実験群島のケン・フラン教授のところにエルフの所在を聞きに行った時に、テーブルの上に『ご自由にお持ちください』って感じで置いてあった『マッドサイエンティスト証明カード』に、ちょい手を加えて作った『裸体証明カード』
「手を加えたって……そういうの、カードの違法改造とか偽造じゃないの?」
「裸族人類は細かいコトは気にしない、気にしない……かっかっかっ」
「あんたって結構な、悪女ね……で、あの『デジモン裸女と裸男のカップル』どうするの?」

「そうっすね……あのままだと青くて食べられないから、育成調教してデジモン進化させましょうか」

「どんな具合に?」
「最初はエロい情報を、たくさん与えて……『オナモン』から『エロモン』に進化させましょう。……あのカップルに、エロ意識を植えつけます……乙姫さまはエロいモノを集めておいてください、できる限り性器モロ見えの過激なモノを」
 と、我美は言った。


 ドクロアジトを去った、ケイサツカンは首をかしげながら歩いていた。
(変だな? なんであのカードを見た瞬間、敬礼したんだ?)

 そんなコトを考えながら歩いていたケイサツカンは、公園内を裸で歩いている若い女を発見した……タコ側裸族人類の蘭花だった。

 すかさず近づいて質問をするケイサツカン。
「ちょっと、そこのあなた、裸で人目がある公園をうろついては……えーと、確か『猥褻な物を公開したらダメ』みたいな規制がこの国には、最近まであったような記憶が?……あなたは、露出狂ですか?」

 質問された蘭花は、軍医タコから教えられた通りに黄色いケロリン桶と、温泉タオルを取り出して言った。

女湯はどこですか? 迷っちゃって」

 それならしかたがない……と、苦笑するケイサツカン。
「なんだ、お風呂を探していたんですか……それなら、この先の交差点を右に曲がって少し行けば混浴銭湯があります……男女別々の銭湯は最近は、なぜか見かけないですね?」
「ありがとうございます……行ってみます」

 蘭花と別れて交番に向かって歩きはじめた、軍医タコの電波洗脳が完全に浸透していないケイサツカンは、立ち止まると「なんか違う」と、呟いて頭を抱えた。

 翌日……デジモン裸女と裸男カップルの響子と銀牙は、響子の部屋にいた。
 響子の家族は数日間の旅行に行っているので、家に居るのは響子だけだ。

 女の子が数日間、一人で過ごしている家に男が来ても『純愛モン』の二人は、たわいもない会話で過ごしているだけだ。

「そう言えば昨日、公園に風呂桶を持った露出狂の女性が現れたんだって」
「へぇ〜っ、世の中、裸で外を歩けるなんて……裸族人類か、裸女か、露出狂しかいないね」

 響子と銀牙も、裸族人類や裸女の存在はメディアを通して知ってはいたが、自分たちには関係ない別世界の話しだと思っていた。

 そんな純愛な二人が会話をしている部屋に、いきなり長方形をした薄い鏡面のようなモノが出現して、平成淫乱ライダーの変身ベルトを日焼けした裸体に巻いた我美が鏡の中から出てきた。

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