忍者だけど忍ばない……煩悩覚醒!!A

 やがて体液が絡まる淫音も……じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ……から、ジュジュジュ……ジッ!ジッ!ジッ!ジッ!と、変化して蘭花の腰の動きが高速残像になった。

 もう響子の動体視力では蘭花の腰の動きを追うことが不可能になり、蘭花の下半身が消えはじめる。

 さすがに、この段階になって軍医タコは異変に気づいた。
「何か変です……爆発に備えて強化防ガラスケース作動」

 天井と床を繋ぐように、立方体の強化ガラスケースが下りてきて、蘭花と銀牙を囲む。

 蘭花と銀牙の喘ぎ声に共鳴したケースが揺らぎ振動した。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
「うはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 軍医タコが部屋からの避難も視野に入れた時……いきなり、蘭花と銀牙の動きが停止した。

 フリーズした蘭花と銀牙の口から。
この肉体は、過剰データ処理で現在使用できません」の声が聞こえてきた。

「おやおや……もしかして。裸族人類の脳内処理能力を越えた大量のデータを送信して過負荷を与え、肉体をシステムダウンさせる……サイバーテロ攻撃を受けたのかと思いました……まぁ、この程度なら復旧可能ですが。こんなコトをする連中の見当はついています」

 軍医タコがタブレットを操作して空間に、送信者の回路を開く。六亡星型の三次元モニターに、ヒトデ型宇宙人たちの姿が映し出された。

《よっ、タコ元気か》
「やっぱり、ヒトデなしのヒトデ型宇宙人でしたか……こちらに連絡もなく、いきなり裸族人類の脳内に大量のデータを送信する非常識な宇宙人は、あなた方くらいのモノですからね」
《悪ぃ、タコなら復旧できると思って》
 
 タメ口態度のヒトデに少しムッとしながらも、軍医タコは平常を装ってヒトデに訊ねる。

「で……送りつけてきたデータはなんですか」

《青い鉱石の分子を、裸族人類の肉体に細胞レベルで再練り込むできる技術データだ》

「ほうっ、ヒトデ型宇宙人はすでにその技術を開発していましたか……確かに、その技術があれば青い鉱石のグッズを、身に付けさせる手間はなくなりますね……ありがたく使わせていただきましょう……で」

 軍医タコは上目使いにヒトデ型宇宙人たちを見た。
「あなた方が求めている『見返り』はなんです? まさかヒトデが無償でデータ提供をするとは思えませんが」
《さすがタコ、お見通しか……もうすぐ、毎年恒例の『タコ殴りのヒトデ祭り』があるんだがな》

「ふむふむ……あの、大昔にヒトデがタコを撃退したコトを祝って行っている祭りですか……あの祭り、わたしたちタコ型宇宙人には評判悪いですよ……それで?」

《数週間前に、ある事情で祭り用に飼育していた大ダコが急死してな……あんたのところの隊長を貸してもらいたい》
「隊長をタコ殴りですか……いいですよ、連れて行ってください」
 即答だった。

 ヒトデとの通信が切れると、響子が軍医タコに訊ねた。
「あのぅ、軍医さん……今の話しで良くわからないんですが、蘭花と銀牙さんはどうなっちゃったんですか? 青い鉱石の練り込み技術って?」

「着衣人類の響子には理解しがたいかも知れませんが、裸族人類が電磁波を受信できるというのは知っていますよね」
「はい、ラジオ波やテレビ波を受信して頭の中で自由に見聞きしたり、ネットに接続もできるって聞きました……やろうと思えば通信もできるって」
「便利ですけれど、裸族人類には諸刃の剣でね……普段は自己ブロックで、過剰データとか電子ウィルスを防御しているんですが……エッチしていて我を忘れている時は、無防備に近いので、そこに大量のデータを意図的に送信されるとシステムダウンして、こうなっちゃうんですよ」

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