いやさか軍国の守護神@
先端が生き物のようにグニュグニュと蠢く内視鏡カメラが、響子の子宮に侵入して内部を映し出した。
初めて見る自分の子宮内部に響子は(アレが、あたしの体が赤ちゃんを育む、大切な場所)と、感慨無量の不思議な気持ちになった。
壁の大型モニターを見ながら清光が言った。「赤ちゃんは入っていないから、妊娠はしてないみたいね……良かった、いくら中巨人でも同じ女性として妊婦を『改造』するのは気が引けるもんね」
「お腹に赤ちゃんなんていません! 妊娠なんてして……今、なんて言いました。改造って……あたしの体に何をするつもりですか!?」
「それは、これからのお楽しみ……ふふふっ、さて次はどんな実験と検査を中巨人にして遊ぼうかなぁ」
清光が怪しげな笑いを浮かべていると、近くの壁に設置してある内線の電話が鳴った。
舌打ちする清光。
「なによう、これからいいところなのに」
受話器の向こうから姉の兼定の声が聞こえてきた。
「あ、兼定姉さん……うん、中巨人の妊娠検査は終わった。えッ!? これからそっちに? 儀式用の衣装を二人分持って? 守護神の卵も用意して? でも、姉さん……わかりました、そんなに怒鳴らないでください、すぐ行きますから」
内線を切った清光は「チッ!」と、短く舌打ちしてから響子に言った。
「用事ができたから、続きはまた今度ね……ふふふふっ」
響子の顔に麻酔ガスが浴びせられ、響子は眠りの世界に堕ちていった。
清光が響子の妊娠検査をしていた頃……兼定は、基地内の別の倉庫にいた。
そこには、響子と同じ形の金属手術台に、クラゲ側裸族人類の男秋が【ガリバー旅行記】のガリバーのように……ワイヤーで裸体を拘束されていた。
顔を赤らめた兼定が、男秋の丸太のような陰茎から少し視線をそらして言った。
「あんたが言っていた通りに裸族人類が、この国に来たわよ……ただ、手足を胴体に引っ込めて空を飛ぶ変な裸族人類と。響子と名乗る着衣人類の女だけれどね……着衣人類は捕獲して、亀みたいな裸族人類は逃した」
秋は天井を眺めながら呟く。
「そうか……やっぱり、小人の国にはタコ側裸族人類は来なかったか……ハズレだったな、捕まえた着衣人類の女をどうするつもりだ」
「『汎用〔はんよう〕人型性欲兵器』に変える……ある程度の期間が過ぎたら、解放するつもりよ。性欲兵器だから別に武器を持たせて戦わせるワケじゃないから……操って侵略者と、セックスさせるだけだから」
「そうか……響子は操られるのが好きだから喜ぶだろう。一つ聞いてもいいか? 着衣人類よりも、なぜ裸族人類を操って『汎用人型性欲兵器』として利用しようとしない? おまえの目の前にワザと捕まった裸族人類が一体いるだろう」
そう言って秋は、丸太のような##name4##をビクッビクッと動かして見せた……兼定が顔を赤らめる。
「そ、そんなモノ見せつけるように自慢して動かさないでよ……裸族人類の性欲兵器化も考えたわよ、でも裸族人類の力は強大過ぎて着衣人類たちが持っている“原子力”みたいに、あたしたちの手には余ると判断されたの……『いやさか軍国』には着衣人類の性欲兵器で十分なのよ」
「どうして着衣人類の生体兵器で十分なんだ? 近国には巨人の国もあるだろう……奴らが攻めてきたら、どうするつもりだ」
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