それぞれの願い……それぞれの希望A秋・尻目・美久・ウニ子・響子の願い

 願い二番手のクラゲ側裸族人類・秋が言った。
クラゲ側も叶えたい願いは無い、蘭花をレズに落として銀牙への興味をなくさせる計画は、自分の力で楽しみながらやるから……銀玉集めも、ゲーム感覚で集めていただけ」

 続いて尻目が言った。
「個人の願いを裸女全体の願いにすることはできませんから……裸女全体が話し合いで決めるとなると、時間も必要なので……裸女の願いは無しということで」

 美久が言った。
「エビ側裸族人類は後ろ向きな性格だし、カニ側裸族人類は横ばいの性格だから……あたし個人の願いだと、強い敵〔ライバル〕と闘えればそれでいいんですけれど……例えば」

 美久は空に向かって熱線と火炎を交互に吐く。
「全身が金色に輝く三つ首イモムシの『キングモスガ』とか、口から超音波を吐いてなんでも切断する超音速飛行のコウモリみたいな裸女とか……両手がカニのハサミみたいで分身の術とか使える『宇宙の忍者』って名乗っている裸女とか……あッ! 一つだけ叶えたい望みがあったの思い出しました」

 美久は両手を十字に組んで見せた。
「このポーズで手から光線なんか出せたらいいなぁ……って、昔から思っていました、スペ○ュウム光線とか」

 黒夜美が、何かを言おうとするより早く、軍医タコが口を挟む。
「美久さんは、手から光線を出したいんですか……それなら、猫がカ○ハメ波や波○拳を出すより簡単ですよ、人前で恥ずかしがらずに体から何かを絞り出す感じで『ジョワッ!』と叫んでください……危ないですから人には向けないで」

「はい、こうですか? ジョワッ!」

 美久の手から発射された光線が、焼けた隊長タコの遺骸に命中した。

 隊長タコの体は一度爆発するようにボフッと膨れて萎み、さらに焼け焦げた。

 美久が嬉しそうに軍医タコに礼を言う。
「出ました! ずっと出したかったスペ○ュウム光線! 人前でも恥ずかしがらずにポーズを決めて、気合いを入れるのがコツだったんですね……あたしの願い、叶っちゃいました

「光線技は、人前で射精するようなものですからね、発射時の言葉を変えれば別の光線も出ますよ……すみません、黒夜美さん。美久の願いを解決してしまって」

「べ、別にいいわよ……手間がはぶけて、願いがある次の人!」

 ドクター・エロを抱えた、ウニ子が一歩進み出る。
「え──と、あたしは限られた命で精一杯生きる『着衣人類』になりたいです……着衣人類の女の子になって、好きな男性の子を宿して、生み育てる幸せを噛み締めるような……普通の人間になりたい

 ウニ子の言葉を聞いたドクター・エロが、ウニ脳を沸騰させながら怒鳴る。
「却下! 却下! せっかく、不老不死に近い『裸族人類』としてパーフェクトボディで誕生させてやったのに何が不満なんだ、わざわざ『着衣人類』になるなんて絶対に許さん! ウニの望みは無し!!

 ウニ子は、不機嫌そうに頬を少し膨らませた。
「エロさまのケチ」

 続いて響子が、はにかみながら言った。
「あたしの願いは、ウニ子さんとは逆に裸女や裸族人類になってみたいなぁ……って」

 黒夜美が響子の顔を、しばらく凝視してから口を開く。
「それは無理……あんたの体をデビルアイで透視してみたけれど。裸女化する因子も、裸族人類の因子も最初から含まれていないから……あんたは、絶滅危惧種の着衣人類として一生を終える宿命星だから……あたし程度の悪魔が、人の宿命を変えるなんてできないから……次の人どうぞ」


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あきゅろす。
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