汎用〔はんよう〕人型性欲兵器@

 守護神のイモムシを姉と一緒に復活させた、妹の清光は響子を拘束している部屋へともどってくると、処置の続きをはじめた。

 軍服白衣姿の清光は巨大クレーンを操作して、仰向けで眠っている響子の首にかかっている鉄玉のペンダントを持ち上げて呟く。

「この金属体からは、何か強い力を感じるわね……パワースポットで売られていた、お守りかしら? 直接、本人から聞いてみますか」

 響子の顔に覚醒ガスが吹きつけられ、響子は目覚めた。

「ぅん……うぅん……?」

「起きたわね……ちょっと、聞きたいコトがあるんだけれど。この首のネックレス……何かのお守り? あたしたちの戦車隊と戦闘機の攻撃ダメージを、その金属球が少し防いでいたように感じたんだけれど……兼定姉さんも『中巨人の大切なモノならムリして奪わない方がいい』って言っていたから……その玉、どこで手に入れたの」

 響子は機械城で、出会った悦郎という少年の体内から出てきた玉だと伝えた。

 睾丸だと知って驚く清光。
「その鉄の玉! キ○タマだったの!? キ○タマのお守り? そう言えば黄金のキ○タマを探して、この国に来たって言っていたわね……心当たりが無いこともないけれど……アレはたぶん違うわよね」

「知っているんですか? キ○タマのコト、教えてください」

「だから違うって言っているでしょう……キ○タマを教えてくれって何よ。知らない人が聞いたら変態同士の会話だと思われるじゃない……はい、お喋りは終わり。その鉄のキ○タマのお守り大切にしなさい……眠って」

「えっ!? ち、ちょっと待ってまだ話しが……あッ……」

 響子の顔に睡眠ガスが吹きつけられ、響子はふたたび眠らされた。眠った響子の顔を、右から左に光りの筋が移動して体内をスキャンする。

 断面された脳内のスキャン画像を見て清光が呟く。
「この見たことが無い子ダコのような臓器が、操られていることを本人に意識させているみたいね……だったら、この臓器を通さずにダイレクトに脳波をコントロールをすれば響子を完璧な、操り人形に……ふふふっ」

 清光が悪魔の笑みを浮かべていると、兼定が部屋に入ってきた。

「響子の、改造は進んでいる?」
 清光の表情が一瞬で悪魔の笑顔から、気弱な妹の顔へと変わる。

「はい、これから脳波をコントロールして完全な操り人形に改造します」
「頼むわよ……この前、捕獲した中巨人は……」

 壁のスクリーンにワイヤーで裸体を捕獲され、改造された女型の中巨人の姿が映し出された。中巨人の股間には鉄板のようなモノがあてがわれている。



「改造に失敗してイキっぱなし状態で、ぜんぜん使えなかったんだから……今度は大丈夫でしょうね」

「前回のような失敗はしませんから……性欲もちゃんとコントロールします、兼定姉さん……響子は、ある時期を過ぎたら解放しちゃうんですよね」

「そうよ、攻めてきた中巨人の男や女とセックスをさせて、戦意喪失した敵を捕まえて……捕まえた敵を『汎用〔はんよう〕人型性欲兵器』に変える……着衣人類の女の膣は、何百人の男のチ○ポを抜き挿しできるような耐久性は無いから……壊れる前に解放するつもりだけれど」

「何年間……響子を性欲兵器として利用するの?」
「モノによるけれど、女の機能が枯渇するまで……生理がなくなるまで」

 兼定は壁の角で吐いた糸でマユを張って、サナギになろうとしている守護神の幼虫に目を向ける。

「あの子が成虫になったら、響子とセックスさせるから、それまでに改造を間に合わせて……響子は、様々な用途に使用可能な汎用兵器の初号機にするんだから……虫ともエッチさせないとね」

 苦笑しながら兼定が言った。
「考えてみたらあの“タイチョー”とか名乗っていたクソタコ宇宙人のおかげで『いやさか軍国』は守護神を復活させるコトができたんだから皮肉なものね」

 そして……数時間後、操り人形にされた『汎用人型性欲兵器』の響子初号機が完成した。



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