第七界序章@むかーし、むかーし、あるところに竹取りの翁という者が……

 物語の時間は『童話の町』のラストに少しばかりもどる。

 目を開けた妖気妃の視線の先に、横に並んだホタテ貝の無数の目があった。

 思わず貝ヒモに並んだホタテの目に叫ぶ妖気妃。
「目が! 目が! へっ!?」

 ホタテ貝の方に魂が移動して脱げ殻になった妖気妃の肉体が、その場に顔面から倒れる。

 美久は「飛んでいけぇぇ!!」と、山奥に向かって、妖気妃の魂が入ったホタテ貝を投げ捨てた。
(ひえぇぇぇぇぇぇ!!)

 ヒモでグルグル巻きにされて山奥に投げられたホタテ貝が、枯れ葉が積もる山の地面に刺さった瞬間……ガキッ! と何か固い物に突き刺さって垂直に立った。
(??? なんだ? 何か固い石みたいなモノに?)

 妖気妃は不思議な感覚を感じたが。このまま朽ち果てていく恐怖の方を強く感じると、閉じられた貝の身の中で絶叫した。
(誰か!! 助けろ!! いやだぁ、このまま腐って虫や動物に食べられて終わりだなんて……認めない! 誰かぁぁぁいないかぁ!)

 叫びも虚しく……そのまま妖気妃の魂が入ったホタテ貝は、人知れず山の中で腐敗進行して……朽ち果てた。
 数日後……腐ったホタテ貝に近づく者の姿があった。

「おやまぁ? 山の中にホタテ貝が?」
 それは、竹藪に、光る食用竹を探しに来た『竹取りの翁』だった。
「今年は光る食用竹が不作で、こんな山奥まで竹を探しに来たら珍しいモノがあった」

 翁が腰に提げているカゴには採取した数本の光る竹が入っていた。竹取りの翁が、その昔……光る竹を見つけ家に持ち帰って竹を割ってみると、竹の中から成人した裸の女性がモチのように出てきたそうな。

 翁のじっさまは、裸の女をばっさまに見つからんように、物置に隠してこっそり食事を与えておった。
 最初は理性を保っていた、じっさまじゃったが。若い娘の裸にムラムラと欲情してしもうた、じっさまはあろうことか竹から生まれた『かぐや姫』を抱いてエッチな関係を結んでしまったそうな。

 ばっさまに見つからんように、物置に隠した裸の『かぐや姫』を繰り返し抱いておった、じっさまじゃったが……悪いコトはできんもんじゃ。ついに、ばっさまにバレてしまったそうな。

 長年連れ添ったじっさまが、物置で裸の娘と全裸でイチャイチャしている姿を見た、ばっさまは激怒したそうな。

「このエロジジィ! 竹から生まれた裸の娘と、そういうコトをするのなら……こちらにも考えがあるわい!!」
 そう言って、怒ったばっさまは川へ洗濯に行き。どんぶらこどんぶらこと川上から流れてきた桃を拾ったそうな。

 ばっさまが、まな板に乗せた桃を包丁で割ると、中から裸の成人男性が現れたそうな。
 ばっさまも桃から生まれた若い男を、じっさまに知られんように食事を与えていると、男はばっさまになついたそうな。
 ばっさまは、若者のチ○ポをいじくりながら言ったのじゃ。
「見事なチ○ポじゃのぅ……桃から生まれたので『桃太郎』と名付けよう……さあ、桃太郎や、ばっさまを抱いておくれ」

 ばっさまは、じっさまに当てつけるように、桃太郎と寝たのじゃ……寝具の中で裸でセックスをしている、ばっさまと若い男を見たじっさまは、当然激怒したのじゃ。

「ばっさまが、わし以外の男と寝るなら、こちらにも考えがある!!」

 じっさまは、また新しい光る竹を取ってきて、出てきたかぐや姫を育ててエッチしたのじゃ。

 それを見た、ばっさまはまた怒ったのじゃ。
「ふざけんなジジィ! こうなった流れてくる桃……拾いまくってやる!」

「それは、こちらの台詞だ!! 竹取りまくってやる!」

 竹……桃……竹……桃……竹……桃……竹……桃

 かぐや姫……桃太郎……かぐや姫……桃太郎……かぐや姫……桃太郎と、じっさまとばっさたは意地で、かぐや姫と桃太郎を育ててはセックスをしておったそうな……そのうちに、竹から生まれてくる、かぐや姫の中にも過剰に栄養豊富な、激ポチャかぐや姫が出てきたり。

 桃から生まれる桃太郎の方にも、肋骨が浮き出た貧相な体躯の桃太郎などが出はじめたそうな。

 この時になって、じっさまとばっさまは自分たちの行為の愚かさに初めて気づいたそうな。

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あきゅろす。
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