実験本島@
『実験本島』の、ケン・フラン教授の屋敷地下にある研究室に、フランは螺旋階段を使って地下に降りてきた来た。

 怪しげな実験機器が唸る、典型的なマッドサイエンティストの研究室&実験室には、テーブルの上に試験管やらビーカーが置かれ……その中にある広口瓶に満たされた液体の中に黄金色に輝くキ○タマが浮かんでいた。

 ケン・フランは輝くキ○タマには目もくれず、ストレッチャー式の手術台へと近づく。

 手術台の上には全裸の女性が仰向けで目を閉じて横たわっていた。

 手術着に着替えたケン・フランは、手術台上の女性の胸を揉む……弾力性がある柔らかい胸だった。

「豊胸手術の処術後の経過は順調……理想的な乳房になった……さて、今日もダウンロードの続きをはじめるか」

 そう言って女性の足首を持ったケン・フランは、女性の両足をガバッと開くと、露出させた性器にホタテ貝が刺さった石板を密着させた。

 コードが接続された石板の表面にヒビ割れたような、怪しい緑色の光りが現れ……女性の顔に拒絶をしているような嫌悪の表情が浮かぶ。

 ケン・フランは女性の性器を通して石板に残されていた、ある人物の記憶を読み込ませ……脳内に記憶のダウンロードを行っていた。

「一度に大量のデータを生体に読み込ませると、拒絶反応が激しくなって失敗するからな……毎日、少しづつダウンロードして脳内を書き換えていかないと……ふふふっ」

 ケン・フランは眉間を寄せた女性の唇に自分の唇を重ねると、いとおしくキスをする。

「もう少しで会えるからね……マイハニー」

 フランが石板と出会ったのは、雑貨が売られている蚤の市だった。たまたま群島が通過途中にある港町の蚤の市に出向いた時……その石板は二束三文の装飾品扱いで売られていた。

 フランはホタテ付きの石板を一目見て、それが超古代文明の外部記録媒体〔古代USB〕であることを見抜いた。

(なぜ? ホタテ貝が?)

 購入して詳しく調べてみると、その外部記録媒体は機械的な信号データの保存だけではなく、生物のデータも記録保存できる代物だとわかった。

(これはスゴい……この技術を使えば人間の記憶や人格を移し替えるコトも可能だ)

 さらに石板には、一人の女性の人格と記憶のデータがすでに保存されていて……その女性の性悪な性格を知ったフランは、なぜか石板に封印されている女性……『乙姫』にマッドサイエンティストとして、心惹かれた。

 乙姫に歪んだ恋心を覚えたケン・フランは、最初に乙姫とよく似た体型と年齢の裸女を一人……捕獲して乙姫を復活させるために、裸女の体に乙姫の記憶移植をはじめた。

「ふ──っ、なんて根性が悪そうな笑みだ……だが、そこがまたいい。復活したら性奴隷&実験動物として使ってやろう」

 歪んだ恋心を抱くフランは石板を、スマホ立てにでも立てるようにセットすると……ダウンロード中の裸女から離れ、コーヒータイムと洒落込む。

「記憶の上書きが終われば、彼女は完全復活する……えーと、旧名は乙姫で、改名後は確か……妖気」
 フランの言葉が終わる前に銃声が響き、テーブルの上に置いてあったフラスコが粉々に砕け散る。

 はっ!? としたフランは壁と壁の隙間から、こちらを狙っている裸狩人の銃口と不敵な笑みを浮かべ腕組みをして立つ、裸赤ずきんの姿を見た。

 フランが口笛を吹いて、その場をごまかす。「名前なんてどうでもいいな……乙姫でいい。うん、乙姫で決定!」



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あきゅろす。
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