天空工業都市【マテリアル】@

(黄金色に輝くキ○タマ情報が途絶えてしまいました……いったい、どうすれば)『実験群島』のケン・フランの書斎で壁に掛けられている『実験群島』の海路図を眺めている軍医タコに響子が遠慮気味に声をかけた。

「あのぅ……参考になるかどうかは、わかりませんけれど」

 そう言って響子は、ペンダントになって首からかけている悦郎の鉄のキ○タマを、持ち上げて見せた。

 今の響子は、次のシーンには何事も無かったように再生している、北斗○拳印の下着を穿いていないので全裸だ。

「『動物島』で、あたしの相手をしてくれた狼組長さんが『鉄玉を……天空を移動している空中都市の泉に投げ込んでみると何か良いことあるかも知れない』って言っていたんですけれど……これって何かキ○タマ探しの参考になりますか?」

「天空を移動している空中都市……天空工業都市『マテリアル』のコトですか、ふむっ」

 軍医タコは、実験群島と交差している空路の線を触手でなぞった。

『マテリアル』なら、確かめてみる価値はありますか……あそこの工場長とは知り合いですし……フラン、『マテリアル』の空路と『実験群島』の海路が交差する日時はわかりますか?」
「え〜と、確か」フランがカレンダーを確認する。

「今日だ、もうすぐ『実験群島』の上を通過する」

 夜美の「そんなご都合主義が……」という、小声を無視して軍医タコが話を進める。

「大至急『マテリアル』に行くメンバーを決めましょう……まずは、鉄玉を持っている響子……それと」ここで軍医タコは少し思案した。

「本来なら、蘭花を行かせたいところなのですが、蘭花は『触手島』で、しばらく快楽責めを楽しんでいますし……ここは」

 軍医タコは、書斎にいるメンバーをグルッと見回して、一人を指差した。

「銀牙、響子の護衛を兼ねて同行してください……『マテリアル』ですから、それほどの危険は無いと思いますが……念のために」

 全裸の銀牙が白い天使の翼を、背中から出して軍医タコに敬礼した「了解、タコ神二号さま」

 軍医タコは銀牙の首、手首と上腕、足首と太股、ペニスの根元に、それぞれ青い鉱石が埋め込まれた、首輪や腕輪や足輪をハメて準備する。

 その時……空の彼方から、巨大な飛行物体が轟音を出して近づいてくるのが見えた。

 円盤状の飛行物体の上部には、煙突から煙を出している工場群があり。下部にはブドウの房かフジツボのように円盤の底にしがみついた中小工場群があって、工場同士を縦や横に渡された空中ハシゴや連絡階段を作業服姿の男たちが忙しそうに、上り下りしているのが見えた。

 上部で上下している巨大アーム状の重機や、油田地帯でシーソーのように動いている機械の、ガコンッガコンッという工場音が響いていた。

 天空工業都市『マテリアル』は『実験群島』に近づくと、工場音がピタリと止み、煙突から煙も出なくなった。

 どうやら特定の地域上空や夜間は、騒音や煙害を出さないように定められているようだ。

『マテリアル』が頭上に来た時、軍医タコが言った。
「銀牙、響子……行きなさい、天空の都市へ」

 銀牙は響子を抱えると、天空工業都市『マテリアル』に向かって飛び立った。

 実験群島を通過して、再び工業音と煙が出はじめた時……空から落ちてきたクラゲ側裸族人類秋が、『マテリアル』に着地したのを伸ばした望遠眼で軍医タコは見て。

「選択したメンバー構成失敗しましたか……蘭花とチンチン君を組み合わせた方が良かったですかね」と、言った。



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あきゅろす。
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