新裸族人類……『蘭花』誕生A〔後夜〕〔挿し絵あり〕

 半眼で白目を剥いて、悦楽の笑みを浮かべた半開きの唇の端から、唾液が糸を引いて垂れている女子高校生。
 絶頂の余韻が体に残っているのか? 時おりビクッン、ビクッンと、痙攣している。

 軍医タコが言った。
「完成したようですね……一度、着衣させて確かめてみましょうか」
 椅子の拘束を解かれた女子高校生に、軍医タコが命じる。

「椅子から降りて、ここに立ちなさい」
 裸の女子高校生は、言われるままに椅子から降りて立った。
 軍医タコは、脱衣カゴに入った衣服を、女子高校生の前にカゴごと差し出す……地球から拉致してきた時に、脱がした制服と下着類だった。

「それを着なさい」
 女子高校生は着衣していく、下着を身につけ、ソックスを履いて、スカートのホックをハメ、白いシャツのボタンをハメていく……最後に赤いリボンタイを首に結んで、地球の女子高校生が完成した。

 軍医タコは、衣服姿で立つ女子高校生の動向を観察する……やがて女子高校生は、制服を脱ぎじめた。
 軍医タコが脱衣していく、女子高校生に質問する。

「なぜ、脱いでいるのですか?」
「はぁはぁ……自分でもわかりません、下着の繊維がマ○コに擦れて、マ○コが濡れてしまって……衣服を着ているのが、気持ち悪いんです……裸になりたい」
 女子高校生はそう言うと、パンツをスルッと脱いで全裸にもどってしまった。

 軍医タコが女子高校生の奇妙な行動に「うん、うん」と、満足そうにうなづく。
「成功です……着衣人類から『裸族人類』へと進化しました」

 しかし……しばらくすると、女子高校生は奇怪な行動を開始した。

 一度脱いだ下着をまた着衣しはじめた、パンツを穿いてブラジャーを着けたかと思うと、また膝近くまでパンツを下ろして、フロントホックブラのホックを外して胸を露出させる。
 そしてまた、パンツを穿いては下ろして、ブラのホックをハメては外す……と、いう行為を繰り返す。

 軍医タコが女子高校生に訊ねる。

「いったい、さっきから何をしているんです? 脱いだり着たりを繰り返して?」

「はぁはぁ……わかりません、脱ぎたい……でも恥ずかしい……あぁ、あたし変です」
「もしかして、これは優柔不断な『脱衣人類』ですか? 失敗ですか……いや、脱衣人類だったら下着だけを脱いだり着たりはしないはずですけれど?」

 やがて女子高校生は、ブラを完全に外すと手の平で包み込むように乳房を隠して、片手でパンツの上げ下げをはじめた。
 女子高校生の行為はさらに、常軌を逸脱していく。喘ぎながら身悶えて、乳房を揉む。

「はぁぁん……見てください、神さま、あたしを見てください……はぁぁん」
「もしかして、これは!? パンツを脱いでコレを着なさい」

 渡されたのはロングコートだった、女子高校生はパンツを脱ぎ捨てると裸身にコートを羽織る。
 そして、恍惚とした表情でコートの前を開いて裸体を公開した。

「あぁ……これです、あたしが求めていたモノは……見てください、もっとよく見てください……あぁ、淫らな姿を見られると興奮してきます……気持ちいぃ」

「やっぱり、脱衣人類から特化進化して『露出人類』になってしまいましたか……これはコレでサンプルとしては十分に提出価値はありますね」
 軍医タコかタブレットのタッチパネルを操作すると、床の一部が円筒形に持ち上がってきて、裸族人類標本用の円筒カプセルが出現した。

 円筒カプセルの硬質透明樹脂の一部が、スライドして開く。
 軍医タコが女子高校生に命じる。
「そのカプセルの中に入りなさい……あなたを、地球人強制進化プロジェクトのサンプルとして推進委員の方に、あなたのすべてを記憶したデータを付けて送りますから」

