穴とゆき過ぎの情報@〔天使の壁ドン……裸のともだち〕〔挿し絵あり〕
次の駅で電車を降りて、見知らぬ駅から見知らぬ街へと出た蘭花は、両側が壁に挟まれた狭い路地を歩きながらタメ息を漏らす。
「はぁ……裸族のパートナーを見つけるって、いったいどうすればいいんだろう……ライン〔LINE〕とか出会い系掲示板みたいな、コミュニティがとれる、ソーシャルネットを利用して“つがい”探そうかな……でも、真面目なタコ神さま二号は、ネットを利用した。安易な解決方法は、裸族人類の肉体進化の妨げになるから『己の肉体を駆使して探せ』って言うだろうし」
裸族人類は、電波とか波長をパソコンとかスマホみたいな器機を使わなくても、脳内で送受信できた。
脳内でオンラインゲームもできれば、映像とか音楽を受信して見る聞くコトも、頭の中で思い描いた言葉をネットで書き込んで他者とコミュニケーションをとるコトも、やろうと思えばできる。
中継してくれる裸族人類が宇宙の別の星に存在すれば、何光年先の惑星にいる裸族人類の恋人と、超々遠距離恋愛をすることも可能だ。
裸の蘭花はペタンと、壁に背もたれる形で、その場にお尻をつけて座り込む。
「生めよ、増やせよ、地に満ちよ……か。簡単に言うけれど、結構大変だよ」
蘭花が何度目かのタメ息を漏らした時……頭上から翼の羽ばたき音が聞こえて白い鳥の羽根が舞い落ちてきた。
蘭花が顔を上げると、頭上から白い鳥の翼を背中から生やした全裸の男性が、フワッと路地に降りてくるのが見えた。
驚いた蘭花が立ち上がると、翼を生やした男は蘭花の前に降り立って言った。
「よっ! やっと見つけた……おまえ、オレの女になれ!」
(なに? 天使? 裸族人類?)
いきなりの裸の男の言葉に蘭花が驚愕していると、白い翼を生やした全裸男は蘭花を逃がさない様子で壁ドンした。
間近に迫る男の裸……股間の太いモノがブラブラと揺れているのが見える。
「なるのか? ならないのか? 返答しないと、おまえが望まなくても強引に。『子作り』するぞ……犯すぞ……一発やらせろ」
その言葉に蘭花の脳裏に軍医タコの「くれぐれも、強制妊娠させる能力を持った、別種の裸族人類には注意してください」の言葉がよみがえる。
「ひっ!?」恐怖した蘭花は、裸天使の壁ドンしていた手を振り払うと、頭上に向かって跳躍した。
自分でも信じられないほどの跳躍力で、蘭花は数十メートルも裸で跳ぶ。
(なにこのジャンプ力!? まるで、裸のプ○キュアみたい!?)
下の方から裸天使の声で「おいっ、ちょっと待てよ!」と、叫び声が聞こえた。
蘭花は、そのままどこかに跳んでいった。
蘭花に逃げられた、裸族人類の銀牙は「しまった」という顔で呟く。
「ファースト・コンタクトは、ちょっと強引すぎたか……もう少し時間をかけて接触した方が良かったかな? やっと出会えたタコ側裸族人類の“つがい”のメスだから、やっぱり慎重に交尾へ誘った方が……あの隊長とかいう、タコ神さまは『メスは繁殖可能な強いオスの強引なアプローチを、つねに待ち望んでいる! ケダモノになれ! 性獣になれ!』って言っていたけれど……どうも、あのタコ神さまは胡散臭いな」
早く蘭花と繋がりたがっている銀牙の勃起した男性性器がビクッンと、大きく跳ねた。
そのころ、蘭花と銀牙がファースト・インパクト的な遭遇をした路地から離れた公園の茂みの中では、着衣人類の女性が一人……複数の男性から強姦されようとしていた。
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