【妖怪渓谷】@ついに来た、ゴールデンボール編ラストステージ
月の裏側に浮かぶタコ型宇宙船の一室……椅子に座った軍医タコの目前空間には、クラゲ軍医が投影された四角い三次元ディスプレイと、サングラスを掛けたイカ軍医が投影された三角形のディスプレイが浮かんでいた。
ディスプレイに映ったクラゲ軍医が言った。
《いよいよ、だにょ……妖怪裸女の『妖怪渓谷』で、七つのキ○タマが揃うにょ》
タコ軍医がうなづく。
「どの種族の裸族人類が願いを叶えても、遺恨は残さずという取り決めでしたね……そう言えば、まだイカさんの裸族人類はキ○タマを一個もゲットしていませんでしたね」
サングラスをしたイカ軍医が、敬礼しながら言った。
《イカ側裸族人類の紫音は、出揃ったキ○タマの総取りを狙っているようであります……紫音が非道すぎる行動に走らないように、ミリータに指示を出して紫音を監視させているであります……いざとなったら、ミリータには紫音の暴走を妨害させるであります……イカ略》
「黄金のキ○タマを所有する者には、誰にでも願いを叶える権利がありますからね、タコでもイカでもクラゲでも、着衣人類にも権利があります」
その時、通信に割り込んできた、トゲトゲしい星形のディスプレイにウニ型宇宙人のドクター・エロの姿が現れた。
《オレも会話に参加させろ、オレのウニ子にも、願いを叶える権利はあるんだからな》
イカ、ウニ、クラゲ……▽、☆、□の順にディスプレイが並ぶ。ちなみにタコのディスプレイは丸形をしている。
ドクター・エロが言った。
《ウニ子を『妖怪渓谷』に向かわせた……オレも、もう少ししたら『どこでもホール』を通って行く》
クラゲとイカが言う。
《秋は、渓谷に向かっている途中だにょ……クラゲは、秋の判断に任せているにょ》
《紫音は、すでに渓谷に到着している模様であります……イカはミリータに一任しているであります……イカ略》
「わたしの方も、蘭花、銀牙、響子、美久、尻目を源サンのリヤカーで向かわせます……わたしと隊長も向かいます」
《タコさんのところは、いつも大人数だにょ……隊長と軍医まで出向くなんて、裸族人類に過保護だにょ》
「そうかも知れませんね……ついつい、蘭花と銀牙には甘くなってしまいます」そう言ってタコ軍医は苦笑した。
妖怪裸女たちの故郷『妖怪渓谷』……そこにある、市場街を妖女の『のっぺらぼう』と、イカ側裸族人類の紫音は並んで歩いていた。
「きゃはははは、久しぶりに帰ってきたけれど、やっぱり故郷っていいもんですね」
のっぺらぼうと、紫音は巨大妖女『手洗い女鬼』の橋が、渓谷をまたぐ下を通過しながら頭上の丸出し女陰を見上げた。
「いつ見ても絶景だな……巨大女の女陰というのは」
「きゃははは……ここからの見上げる風景は、妖怪渓谷の観光スポットにもなっていて、絶景百選にも登録されているんですよ」
「ふ〜ん、ところで、この渓谷で黄金のキ○タマがどこにあるのか……知らないのか?」
「きゃははは……さあ? あたしには、わかりませんねぇ」
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