現れし者@

 ミリータが手の中で黄金のキ○タマを転がしながら、軍医タコに訊ねる。
「えーと、この玉はどうすればいいのかな?」
「あなたは、キ○タマに選ばれたのです……その玉はイカ側裸族人類のモノです」

 紫音が目を輝かせる。
「ミリータさま! チャンスです! 残りのキ○タマを我らのモノに!」

 憤怒の形相に変わったミリータが、無反動砲の砲口を紫音に向ける。
「イカ神さまの顔に泥を塗るつもりか!!! 恥を知れ紫音!! おまえに、その暴挙をさせないために、あたしはココに来たんだぞ!!」

「ひぇぇぇっ!! ごめんなさいっ!」
 紫音は裸でミリータに土下座した。

 軍医タコがタコ側の手元にある、四つのキ○タマを取り出して眺め思案した。

「ひい……ふう……みい……キ○タマが全部で八個……う〜ん、八個のキ○タマ

 隊長タコが、思案している軍医タコの持っている四個の黄金キ○タマを、横から奪って言った。

「軍医、何を悩んでいる……すでに七つの玉がここに揃っているじゃないか、あとは願いを言うだけだろう」

「いや、着衣人類の響子が持っている玉を合計すると、八個になるんですが」

「細かいコトは気にするな、七つの玉を集めて叶えてもらう願いと言えば、定番の願いがあるだろう」

「まさか、その願いだけは」軍医タコが止める間もなく、隊長タコは男の欲望を放った。 

『ギ○ルのパンティくれ〜ぇぇっ!』で、決まりだぁ!」

 響子が持っている一つを除いた、七つのキ○タマが輝きを放ち、天空を黒雲が被う。

 そして……雷鳴と共に稲妻が隊長タコを直撃したド──ン!!

「しびびびびびびっ!?」一瞬で黒焦げになった隊長タコから、香ばしい焼きタコの匂いが漂ってくる。

 黒雲が去るとタコ側の持っていた四つのキ○タマのうち、一つのキ○タマが落雷の衝撃で砕けていた。

 軍医タコが言った。
「キ○タマが割れている……やはり、一個はフェイクのトラップでしたか」

 その時……『子泣き男』から借りた杖で、よろめく体を支えながら。カフェにいた若いミイラ男に付き添われた響子がヨロヨロと歩いてきた。

「遅れて済みません……妖女さんたちから気に入られて、なかなか解放してもらえなかったもので……トイレの妖女『かんばり入道女』さんから、排泄するたびに快感を感じる体にさせられた時は、排尿のたびに絶頂してスゴかったです……あれ? 隊長さん焼けていますけれど何かあったんですか? さっき、いきなり空が黒雲で暗くなりましたけれど?」

 軍医タコが言った。
「気にしないでください、トラップに引っ掛かっただけですから……そちらの方は?」

「ボクは、妖男『ミイラ男』です……やっぱりボクの玉が砕けましたか。八個のキ○タマの時に願いを言うと、天誅が下るというのは本当だったんですね……なんのために、そんなトラップを仕掛けてあったのかは不明ですけれど」

「それは、すぐに判明しますよ……七つのキ○タマで出現する例のアレに直接質問してみれば、わかります」

 軍医タコは手元に残った三個のキ○タマのうち、二個を美久と尻目に分け与えた。

「その二つは、あなたたちのモノです」

「あたしたちが、もらってもいいんですか?」

「黄金のキ○タマ探しに協力してくれましたからね……ハイブリッド裸族人類の美久と、裸女代表として尻目にも、願いを叶える権利はあります……特に尻目には、自分の体からキ○タマが出てきましたから……さあ、みなさん円形の位置に立って、各自が持っている七つの金の玉を地面に置いてください

 軍医タコ、ミリータ、秋、ウニ子、響子、美久、尻目の七人が円になる位置に輝くキ○タマを置いた。

 輝くキ○タマを結ぶ光りの線が円を描く……同時に円の真ん中に、何やら奇妙な図形と古代文字が浮かんできた。

 そして、円の中心から女性の呟く声が聞こえてきた。
《エロエロなエッサイム……我は求め訴えたり……けほッ》

 集まっている者たちの中から「これって、もしかして」と、呟く声が聞こえた。 

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