混戦模様の赤いエロ大地A
脱皮するように副官女性の外皮がめくれ、皮の下から現れた目鼻が無い口だけの顔をした『のっぺらぼう』が笑いながら逃げ出すと。
今度は『ロボット裸女・エス』が艦長の前に走ってきた。
「ガーに負けていられませんわ! わたくし脱ぎますわ! ご覧なさい機械裸女の、裸身をゴー!!」
と、言って赤いドレスを脱ぎ捨てて、意味不明な全裸になった。
口元に手を当てて「おほほほほッ、堪能しまして」と、笑っている裸の機械裸女を前に、どう対処したらいいのか戸惑う艦長は。
(援軍はまだか……早く来てくれ)と、脂汗を流した。
荒野でエッチな戦いが繰り広げられていたころ……離れた場所に置いてある、小型タコ型宇宙船の中に待機している悪魔の黒夜美は、退屈そうに座席でストレッチをして体を伸ばしていた。
「う〜ん、ヒマ……もっとも、下劣な『性戦』に参加させられるよりは、ここで留守番していた方が疲れなくていいけれど」
黒夜美はチラッと、座席の後ろで包帯をグルグル巻きにされて、サナギのような姿で転がされている隊長タコを見る。
「このタコと一緒に居るのは嫌だけど、まっいいか」
黒夜美は暇潰しに、タコ型宇宙船のパソコンをいじくって、何か面白そうなデータが入ったファイルはないか物色した。
「何か面白そうな秘密ファイルはと……ないかなぁ」
簡単に開けるファイルが一つだけあった。
開いたファイルに目を通していた黒夜美は。「な〜るほど、軍医タコが『性戦』をはじめた意図はコレか……確かに着衣人類を一人づつ検査して『エデン・シンドローム』の抗体みたいなのを発見するよりは効率はいいか……考えたわね、もっとも発症原因が不明な『エデン・シンドローム』の抗体が存在するかどうかは不明だけれど」と、呟いた。
その時……レーダーが赤い遊星の大気圏に侵入してきた、多数の飛行物体を示す。
人工音声が警告を発する。
《パターン、アホ……別地球の“ヒト”です……“ヒト”襲来です》
頭の後ろに両手を組んで、次々と現れるレーダーの反応を楽しげに眺めながら、黒夜美が言った。
「おやおや、軍医タコさんの思惑通り、別地球人類の援軍が到着しちゃったわね……ここは、タコ策士のお手並み拝見といきましょうか」
次々と下降してくる、別地球の武装宇宙船団の存在は、丘の上に陣取っている軍医タコとショージの目にも映っていた。
少し心配気味にショージが、軍医タコに訊ねる。
「どうしましょう……地球人の武装宇宙船が、あんなにたくさん」
「大丈夫です、こうなるコトは想定済みです……ゴキブリ人類の『第二次繁殖隊』の発情フェロモンも、ムンムンと発散されていますね」
軍医タコは、後方で触角を蠢かせながら、群がる若いゴキブリ人類たちに目を向けた。
黒光りするゴキブリ人類の男女たちは、最高潮の発情期を迎えていた。
「ヤリたい、ヤリたい、ヤリたい、人間とヤリたいよぅ!!」
軍医タコがショージに指示する。
「ゴキブリ同士で交尾しないように忠告してください……今、精を放出してしまったら。ゴキブリ人類の敗北ですから」
武装宇宙船の数機が地表に降下してきた。空に浮かぶ宇宙船の船体には、光学兵器の砲口が覗いていた。
裸族人類の蘭花、銀牙、紫音、秋……それとウニ子の五人は軍医タコの指示で丘にもどってきていた。
銀牙との『駅弁セックス』を終えた、蘭花が軍医タコに訊ねる。
「タコ神二号さま、またあたしたち裸族人類が、兵器の類いを粉砕しますか?」
「少し考えがあります……あなた方は、体を休めておいてください」
軍医タコは、武装宇宙船とは別方向の空を望遠眼で凝視した。
「もうすぐ、こちらの援軍も到着するはずです……万が一、ビーム兵器が発射された時には、裸族人類が裸体の盾になって、持ち堪えてください……あなた方だったら、ビームの熱線も快楽に変わりますから」
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