軟質女体製品@〔クラゲ側裸族人類秋の悪巧み〕
三人が立ち去り静寂がもどると、中庭を見下ろす建物の屋上から男性の呟きが聞こえてきた。
「クラゲ二号神さまの予想だと響子は『マテリアル』に行く確率が高いって言っていたけれど、蘭花の方は『マテリアル』に来ていないのか……読みが外れたな」
クラゲ側裸族人類の男秋だった。
「響子を操って蘭花と絡ませて、蘭花を真性レズに堕とす計画だったけれど……しかたがない、響子が男に抱かれるのは嫌だけど、今回はタコ側の裸族男を響子に誘惑させて響子の肉体に男が夢中になるように仕向けるか……着衣人類の女と裸族人類の男じゃ、あまり期待もできそうにないけれど」
そんな悪巧みを秋が考えていると、空中を移動している『マテリアル』が薄い雲の中に入り、霧が漂いはじめた。
裸体が霧の水滴で濡れるのにともなって、秋の肉体は男体から女体へと変わっていく。
平らだった男の胸がプクッと膨らみ、男性性器が消滅していくのと同時に女性性器の溝がパカッと開き、女の部分が形成されていく……体型も男の角形体型から丸みを帯びた女性体型へと変わる。
シャワーを浴びたように霧の水滴で濡れ光る女秋は、自分の性器をクチュクチュといじくり、乳房を揉み回して自分が女であるコトを確認した。
「んんッ……マ○コもある、乳房も膨らんでいる……今のあたしの体は正真正銘の女だ……性別が変わった時に、時々自分の体を確認しないと今、自分が男なのか女なのかわからなくなるからな……男女一体型は、そこの部分は面倒だな……あぁん」
と、秋は苦笑した。
響子たちは『軟質女体製品工場』にやって来た。
黄金娘が説明する。
「製造行程は硬質製品と、それほど変わらないので、ここでは完成品を見てみましょう」
そう言って連れてこられた場所には、横たわった裸の女体たちが作業員の手で、次々と緩衝材を入れた長方形の段ボール箱に入れられ、出荷包装されている現場だった。
赤いリボンを女体に巻かれラッピングされて、箱に二人がかりで入れられている女体製品を指差して黄金娘が言った。
「これが、この軟質工場の年間を通したヒット商品の『女体抱き枕』です……女性の体型をそのままに、抱き心地のいい、生きた枕に仕上がっています」
黄金娘は、女体抱き枕の一つの足を広げると、濡れ気味の性器穴に指を入れると、指抽送をはじめた。
「最近の抱き枕は、このように可動式になっています以前は、両足をピタッと閉じたモノが主流でしたが、ニーズも変わってきたので」
黄金娘が指をヌチュヌチュと動かすと、挿入されている女体は、無言で腰をビクッビクッと上下させた。
響子が訊ねる。
「女体テーブルは動かなかったのに、この枕は反応しますね?」
「ええっ、これも顧客ニーズの変化で……無反応のマグロ枕だけじゃなくて、今みたいに無言で少し反応を示すモノや、少しだけ喘ぎ声を発するモノもあります……声を出すタイプの、女体抱き枕の穴も試してみますか?」
響子はストレッチャーに乗せられて運ばれてきた、女体製品の性器や乳首を弄んでみた。
触るたびに製品化した女性の口から「あぁ……あふッ」と、いった悩ましい声が溢れる。
響子が感心した口調で言う。
「なんかスゴいですね……でも、アパート住まいの独り暮らしには無言の枕の方がニーズがありそうですね。この声を出す抱き枕ってどんな人が購入しているんですか?」
「カップルとか夫婦が、三人プレイを楽しむために購入しているみたいです」
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