それぞれの願い……それぞれの希望@イカ臭い紫音の願い

 渡された誓約書の臭いを嗅いで黒夜美は、顔をそむける。

「臭っ! 何この臭いサイン。その焦げたタコ、死んでいないでしょうね……死んでいる者のサインは無効だから」

「まだ、生きていますよ……もう少しだけ、質問してもいいですか」
「いいわよ、本契約で願いを叶える前には、できる限り相談とか質問には答えるように、上司悪魔から言われているから」

「八個のキ○タマは、やっぱりトラップですか?」
「世の中には、とんでもなく危険な野望を叶えようと、キ○タマ集める奴もいるからね……『全宇宙の支配』とか『世界消滅』とか、そんな邪悪な願い。あたしたちみたいな下っぱの派遣悪魔にどうしろって言うのよ……だいたい、全宇宙とか全世界ってどこから、どこまでの範囲? 世界や宇宙をどうこうできるのは悪魔の領域じゃないっうの……それに、そういった危険因子の芽はトラップで早めに摘んでおいた方がいいからね」

「最初に言った、しょーもない願いというのは? どんな種類の願いが」
「あたしが担当した願いの中で、一番しょーもなかったのは『アイドルのコンサート券と握手券が欲しい!』っていうアイドルキモヲタの願いだったわね……魂の誓約書にも躊躇〔ちゅうちょ〕するコトなくサインしようとするから、反対に悪魔のあたしの方が心配になって『少しは自分の人生なんだから考えなさいよ、そんな短絡の願いで一つしかない魂を悪魔に売り渡していいのか!』って説教したわよ……あとは古典的ギャグで『女性の下着が欲しい』ってほざく奴ね……あんなギャグの願いを叶えてやったら、悪魔仲間から一生笑い者よ。まっ、今どきあんなギャグを本気で口にする奴もいないと思うけれど」

 集まっている物たちの視線が、自然と落雷で焼けた隊長タコに集中する。

 黒夜美が言った。
「質問が無かったらそろそろ、本題に入るわよ……そのつど質問とか相談があったら聞いてあげるから」

 そう言って女悪魔は、分厚い書物を取り出すと、軍医タコに渡した。
「詳しいことは、その『規定書』に書いてあるから……最初に言っておくけれど。一つの願いを増やすのは認められていないからね、この場の願いを子孫に託すのもダメだからね

 軍医タコが、渡された規定書をペラペラとめくり見る。
「願いを叶えるにも……ずいぶんと、細かい決まりがあるんですね」

「悪魔が呼び出されるたびに、規定が追加されていったからね……誰が最初に願いを言うの? もっとも、最初に言った願いが叶うとは限らないけれど。上司悪魔の審査を通過した願いだけが叶えられる

 軍医タコが、サインする時に使った隊長タコの触手を裂いて、作ったクジを手に言った。
「ここは、公平にクジ引きで決めましょう」

 七人が裂いたタコ足クジを引いて、順番を決める……一番手は、イカ側裸族人類の紫音だった。

「やったぁ! イカが一番だ、いきなり願いが叶って終わりだ」

 黒夜美がビクッビクッ跳ねている、紫音のチ○ポを見ながら聞く。
「あんたの願いは何?」

「オレの願いは、蘭花に種付けして妊神させる……イカ側裸族人類を大量繁殖させて、イカ側が裸族人類の頂点に立つ……」

 紫音が願いが最後まで言い終わる前に、ミリータは無反動砲の砲口を紫音に向けて怒鳴った。

「イカ神さまの顔に泥を塗るつもりかと、さっき言ったばかりだろう!! タコ側の女をモノにしたかったらイカ男のチ○ポの魅力で振り向かせてみろ!! それにイカ側の裸族人類ばかりが大量繁殖したら、裸族人類の生態系が崩れる!! 却下!! イカの願いは無し!!……以下略」

 紫音は怒るミリータに裸体で「ひぇぇぇ!」と、土下座しながら。チラッと立ったままセックスしている蘭花と、銀牙に目を向けた。

 蘭花を駅弁スタイルでユッサユッサと揺すりながら、性交している銀牙も紫音を睨みつけながら。

「蘭花の穴は、オレのチ○ポで塞いでいるからな……蘭花の穴は、オレのチ○ポが守る……イカの子種なんか注入させないからな」
 と、言った。

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