いざ!巨人の国へB〔巨人女帝・紫之宮の君〕登場

 子供たちの間で蘭花と銀牙を、刺した竹串の奪い合いがはじまった……子供にとっては、蘭花と銀牙は適度な自然のオモチャだった。

 田楽刺しにされていても生きている蘭花の股間は、被虐な行為にも興奮して濡れている。串刺しにされた蘭花と銀牙の口から、不鮮明な呻き声が漏れる。

「ふぐぐぅ……ぐぅ」「がぁぁががぁ」

 隊長タコの干物も、裂かれてちょうどいい具合に子供のオヤツになっていた。

 巨人の悪ガキたちが、蘭花と銀牙を刺した串を奪い合って遊んでいると。

 狩衣〔かりぎぬ・平安貴族男子の外出用ラフ着〕を着て浜辺を散策していた一人の巨人貴族と、お付きの者が少し離れた場所で立ち止まった。

 貴族と側近の者が何やら会話をした後……側近の男……須磨〔すま〕と名乗る者が、蘭花と銀牙を刺した串を持って遊んでいる子供のところに来て言った。

「これこれ、そこの童子……その手にしているモノを、譲ってくれないか」

 近づいてきた男の言葉に、子供たちは顔を見合わせた。側近の男は金銀が詰まった布袋を取り出して子供たちに見せて言った。

「どうだ、この金銀で、その串を売ってもらえないか……金銀の入っている唐布の袋も、おまけで付けよう」

 子供たちは差し出された金銀を無視して、蘭花と銀牙を刺した串を持って遊び続けた。

 側近の男は懐中から、果物や木製玩具を取り出して、子供たちと交渉しようとするが、まったく興味を示す気配が無かった。

「困ったな、もう何も持っていないぞ……おや? 懐中にワラが一本まぎれこんでいた」

 取り出した一本のワラを見た子供たちの目の色が変わる。側近の者はすかさず普通の小汚ないワラと、蘭花と銀牙が串刺しになった串との交換を持ち出す。

「どうだ、このワラとその串を交換しないか?」

 子供たちは蘭花と銀牙が刺さった串を放り捨てると、目の色を変えて一本のワラを奪い合いながら走り去って行った。

 側近の男は捨てられた、裸族人類串を拾い上げると主の元へともどり、串を手渡した。

 側近から串を手渡された貴族男性は、好奇な目で串刺しされている裸族人類の裸体を観察する。

「ほう、こんな悲惨な姿になっても生きているとは……これはもしや? 先日、捕まえて虫カゴに入れた者が言っていた、例の裸族人類?」

 見られて興奮した、蘭花のアソコが濡れる。

 貴族男性の巨人が呟く。
「このような珍しいモノは、宮廷に持っていって帝に献上しよう」

 そう言うと,平安貴族の巨人……『五条中納言』〔ごじょうちゅうなごん〕は蘭花と銀牙を刺した串を持って歩きはじめた。



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あきゅろす。
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