ヒトデ側裸族人類の我美が誕生しなかった世界でD

「あなたが、強く思う好きな時代に連れて行くコトができます……過去でも未来でも」
「いきなり、そう言われても……あたくし、この星に来たばかりで。あっ、ちょっとお待ちになって」

 エースは美久から聞いた話しを思い出す。
「この星には以前、蘭花と銀牙というタコ側裸族人類の、ラブラブなカップルがいたと聞きましたが……それは本当ですの?」
「本当ですよ、最終的には蘭花はレズに走って、子作り放棄しちゃいましたけれど」

「仮に、タコの裸族人類がレズ化する前の時代に、もどるコトは可能ですの?」
「可能ですよ……少しだけ方向性が変わっただけの並列世界なら、なんとか行けます」

「じゃあ、その過去に干渉して未来を変えるのは……例えば、蘭花と銀牙に、お尻の魅力を刷り込んで、お尻を崇拝する子作りをさせるというのは?
「その程度の変革なら、時間法違反に触れないので、大丈夫だと思います……この世界の未来と繋がっていますから」

「時間航行の仕組みは複雑ですので、あなたのような時間移動に慣れた専門の方に任せた方が安心ですわね……法律のプロみたいモノですから」
「素人のタイムトラベラーが過去とか未来に干渉すると、厄介なコトになりますからね……下手すると自分の存在自体を消しかねない」

では、タコ側裸族人類の蘭花がレズ化する前の時代に、わたくしを連れて行ってください……年代はわかりますの?」

 電女王は、エースに西暦を告げた。
「ターンエーお姉さまには『昭和の淫乱ライダー』の裸女や裸男たちが付いていますわ……わたくしたちは『平成淫乱ライダー』裸女&裸男の力を借りましょう、集められますか?」

「お任せあれ、それでは、平成淫乱ライダー仲間を集めて。タコの裸族人類がレズ化する前の時代に行きます」

 そう言うと、ちょっとコミカルで、そそっかしい電女王は、エースを残したまま。時を駆ける電車を発進させて時空に消えた。

 一人ポツンと残されたエースは、しまった!といった顔をする。
「話しに夢中で、自分が乗るのを忘れていましたわ……アホですわ」

 どうしょうか思案しているエースは、地面に倒れているバス停の標識みたいなモノがあるコトに気づいた。

「もしかして、この場所は時を駆ける乗り物が停まる指定場所でしたの? バス停とか無人駅みたいな?」

 エースがそんなコトを考えていると、今度はいきなりエッグスタンドに三脚が付いたような乗り物が出現した……表面に錆びが浮き出た、かなり中古品なタイムマシンだった。

 エースが見ていると、上部の透明なケースが開いて操縦席からオレンジ色をした、タコ型宇宙人が滑り落ちるように出てきた。

 タイムマシンから出てきた、隊長タコはエースの存在に気づかずに、乗って来たエッグスタンド型のタイムマシンのカバーを開けて何やらガチャガチャいじくりはじめた。

「軍医の奴、物置に、こんな中古タイムマシンまで隠していやがって……整備してないから、コードの接続が悪い……ジャンク品のタイムマシンを宇宙船の修理部品に流用するつもりだったのか……買ったタイムマシンを使わないでどうする、試運転すればまだ動くじゃないか」

 修理の終わったタイムマシンのカバーを閉めた隊長タコは、油まみれの触手で額を拭う。
「これでよし、さて帰るとするか……おや? こんなところに見たコトが無い裸族人類が? へへへっ、帰る前に少し弄んでやるか」

 エースの存在に気づいた隊長タコに、エースは微笑みながら上品に「ごきげんよう」と、軽く腰を屈めて会釈をすると……拳を隊長タコの顔面に叩き込んだ。

「ひぎぃぃぃぃぃぃ!!」
 吹っ飛んだ隊長タコの体が空中で爆発して粉々に散った。

「タコに触るとヌルヌルして気持ちが悪いですわ……運良くタイムマシンを入手できましたわ」

 操縦席に乗り込もうとしたエースは、座席の狭さに顔をしかめる。
「な、なんですのこの狭い操縦席は? しかも、あと一回分しかタイムトラベルができない欠陥品ですわ」

 エースは座席の下に隠してあった、小学生四年生が着るような衣服と下着のセットを発見した。

「どうして、こんなモノがタイムマシンの操縦席に? あのタコ、変態ですの?」

 少し思案した後、裸族の切り札『裸族エース』は呼吸を整えはじめた。

 徐々にエースの年齢と体型が若返り……エースの容姿は、小学生四年くらいの裸女幼女へと変わった。

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あきゅろす。
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