真剣に、あたしに【変】なコトしなさい@〔全裸のともだち〕

 蘭花の声に、目前の空間がガラスが割れるみたいに亀裂が入り……割れた空間から軍医タコが顔を覗かせた……向こう側の空間には、なぜか西日が差し込む。昭和風の四畳半部屋と円形のちゃぶ台が見えた。

「呼びましたか?」

 蘭花が泣き声混じりに、助けを求める。

「タコ神二号さま……マ○コからチ○ポが抜けないんですぅ」

 結合部分を観察する、軍医タコ。

「ははぁん、着衣人類とエッチしちゃいましたね……ずっぽりハマちゃっていますね」

「犬とヤッた時は、なんともありませんでしたよ」

「それは、動物とヤル時には無意識に膣圧に、リミッターがかかるように設定されているんですよ……人類を除く、稀少な絶滅危惧動物を傷つけないように」

「なんとかしてください」

「自業自縛です……自力で抜去しなさい」
「そんなぁ」

 しかたなく蘭花は、踏ん張ってチ○ポを引き抜こうと奮闘する。

 手足で男たちの体を押して、必死にチ○ポを抜去しようとしている蘭花に軍医タコが言った。

「ほらほら、早くしないと処女膜が再生して、もっと抜けなくなりますよ

「わかっています……うぅ〜ん、マ○コからチ○ポ抜けろぅ!」

 ズポッ! ヌブッ! と、音がしてマ○コとアナルに入っていた、チ○ポが抜けた……安堵する蘭花。

「はぁ……やっと抜けました。タコ神さま」 

「それは良かったです、それにしても派手にやりましたね」

 軍医タコは、顔面が陥没した男。フェラチオで精気が吸いつくされて乾いた男。手コキで男性性器が燃え尽きた男。ペニスが圧縮骨折して気絶している二人の男の、計五人の強姦男たちを眺めた。

「顔面陥没している男の顔なんて、蘭花の前面頭蓋骨の眼孔や歯形がはっきりわかるまで、陥没しているじゃないですか……ダメですよぅ、裸族人類の骨格は銀色の宇宙金属がコーティングされているから、ダイヤモンド以上の硬度があるんですから」

 蘭花が膜の再生がはじまっている、処女膜を触りながら言った。

「すみません、タコ神さま……これからは気をつけます」

「裸族人類五つの誓い、いつっぅ!」

 裸の蘭花が条件反射で、ひざまづく。

死して屍、拾う者なし

「良く言えました、この着衣人類の男たちは、わたしの方で治療しましょう……着衣人類の実験体が、ちょうど欲しかったところですから」

 そう言うと軍医タコは触手を伸ばして、自分がいる空間の方に男たちをポイポイと放り投げた。

「ところで隊長……もとい、神さま一号を見ませんでしたか……『ちょっくら着衣人類を味見してくる』と言い残して宇宙船から『どこでもホール』を使って、こちらに出てきたみたいなんですが……不可視光学処置もしないで」

 首を傾げる蘭花。
「さぁ……見ていませんけれど」

「そうですか、どこへ行ったのやら、あのタコ……それじゃあ、わたしはこれで宇宙船内空間にもどりますから」

 割れた空間の断片が自動的にもどりはじめた時、今まで蘭花と軍医タコのやりとりを黙視していた響子が話しかけてきた。

「あのぅ……助けていただいて、ありがとうございます」

 軍医タコは空間の修復を一時中断して、蘭花と響子の会話にタコ耳を傾ける。

 蘭花が、まだ居たの? と、いった感じで響子を見る。

「えっ!? まぁ、助けたつもりはないんだけれど……結果的には助けたコトになるのかな?」

「体を張ったエッチ……素敵でした5Pなんて初めて見ました」

「はぁ……ありがとう」蘭花は、響子の言葉に複雑な顔をする。

 響子は割れた空間の縁に触手でもたれて、こちらを眺めている軍医タコを指差して言った。

「あのぅ……そのタコさん何ですか?」

 不可視光学処置で着衣人類には見えないはずの軍医タコが、それほど驚いた様子も無く言った。

「やっぱり見えていましたか、どうも視線がこちらをチラチラと向いていましたから、もしやと思っていたのですが」

 蘭花が軍医タコに質問する。

「どういうコトですか? 着衣人類には見えないはずじゃ?」

「たまにいるんですよ……こういった見えないモノが見えてしまう着衣人類が……蘭花は【裸の王女さま】と、いう宇宙童話を知っていますか」

「いいえ、知りません」

「地球とよく似た星の王女さまが、衣装屋にダマされて、見えない繊維でウェディングドレスを作って結婚式を行うんです……素肌に見えないドレスですから、被ったベールとブーケだけの花嫁スッポンポンの結婚式です……挙式に参列している者たちは、花婿を含めて『まさか花嫁が裸のわけがない……気のせい、気のせい』と誰も指摘できないまま、式が進行してキャンドルサービスの時に花嫁の陰毛にロウソクの火が引火してパイパンになってしまい、その時に初めて花嫁が裸だったと露見して花嫁が赤面して初夜を迎える……と、いうストーリーです」

「はぁ? よくわからないんですが……その童話とタコ神さまが見えてしまったコトに、どんな関係が」

「つまり、不可視光線は無毛な着衣人類には効かない……ってことです。そこの着衣人類……名前は?」

「響子です……下の毛は、ご想像にお任せします」

「響子、少し失礼して遺伝子を調べさせてもらいますよ」

 軍医タコの触手が一本響子に向かって伸びてきて、響子の額にピトッと接触した。

 少し接触してから、触手を額から離して軍医タコが言った。

裸族因子反応ナシ……どうやら響子は生粋の着衣人類のようですね……絶滅進化の袋小路に向かっています

 響子が、ひんやりとした触手の感触が残る額を擦りながら軍医タコに訊ねる。

「あたしたち、絶滅しちゃうんですか?」

「裸にならない限り絶滅します……絶滅種の運命だと思って、諦めてください」

「はぁ……絶滅ですか」

 響子は、それならしかたがない。と、いった顔で苦笑した。

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あきゅろす。
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