「はい……タコの神さま」

 女子高校生がなんの疑問も抱かずに、カプセルの中に入ると、生体標本ケースの樹脂カバーが閉じて。中に保存された女子高校生の裸体皮膚に、データ記号が流れるように書き込まれ皮膚に吸収されていく。

 一連の作業を終了した軍医タコが言った。
「データが正確に刷り込まれたのか、確認をしてみましょう」

 標本カプセルの中に、先端にバーコードスキャナーが付いたような触手アームや、先端がペニスの形をした触手アームが出てきた。

「まずは乳首から、データを取り出してみますか」
 触手が乳首をスキャンすると、感度や乳腺の発育状態が数値としてカプセル表面に現れた。

乳首感度良好、勃起率120パーセントいやらしい乳首です、この部位はオナニー時にはいつも軽く引っ張ったり、指で転がして刺激が与えられています』

 膣穴の方に挿入されたペニス型スキャナーからは、膣内の様子や形状、オナニー回数や今まで経験した男性の人数、その時の体位などが克明に表示された。

 体の各部位をスキャンするたびに、家族構成や恋人の有無、隠しておきたいエッチな事柄や性癖。成績に至るまでデータとして表示されてしまう、個人情報の流出に女子高校生は奇妙な興奮を覚える。
 女子高校生は中学時代に誰もいない教室で、イケメンで背が高くて可愛い感じの男子生徒と壁際でパンツを下ろして、立ったまま片足を上げた格好で初体験をしてしまったコトを思い出しながら、コートを前開きにして身悶える。
「はぁぁ……もっと見て、あたしのすべてを見て……はぁはぁ」

 女子高校生は、そのままカプセルの内側に尿道口から精液をドプッドプッと腰を突き出しながら飛ばして……絶頂した。
 地球から捕獲されてきた女子高校生は、タコ型宇宙人の手によって変態に変えられた。

 下半身を白濁の精液で汚して、呆けた表情でコートの前をはだけさせている、女子高校生の乱れた姿をデジカメで撮影しながら。隊長タコが軍医タコに苦言する。
「認めたくないものだな……若さゆえの過ちというものは……単体の裸族人類製造は失敗か?」

「みたいですね、せっかく女体から精液が出るようにしてみましたけれど『自己受精』は、しそうにありませんね……どうも、イカ型宇宙人やクラゲ型宇宙人のように、わたしは器用ではありませんから単体で裸族人類製造は無理みたいですね……初代の軍医タコは、超越した技術で着衣人類を次々と裸族人類に改造していたみたいですが」
 軍医タコがタブレットを操作すると、空中に初代軍医タコが行っていた、裸族人類製造の映像が映し出された。



「初代は、外科手術改造が得意で開腹した着衣人類の体内に人工臓器や、宇宙生物の臓器を移植をしていたらしいです……ナノマシンの注入改造も初代から、受け継がれてきた伝統技術です……骨格に銀色の宇宙金属をコーティングして強度を高めて、最後に皮膚を特殊なスキン素材でコーティングして完成です……初代みたいなパーフェクト裸族人類を、わたしも生涯に一度は作ってみたいものですね」
「我々の裸族人類計画は失敗なのか?」
「いいえ別の方法は、すでに一ヶ月前から行って現在進行中です……そろそろ効果が現れると思いますが」
「どんな方法だ?」
「『裸体粒子』を月光に含ませて、気づかれないように地球に放出してきました……遺伝子の中に裸族因子を持つ地球人は、体内に取り込まれた粒子に反応して『裸族化』します……ただ」

「何か不都合でもあるのか?」
「この方法だと裸絡みに、何が起こるのか予測できません……平行世界や未来世界からの『裸族人類』なんかが来て、ひと騒動起こるかも知れませんね」
 そう言って軍医タコは、船内の空間に青い地球を映し出した。

「あの青い星に、いったいどんな裸族が誕生するものやら……そこから、どんな物語がはじまるものやら」
 軍医タコが、タッチパネルを操作すると、地球の映像に被さるように

【あたし……タコとヤッちゃいました New Stage 〜全裸のともだち〜】のタイトルクレジットが表示された。




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あきゅろす。
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