性なる戦い…人それを『性戦』と呼ぶ@


 蘭花が軍医タコに訊ねる。
「タコ神二号さま……まさか、ゴキブリ人類と別地球の人類を、交尾させるつもりですか?

「そのまさかです……人類にとってゴキブリと交尾させられるのは、最大の屈辱でしょうから……もしかしたら、ゴキブリ人類と別地球人類との間に愛が芽生えカップルが誕生したら平和的な解決に導けるかも知れません……わたしたちの世界の解決方法は武力ではなく、性本能に訴えるエロ解決です。エッチな平和的性行為が主体です……セックスとオナニーをしながらの、武力行使を両立させるのは難しいですからね」

 軍医タコがショージとショジョを見て言った。
「一度、別地球人類をこの目で、見ておかなければなりませんね……別地球人類を確認できる地点まで、誰か案内できるゴキブリ人類の方はいますか……実際に彼らの宇宙船を離れた場所から見ながら、説明ができる方が理想ですが」

 ショジョが挙手する。
「あたしが案内します、あの船には一度、仲間と一緒に忍び込んでいますから……いろいろと説明できます」

 触角を動かしながら、ショージが心配そうな口調で恋人に言った。
「大丈夫かショジョ、今度捕まったら……中性洗剤を大量に浴びせられるぞ」

「タコ君と丘の陰から見るだけで近づかないから、危険を察知したらゴキブリみたいに、すばやく逃げるから……ゴキッ」

「そうか、気をつけろよ……軍医タコさま。巣で待機しているオレたちは、何をすればいいんですか? 準備できるコトがあれば言ってください」

「ではゴキブリ人類の中で、別地球人類のオスとメスに性なる戦い『性戦』を挑む、果敢な『性戦士』を選抜しておいてください……性欲旺盛で健康な、若い男女のゴキブリがいいですね」

 軍医タコの言葉を聞いた、若いゴキブリ人類たちがザワザワと雑談する声が聞こえてきた。

「えーっ、あの人類とあたしたちがエッチするの? なんか、ちょっとだけ気持ち悪い」

「人類のメスを、ゴキブリ男子が抵抗なく抱けるか?」

「でもなんか、興味はある……ゴキブリと人間の交尾って」

「うおッ、なんか想像しただけで、チ○ポが起ってきた……オレ、『性戦士』に志願します」

「あたしも、生殖器が濡れてきた……はぁはぁ『性戦士』になります」

 ゴキブリ仲間の発情フェロモンが充満してくるにつれて、洞窟内で「オレも」「あたしも」と、次々と挙手する者が現れた。

「ヤリたい」「ヤリたい」「ヤリたい」ざわざわざわざわ……。


 小一時間後……軍医タコ、隊長タコ、蘭花、銀牙の四人はショジョに案内されて、別地球人類の着陸宇宙船が見れる丘にやって来た。

 岩陰から宇宙船を指差して、ショジョが言った。
「アレが人類の武装宇宙船です……一見すると普通の民間宇宙船ですが、ビーム砲台や機銃を備えています、前に忍び込んだ時は通風孔から侵入できましたけれど、今はカバーが付けられてしまっているので侵入できません」

「兵器類は光学兵器と火器類の併用装備ですか……船内にいる、別地球人類の人数はわかりますか?」
「百人くらいだったと思います」

 軍医タコは、なにやらブツブツ呟く。
「ゴキブリ人類の性戦士人数が千人以上……エッチする人数が合いませんね、別地球人類側の人数を増やしますか」

 軍医タコは、隊長タコに拾った小枝に白い布を縛りつけたモノを渡して言った。

「隊長、コレを振りながら宇宙船の方に歩いてみてください……ヌチュヌチュとおぞましく触手を動かした、這いずり歩きで……ついでに、触手の一本を中指のように立ててGo,to,Hell!!〔地獄に堕ちろ!!〕と叫びながら進んでください」



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あきゅろす。
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