汎用人型性欲兵器VSハイブリッド裸族人類B

 秋の秘孔突きが遅効で効いて、操り人形状態から解放された響子が言った。
「美久……さん? あたし何やっているの? 今までいったい何をしていたの?」

「よかった、元の響子にもどった」

 人型兵器から解放された響子を見て、兼定は隣に立つ清光の胸元をつかんで怒鳴る。

「どうなっているのよ!? 響子のコントロールが解けちゃったじゃない!!」
「そんなコト、あたしに言っても……ちゃんと、コントロールは成功していました。原因不明です」

「こうなったら、もう一度。響子を捕獲して人型性欲兵器に……ついでに守護神の卵も回収して」

「兼定姉さん、そのコトなんだけれど……どうも、響子の胎内に卵は入っていないみたいです」
「なんですって!?」

 兼定が驚いていると、響子の首にかかっているキ○タマペンダントから空中に四角い光りが放射され、三次元投射スクリーンが出現した。

 スクリーンの中に軍医タコの姿が映し出される。
《兼定さん、清光さん、はじめまして》

「わっ!? タコ!? あの時の酔っぱらいタコ宇宙人??」

「兼定姉さん、なんかこのタコさん、あの時のクソタコと雰囲気が違いますよ……人徳というかタコ徳があるというか……人違いじゃなかった、タコ違いじゃないんですか」

「そう言われて見れば……あなた誰? どうして、あたしたちの名前を知っているの」

《わたしの名は『軍医』……悪いとは思いましたが、響子のキ○タマペンダントに仕組んだ集音器を通して、お二人の会話を聞いていました……響子の身の安全を考えて、盗み聞きしていたコトをお詫びいたします》

 清光が驚きの声を発する。
キ○タマが盗聴器だったの!?

「諜報活動は戦略の一つ……別に盗聴されていたコトは気にしていないわ、ちゃんと謝ってくれたしね……で、その軍医さんが何の用」

《響子を解放していただけませんか……汎用人型性欲兵器から》

「それはできない……響子初号機は今や、この国の防衛の要だから……大切な女体兵器だから」

 兼定の言葉を聞いた響子は、自分の体が必要とされているコトに複雑な気分ながらも、ちょっぴり嬉さを感じた。

 軍医タコが言った。
《では、こうしましょう……機械城の機械化男爵に、わたしから頼んで『メカ響子』を作ってもらって、そちらに送りますから。それを響子の代用にするというのは》

「う〜ん……機械の外見をした響子初号機というのは……中巨人のオスが外見で萎えてセックスしたがらないんじゃ」

《それなら、脱皮した美久の皮もオプションでメカ響子に着せましょう……裸族人類の皮ですから耐久性もあります》

「悪くないわね……でも、もう一声なにかサービスを付けて欲しいわね」

《わかりました……本日は特別に、この》

 軍医タコが、先端がパラボラアンテナ型をした銃を取り出して見せる。

《着衣人類のみに効果が続く『全裸で外を歩いても気にならない光線銃』もつけましょう……この光線銃の構造を、そちらで分析して防衛ラインに配備すれば着衣人類の中巨人が攻めて来ても、無意識に脱衣してしまいます……無防備な中巨人をメカ響子に襲わせてセックスさせれば、簡単に捕獲できますよ》

 清光が横から遠慮気味に口を挟む。
「兼定姉さん、機械の汎用人型性欲兵器なら、半永久的に使えて解放する必要も無いし……それに、裸体で戦車とか戦闘機に乗った中巨人なら、戦力も削げて悪い話しじゃないと思うけれど」

「清光の言う通り、わかった響子を解放する」

《感謝します……うちの『隊長』が酔っぱらって『いやさか軍国』に迷惑をかけたみたいで……あのタコにも困ったものです》

「軍医さんも大変ね……あんな酔っぱらいタコが上司だと」

《はい……隊長には毎回、手を焼いています》


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あきゅろす。
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