エデン・シンドローム@

 胸と股間を手で押さえた響子が、しゃがみ込んで震えていると、用事を済ませた軍医タコがもどってきた。

「みなさん、席を空けてすみません……おや?響子さん、どうしたんですか?」

 軍医タコを裸体を必死に手で隠そうとしている、響子を見て首をかしげる

 魔神ガーが答える。
「なんだかわからないけれど、いきなり恥ずかしがってしゃがみ込んだ、ずえぇぇぇと!」

 軍医タコが触腕を伸ばして、響子の手首をつかみ、隠している胸から手をどけようとする。

裸を見せなさい……響子
「いっ、嫌です!! いやぁぁぁぁぁ!! やめてぇ!!」

 響子は、軍医タコの触手を払い除けた。
 腕組みをした軍医タコは難しい顔で、響子の症状を観察して呟く。

「もしやコレは……『エデン・シンドローム』では? しかし、着衣人類がエデン・シンドロームを発症した例は一例も?」

 銀牙との『お医者さんごっこ』を中断した蘭花が、軍医タコに訊ねる。

「『エデン・シンドローム』ってなんですか? タコ神二号さま」

「蘭花と銀牙には、まだ話していませんでしたね……簡単に説明すると、裸族人類がかかる風邪みたいなモノです……裸族人類共通の『淫約聖書』は、以前話して聞かせましたね」

「はい、原種裸族人類でオスの『ポチ』とメスの『タマ』が、エデンの園から創造主を叩き出した神話ですよね」

 紫音と秋が、横から会話に割り込んできた。
「イカの淫約聖書では、オスは『シロ』メスは『ミケ』って言われているぞ……ヘビは形容しがたい『名状しがたいバイブのようなモノ』の名称で伝わっている」

「クラゲの『淫約聖書』では、オスは『タロウ』メスは『ミーちゃん』ヘビは『チ○ポ蛇』って聞いている」

「名称の微妙な違いは種族ごとでありますが、内容は似かよっているはずです……話しを進めます。一説では、そのエデンの園を追放された創造神の『怨念』とも言われているのが『エデン・シンドローム』です……発症はウィルス感染が原因とも、細菌が原因とも、心的な要因とも言われていますが……発症原因は今だに判明していません。まぁ、軽い風邪みたいものですから……ちなみに、これは余談ですが裸族人類の性的行動を制御する『蒼い鉱石』〔ヌードナイト〕は『エデンの園』の一部だとも言われています」

 そう言って、軍医タコは、大きなフェルターマスクを取り出した。
 マスクの耳ゴム部分に両足を通せばフェルター部分で、股間をスッポリ被える大きさのマスクだ。

「さあ、響子……この股間マスクを穿いて、美味しいモノを食べて横になっていれば。エデン・シンドロームなんてすぐに治ってしまいますよ」

 響子は、軍医タコの持つマスクに悲鳴をあげる。
「ひッ!? そんな恥ずかしいモノ、身に付けられません!! 変態です!」

「このマスクを拒絶するとは……病状はかなり進行していますね、例の者を呼び出して知恵を借りますか」

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あきゅろす。
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