さらば【機械城】旅立つ船はA〔宇宙戦艦『大○』大井? 大淀? 発進?〕

 次に悦郎の意識がもどった時、悦郎はベットに寝かされていた。

 混沌とした頭で天井を眺める悦郎の視界に、背中から白い翼を生やした裸の女性〔蘭花〕が心配そうな顔で覗き込んでいるのが見えた。

(裸の天使? 死んだのか? ここは天国か?)

 悦郎が、そんなコトを考えていると、今度は首を外し抱えたメイド服姿の女〔ブロケン〕が「ん○ゃ!」と、声をかけてきた。

(ちがった! メイド……冥土……地獄だあぁ!)

 混乱した記憶のまま驚いて上体を起こす悦郎、蘭花が椅子に座って紅茶を飲んでいた軍医タコに言った。

「ニ号神さま、意識がもどりました」

「それは良かったです……簡単な移植手術でしたから、すぐに立ち上がって動けるでしょう……気分はどうですか? 悦郎くん」

「あ……少しづつ思い出してきた、メチャクチャな体位を強引にやらされて……股間に激痛が走って意識を失って……いったい何がどうなって?」

 そこまで言いかけた悦郎は、機械化男爵を見て絶句する。

 エプロン姿の機械化男爵が室内を、ホウキで掃いて掃除していた。

 意識のもどった悦郎を見て、エプロン姿の男爵が言った。
「あらぁ……意識がもどったのね、おほほほほっ……あたしがプレゼントした玉、気に入ってもらえたかしら」

 ブロケンが悦郎に不満顔で言う。
「ご主人さまに感謝してくださいよ、残っていた機械のキ○タマを移植提供してくれたんですから……あなたの片方のキ○タマは、ご主人さまのキ○タマなんですから大切に扱ってくださいよ……ちなみに、そのメカキ○タマには遠隔操作の起爆装置も組み込んでありますから、いざとなったら【キ○タマ爆弾】としても使えます」



 そう言って、ブロケンは悦郎の股間に手を伸ばすと、移植されたメカキ○タマを撫で回した、頭を抱えて絶叫する悦郎。

「うわぁぁぁぁっ!? ボクの片方の玉が機械化男爵の爆弾キ○タマに? もう、ワケわからない。大切なモノになんで爆弾が組み込まれているんだ? 矛盾している」

 軍医タコが言った。
「これで悦郎くんに、機械化男爵を狙う理由が無くなりましたね……あとは悦郎くんが、お母さんと一緒に銀○鉄道の列車に乗って。機械の体を無料でもらえる星へ旅立てば……めでたし、めでたしで……あれっ?」

 軍医タコが見ている窓の外の視線の先に、汽笛〔きてき〕を鳴らしながら空へと上っていく列車が見えた。

 蘭花が言った。
「停車時間が過ぎて発車しちゃいましたね……銀○鉄道」

 頭を抱える悦郎。
「どうしてくれるんだよ、半年か一年待たないと列車は来ないんだよ……こんな機械だらけの場所に半年も居られるか! そうだ、タコや裸女のあんたたちが、この島からボクを連れ出してくれれば……それで解決するじゃないか」

「それはダメです悦郎くんには、銀○鉄道に乗って旅をしてもらわなければ……みんな、それを期待しているんですから」

「いったい、あんたたちはボクに何を期待しているんだ……こんなメカキ○タマを移植されたボクにどうしろと?」

「宇宙に行きなさい悦郎くん、星々の大海原が君を待っています……そこで宇宙海賊になるもよし、悪い宇宙人の宇宙艦隊から地球の危機を救うもよし、千年周期で地球に接近してくる星の女王とイチャイチャするもよし……超巨大宇宙戦艦の顔色が悪いラスボスに向かって、キ○タマ爆弾を点滅させて突っ込んで行くもよし」

「意味わからないよ……だいたい、どうやって宇宙に行くんだよ」

「ふふ……ご心配なく、こんなコトもあろうかと。あるモノの沈没位置は探索済みです。銀牙、ちょっと耳を」

 銀牙の耳に軍医タコが耳打ちする。

「……ゴニョゴニョ、わかりましたか。今話したモノが近海に沈んでいるはずですから、海底から引き上げてきなさい」

「わかりました」

 白い翼を羽ばたかせた銀牙は、窓から飛び出して海の方へと向かい、そのまま海中にダイブして潜行した。

 軍医タコが言った。
「さあ、わたしたちもバルコニーに出ましょう」

 一同が城のバルコニーに出て、海の方を眺める……響子が軍医タコに訊ねた。

「銀牙さんに、いったい何を頼んだんですか?」

「すぐに、わります……ほらっ、あそこの海面を見てください。発見したようです」

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あきゅろす。
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