【巨人と小人の島】@

 その頃……尻目と夜美は、夜美が指示した実験島に到着していた。

 密林に囲まれた島の中央には、廃墟と化した実験施設とガラスが割れた巨大な、カマボコ型の温室がいくつも並んでいて……その中の一つ。

 南国の植物が自生する温室の中には、全裸の男巨人が仰向けで横たわり……呼吸をするたびに胸部が上下しているのが確認できた。

 巨人の巨木のようなペニスを間近で見た尻目が、ゴクッと生唾を呑み込む。

「なんかスゴくないですか……巨人のチ○ポ、蘭花さんから聞いてはいましたけれど、本当に御神木ですね」

 尻目の足元に転がっている無数の広口の瓶の中には、裸の小人の男女が、眠らされて入れられていた。

 尻目は、小人のカップルが抱き合わされた格好で、眠っている汚れた瓶を拾い上げる。

「夜美さん、この島はいったい?」

「破棄された実験島の一つよ……実験群島は、所有者が代わるたびに、さまざまな実験や研究がされていたから……この島では人間の巨大化実験と縮小化実験が行われていたの」

「じゃあ、『巨人の国』と『小人の国』の人間は……この島から外に?」
「そうかも知れないし、違うかも知れない」

 尻目がさらに夜美に訊ねる。
「ずっと聞きそびれていましたけれど……ケン・フラン教授が行っている、裸族人類に阻止してもらいたい研究と実験ってどんなモノなんですか?」

「あたしも詳しい内容は知らないんだけれど……なんでも『ある、性悪な人物を復活させる準備が順調に進んでいる……今日、豊胸手術も完了した』って、嬉しそうに言っていたから」

「それが、そんなに危険なコトなんですか?」
「考えてみて、世界征服や世界破壊を目論んでいる、独裁者みたいな奴が復活でもしたら大変なコトになるでしょう……マッドサイエンティストなら興味本意で後先考えないで、やりそうだけれど……ケン・フラン教授なら特にやりそうだから。豊胸手術をしたって箇所が、ちょっと引っ掛かるけれど」

「そうですか」

 尻目と夜美が温室で眠る巨人を眺めていると、聞き覚えがある声が巨人の腹の上から聞こえてきた。

「なんだ、おまえたちは、この島に来たのか」

 巨人の腹筋に乗っていたのは銀牙と、なぜか妖女の『のっぺらぼう』だった。

 銀牙と、のっぺらぼうが尻目と夜美の近くに巨人の上から下りてきた。

 尻目が銀牙に訊ねる。
「銀牙さんも、この島に……蘭花さんと一緒ではないんですか?」

「蘭花とは、はぐれた……どうやら、この群島には方向音痴にさせる乱磁気のようなモノがあるらしい」

 銀牙の返答にパイパンの『のっぺらぼう』が横から会話に割り込んできた。
「きゃははは……お邪魔していま──す、どこかでイカ臭いチ○ポのイカ側の裸族人類男、見ませんでした。はぐれちゃって」

 尻目と夜美が首をブンブンと横に振る。銀牙が、のっぺらぼうを指差して言った。

「コイツとは、この島でバッタリ会ってな……島の隅々まで探索してみたが、この島には黄金のキ○タマは無いようだぞ」

「きゃははは……キ○タマ無くて、残念でした。銀牙、ちょっと、チ○ポしゃぶらせてくれない……久しくフェラしていないから口が寂しいの、あたしは顔に青い鉱石埋め込んでいるから、裸族人類とエッチしても大丈夫だから……ほらっ」

 そう言って、自分の顔の皮を顎先からペロンと上に引っ張り剥いた、のっぺらぼうの顔の下には……顔の中央に宝石のようにカット加工された青い鉱石が埋め込まれていて、死んだ魚のような口がポッカリと口の位置に開いていた。

 顔の皮を元にもどして、のっぺらぼうが言った。
「ねぇ……エッチしよ」

「いいだろう……好きなだけ、しゃぶれ」
「わ──い、フェラチオだ! フェラチオだ!」



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あきゅろす。
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