【黒き忍びの里】B〔淫法『水蟷螂』

 幻之介とセックスをしている朧女に絶頂が近づく……幻之介がいつものように朧女のクリトリスを優しく指で愛撫して刺激を与えると、朧女の裸体がビクッと反応した。
「あぁはぁ……幻之介、幻之介、イクぅ……イクぅ」
 朧女は彼氏の幻之介を無視して、勝手に絶頂した。

「はぁ……セックス気持ち良かったぁ」
 ペニスを抜去して幻之介と並んで横になった朧女は、いきなり上体を起こすと、ベランダで裸のままヌイグルミに股がって腰を振っている母親に向かって怒鳴りながら棒手裏剣を飛ばす。

「お母さん!! また淫法『空蝉騙し』〔うつせみだまし〕の術で、セックス最中の娘と入れ換わって幻之介とエッチを!!」

 朧女の手裏剣が命中する前に、母親は煙り玉で消えた……去り際に母親は。
「おほほほ……修行が足らないわね朧女……幻之介くん、夕食食べていきなさい」と、言った。

 数十分後……朧女は自宅の湯を張った浴室を、念入りに調べて母親が隠れていないか探す。 シャンプー容器のフタまで外して中を覗き込んでいる朧女に、幻之介が声をかける。

「いくらなんでも、そんなところに隠れているはずが……」
「油断は禁物よ……相手は忍者なんだから、全身の関節を外して郵便受けの中に入っていたり、全身の骨を軟骨化して花瓶の中に隠れるコトだって可能なんだから……ちょっと夕食の準備で、買い忘れた食材を買い物に行ってくるって伝言ボードに書き残して、姿を消したのが一番怪しい」

 朧女はタイルの壁を叩いたり、天井をブラシの柄でつついたり、湯船のお湯を掻き回して確認する。
「いないみたいね……幻之介、先にお風呂使っていいよ」
「それじゃあ、遠慮なく」

 数分後……湯船に浸かっている幻之介の姿があった。
 浴室内の揺らぐ湯気を眺めながら、幻之介が心の中で呟く。

(セックスの時は、いつも朧女のクリトリス触って刺激して、絶頂させる役目……オレって朧女にとって、なんなんだろうな)

 幻之介がタメ息をついていると、湯船の排水栓の辺りからゴボゴボという音が聞こえ。
 なんだろう?と湯船の中を見た幻之介は、お湯の中で自分のペニスをくわえて、こちらを見ている二つの目と視線が合う。

 お湯の中にいたのは、朧女の母親だった……驚く幻之介。
「いつの間に? お湯の中に?」

 幻之介が驚いていると、朧女の母親は水中フェラチオを開始した、お湯の中で口をすぼめた母親の頭が前後するたびにお湯が揺れる。

 水面に浮かんできた泡から、朧女の母親の声が聞こえてきた。
《ゴボッゴボッ……淫法『水蟷螂』〔みずかまきり〕……どうかしら、水中フェラチオの感想は、幻之介くん気持ちいい? ゴボッゴボッ》

 どんな原理なのかわからないが、朧女の母親は幻之介の陰茎管を、シューノーケルのように使ってフェラチオと同時に呼吸もしているらしい。
「は、はい……すごく気持ちいぃです……うぅッ」

《ゴボッゴボッ……出したかったら、そのまま口に出してもいいのよ。一回もイッてないんでしょう? 幻之介くんのだったら全部飲んであげるから……ほれっほれっ、我慢していると体に悪いぞ》

「うぅ……それでは、お言葉に甘えて少しだけ……口へ中出しを……」

 幻之介が、ちょびっと放出した時……裸体にバスタオルを巻いて胸元を隠した朧女が、怒りの形相で浴室のドアを開けて怒鳴った。

「どこから湧いて出たのよ!! バカ親!!」
 朧女はバスタブの排水栓を抜いて、母親を下水に流した。ゴボッゴボッゴボッ

 排水口の渦の中から母親の声で「撮影のために入浴時にバスタオルを着用しています……ゴボッ、ゴボッ、ゴボッ……すぐにもどってくるからね」と、いう声が聞こえた。


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あきゅろす。
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