天空工業都市【マテリアル】A

『マテリアル』に到着した銀牙と響子は人のいない工場敷地内に着陸した。

 銀牙に後ろから抱えられて空を飛んできた、響子の心臓はバクバクとなぜか高鳴っていた。

(なにこれ、どうして銀牙さんに、背後から抱きすくめられて空を飛んだだけで……こんなにドキドキするの? 男性の裸なんて裸族人類と接するようになってから、見慣れているはずじゃない)

 飛んでいる間中、男の胸板を背中に押しつけられた響子のアソコはクチュと濡れている。銀牙の存在を意識してしまった響子は、銀牙の顔がまともに見れなくなってしまい赤面する。

 銀牙が響子に聞いてきた。
「どうした? 空を飛んで気分が悪くなったか? ゆっくりと飛んだつもりだけれど……大丈夫か?」

「あっ、大丈夫です……なんでもありません」
「そうか」

 銀牙は敷地内にある、スピーカーに目を向ける。
「どうやら、工場の作業音はあのスピーカーから出ていた録音らしいな……煙突から出ている煙も水蒸気だ環境に配慮しているのか?」

 響子が銀牙の体に装着されている、青色の鉱石〔ヌードナイト〕が埋め込まれた首輪や腕輪や脚輪や陰茎リングを見て言った。

「今回は、ずいぶんとたくさん装着しているんですね……太股にまで」

「タコ神二号さまが『マテリアルでは、モノ化された着衣人類とのセックスも考えられるから、彼女たちを壊さないように』って言われてな」

「どこでもセックス……するんですね、裸族人類だから誰とでも」

「基本、裸族人類は快楽主義者のフリーセックスだからな……ただ、イカ側の紫音が蘭花に種付けして、イカの子供を蘭花に孕ませようとしているのだけは許さない……蘭花にイカの子供を生まさせてたまるか」

「蘭花さんのコト、銀牙さんは好きなんですね」

「まぁな、タコ側のパートナーだから」
「確かタコの宇宙人さんから、強制的に“つがい”に、させられたんでしたっけ……お二人は、それでいいんですか?」

「オレと蘭花は、創造主のタコ神さまには逆らえないように、意識にプログラムされているからな。創造主の命令に従うだけだ創造主から『セックスをしろ』と命じられればオレたちは、その場で公開セックスをするだけだ……そう言えば、響子と一緒にキ○タマ探しするのは初めてだったな、コレやるよ」

 そう言って銀牙は、お腹の袋から女性モノの下着が入った、ガチャポンカプセルを取り出して響子に渡した。

「着衣人類だったら、パンツくらい穿けよ……風邪ひくぞ」

 銀牙から渡されたのは、引っ張れば引き千切れそうな空色のヒモパンだった。

「これは?」
「もうすぐ、蘭花が裸族化した記念日だからな、プレゼントしようと思って買っておいた」

「いいんですか? あたしがもらっちゃっても」
「蘭花には、また別の下着を買うから」

 響子は銀牙からプレゼントされた下着を身につけた……銀牙のチ○ポが、響子の下着姿に反応してビクッと跳ねる。

「やっぱり脱がす楽しみを想像すると興奮するな……裸族人類みたいに、いつも全裸だと逆に衣服を脱がすことが刺激的に思えてくる」

「そうなんですか」
「裸族人類には文明の発展はないからな……毎日、エッチするのが一番の楽しみだ」

 二人がそんな会話をしていると、初老で作業服姿の男性が近づいてきた……男性の肌と髪の毛の色は銀色だった。

「ダメだよ裸で工場の敷地に入ってきたら……部外者は出ていってくれ、おや? あんたたち、もしかして」

 その時、初老男性の作業服のポケットで携帯電話の受信音が響いた。

 初老男性が取り出した携帯電話を耳に当てる。
「もしもし、なんだタコさんか、久しぶりだな……裸の男女? あぁ、目の前に立っている……黄金色のキ○タマを探して……わかった、滞在中の面倒をみればいいんだな。気にするな、タコさんとオレの仲じゃないか」

 携帯電話を切って初老の男性が言った。
「あんたたち、もしやと思ったがタコ側の人たちか……タコさんから話しは聞いた、キ○タマ探しているんだってな。宿泊場を用意するから好きなだけ滞在してくれ……後で『マテリアル』の人体加工製品を見せてあげるから」

 と、言って笑った。



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