とあるイカの超レンジ解凍法@〔イカ側裸族人類『紫音』登場〕
頭にアラブのベリーダンサーの踊り子が被っているベールを被り、口元を薄いシルクの布で隠している。
腕輪とかネックレスとか、足首にもアンクレットの装飾品を装着していて。
乳首やヘソや小陰唇にピアスをしている以外は、裸体の裸女だった。
アラビアンな裸の踊り子が、自分が出てきた穴を見て言った。
「あたし、とんでもない場所から出てきたんですね……お詫びに踊ります」
軍医タコが腰をくねらせて踊っている、裸女を隊長タコに紹介する。
「紹介します、わたしの知り合いの【70年代裸女】……洗脳屋の『エメラルド・愛』さんです」
「エメラルド・愛で〜す、よろしくぅ! 生まれは砂漠のアラビア生まれです。インドの山奥で修行しました……日曜から土曜日までの一週間、異なるアルバイトしています。火曜日は厨房で中華鍋振っていて、土曜日は工事現場で土掘っています……日曜日だけ『洗脳屋』の仕事しています……バイト先へはいつも、ダッシュで出勤です」
「愛さん細かい自己紹介、ありがとう……早速ですが、あそこにいる実験体A・B・Cの魂の浄化をお願いします」
「了解しました!! 真っ白に魂を漂白しちゃいます」
愛は眠っている三人の男たちに近づいて言った。
「消えろ! 外道! ○霊○散洗礼光線!!」
愛の両目から光線が三人の男たちに向かって照射される。
光線を照射されている男たちの絶叫が実験室内に響く。
「ぐあぁぁぁッ!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁッ!!」
過去に犯してきた罪悪がすべて苦痛となって、男たちを襲う……どんなに、小さな罪さえも、心の苦痛へと変わる。
愛の顔に、狂喜の笑みが浮かぶ。
「ふふふ……まだだ、もっと魂を浄化しなければ……真っ白な魂に……無垢な状態になるまで……ふふふっ」
男たちは苦悶に顔を歪め、今まで自分が犯してきた罪を悔いる。
「ぐおぉぉぉッ!!」
洗脳をされている男たちを眺めながら、軍医タコは腕組んで何か思案していた。
「どうした軍医? そんな難しい顔をして」
「地球にクラゲ側裸族人類に続いて、イカ側裸族人類も侵入したとの……情報が入ったもので、蘭花は大丈夫かと思いましてね」
「そんなに心配なら、サポート役のロボペニスを、発進させたらいいんじゃないか?」
「そうですね、さすが腐ってもタコの隊長です……念のために、発進させておきましょうか……チンチン君・金剛!! 発進!!」
《がってんだぁ!! チンチン君、いきま──す!!》
実験体Eの股間から、メカチ○ポが外れ飛んでいく。発進の際にチンチン君の底から吹き出した炎で、股間を火傷した男は「あちちちッ!」と、悲鳴を発した。
その頃……蘭花は、朝焼け染まる砂浜を見下ろす公園のベンチに裸で腰を下ろして、一人タメ息を漏らしていた。
「はぁ……タコ側裸族人類の“つがい”になるオスを見つけるために、こんなところまで歩いて来ちゃったけれど……ぜんぜん進展がないなぁ」
蘭花は、ここへ到着する途中、着衣人類の婚活パーティー会場や挙式会場の看板を見て、裸で乱入して探してみようかとも思ったが……会場がパニックになりそうなのでやめた。
(だいたい、相手の年齢も顔もわからないで探すなんて無理、無理、無理、無理だよ)
これからどうするか? 蘭花がぼんやり考えていると、少し離れて並んだ別のベンチに一人の全裸男が歩いてきて座った。
全裸と言っても眼鏡をした【裸メガネ】の若い男だった。
並び離れたベンチに座っている、裸の男女……シュールな光景だ。
蘭花が男の方をチラッと横目で見て(あっ、あたしと同じ裸だ)と、内心呟く。
しばらく沈黙して海を眺めていた二人だったが、男の方から蘭花に話しかけてきた。
「こんにちは、早朝から裸で散歩ですか?」
「え──と? 散歩というか、なんて言うか……仲間探しです」
蘭花は裸メガネ男のチ○ポを、チラチラと意識しながら訊ねる。
「あのぅ……露出狂ですか? それとも裸族人類ですか?」
「あなたと同じ裸族人類ですよ、蘭花」
「どうして、あたしの名前を?」
男の口調が急にフレンドな口調に変わる。
「オレが蘭花が探している、パートナーだよ……オレはタコ側裸族人類『紫音』」
「あ……あたしの“つがい”の片割れ」
「オレは蘭花を見つけたら、即交尾をするようにタコ神から言われているから」
「神さまから?」
「裸族人類五つの誓い……二つ目と三つ目」
「裸族人類は〔セックス〕を求められたら拒否してはならぬ……裸族人類はそれぞれの、自分を創ってくれた創造主を崇めよ」
この時、蘭花は天使の翼を生やした裸男から体を求められた時、二つ目の誓いを破ってしまっていたコトに気づて顔を赤らめる。
(あたし、恐怖のあまり誓いを破っていた……神さまからの啓示された五戒の一つなのに)
蘭花は意を決して、タコ側裸族人類のパートナーだという紫音に哀願する。
「紫音、あたしと交尾してください……セックスしてください……まぐわってください……エッチしてください……交配してください」
「その言葉を待っていた」
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