ヒトデ側裸族人類の我美が誕生しなかった世界で@
※このストーリーは『第二界・発嬢期』と繋がっています。
その世界は、また別の並列世界の一つ……ヒトデ側裸族人類の我美が誕生しなかった世界。
ドラゴ○ボールに出てくる【一星球】のような『ヒトデ星』の 実験室のソファー椅子に座って新聞に目を通している、メタボ体型な一体のヒトデ型宇宙人。
イトマキヒトデのような、でっぷりとした体型のそのヒトデ型宇宙人には、ヒトデ特有の繊毛〔せんもう〕が生えた裏側の部分が見当たらなかった……後ろも裏も表側だった。
太ったヒトデ型宇宙人は、新聞を読み終わると……立ち上がって言った。
「そろそろ、完成したかな?」
合わさっていた二匹のヒトデがパカッと開き……繊毛の中から両目を閉じた、ビキニ跡が裸体に白く残る日焼けの少女が現れる。
ココア色に日焼けをした、ショートヘアの少女は、床に倒れるようにヒトデの中から排出された。
床で意識を失っている少女に、別のヒトデが近づいて首筋や手首を触る。
少女を排出した二匹のヒトデが、診察をしているヒトデに訊ねる。
「どうだ? 成功したか? 裸族人類に変わったか?」
「失敗だ、着衣人類のままだ」
「そうか……あれだけ時間をかけたのにな……残念だ」
やがて、呻き声を発して意識をとりもどした我美が、上体を起こして周囲を見回す。
「ボク、いったいどうしたの? ココどこ? なんでボク、裸なの? あっ、ヒトデがいる?」
ヒトデは着衣人類の我美に、ポ〜ンと丸めた衣服と下着を放り投げた。
「さっさと、それを着ろ……地球に送り届けてやるから」
「???」意味もわからずに、我美は下着を身につけて、自分の学校の制服を着た。
「お帰りは、隣の格納庫にある小型宇宙船で……お疲れさん」
「はぁ? ありがとうございました」
首をかしげながら、我美は隣の部屋へと消えた。
我美が部屋からいなくなると、ヒトデたちは何事も無かったように談笑をした。
「何がいけなかったんだろうな……やっぱり、ヒトデ型宇宙人には、裸族人類製造は向いてないんだろうな」
「オレたちには、もうじき開催される『タコ殴りのヒトデ祭り』で、盛り上がっていれば十分だな」
そんな会話をしていると、一匹のヒトデが血相を変えて部屋に飛び込んできて言った。
「大変だ! ヒトデ祭りのために飼育していた大ダコが、食中毒で急死した!!代わりに殴るタコを至急探さないと」
部屋にいたヒトデたちは「え────ッ!?」と、驚きの声を発した。
ヒトデ側裸族人類の我美が誕生しなかった世界……遥かな未来。
小惑星群が漂う、アステロイドベルトの宇宙空間で、一組の裸族人類姉妹が姉妹喧嘩を続けていた。
「ターンエーお姉さまの、わからず屋! 乳より尻ですわ! お尻にドキッドキッドキュ〜ンですわ」
シジミ蝶のような羽を背中から生やした、十八歳前後の『裸族エース』は、姉のターンエーに向かってヒップで小惑星を叩きつけた。
砕けて飛んできた小惑星を、七色アゲハ蝶の光りの月光蝶のナノマシン羽を背中から出した、ヒゲ陰毛の『ターンエー』は、鐘型の乳房で横に弾き飛ばす。
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